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須藤への電話

読んでいただきありがとうございます。

 クリニックを出るときに、スマホで須藤にメッセージを送る。


 ”今、電話してもいい?”


 須藤は水曜日は基本的にはボイトレを入れていないので、メッセージを見れば電話をかけてきてくれるだろう。電話に備えて、音楽を聴かずに駐車場まで歩く。寒いのでストールを首元に巻いて寒さをしのぐ。

 予想通り、駐車場に着くころに折り返しの電話がかかってきた。


「もしもし、KANA、電話で話そうなんで、珍しいね、何かあったの?。」

「折り返しありがとう。」


 私は車の運転席に座って、ドアを閉める。寒い、エンジンをかけて暖房をMAXにする。


「須藤にお願いがあって、林田さんのことで。」

「・・・何?私に協力できること・・・?。」

「須藤にしか出来ないことだと思う。」



 私の計画を伝えると、数秒無言の時間があった。


「もしもし・・・須藤、聞いている?。」


「・・・・・・聞こえています!。今、ちょっとびっくりして、答えられなかっただけ。」


 電話の向こうから須藤のため息が聞こえてきた。


「ずいぶんと無茶な、というか無謀な計画じゃないそれ?・・・普通に、林田さんの主治医として、表から入ればいいと思うけど。」

「普段の、日常の状態を把握したいのよ。だから、須藤に頼んでいるのよ。」

「そうかもしれないけど・・・。」



 今日一日、林田さんが言った『毒』のキーワードが、頭の中をぐるぐる回っていた。

(・・・喉のつまる感じ・毒・飲食のあと・症状は彼女一人、周りには同様の症状はない・・・)

 私の中では一つの仮説となる病態が思いついていたが、原因究明のために、どうすればいいのか。

 そのためにはボイストレーナーの須藤の協力が必要だった。


「どうしてそんなまわりくどいことをするの?。理由くらいは教えてくれない?。」


「長くなると思うから、今度あった時に説明するよ。」


 須藤の疑問は最もだと思う。林田さんには、須藤に話すことは了解は得ていたが、電話で毒の話を伝えるわけにはいかない。毒を盛られたというのは林田さんが思っているだけで、証拠はないのだ。

 須藤とはいえ、毒と聞いたら、普通の人間であれば、警察に連絡したほうがいいのでは?と慌ててしまうかもしれない。対面で会えた時に話すべき内容だ。



 しばらく電話でやり取りが続く間に、少しずつ、車の中が暖かくなってきた。須藤が私の計画に乗ってくれることで話がまとまったころには、首に巻いていたストールを外すことができた。


「・・・じゃあ、曲送るから、KANAも練習しておいてね。あと、先方と私とのスケジュールを調節するから。時間かかるかもしれないよ。」



 須藤の念押しで電話は終了した。

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