土曜日の食事会(ゆきの視点)
焼肉の会です。
土曜日の食事会は、牧野マネージャーの叔母さんが経営している焼肉店だった。
前にも何回か来ていたので受付にいた顔見知りのおねえさんが、
「ゆきのさん、いらっしゃい、もう何人か先に入ってますよ。マネージャーはリリアさんを迎えに行っています。」
そう話しながら、2階の個室を案内してくれた。4人掛けのテーブルが3つある部屋を貸し切りにしていたため、会社の偉い人が2人混ざっていても、気にせずゆったりと食事ができる。
「お疲れ様です。」
まず、偉い人の席に挨拶に行く。上原専務がにっこり微笑んで
「君たちの慰労会なのだから、リラックスして、我々は気にしなくていいんだよ。」
専務にも
「さあ、席について、好きなの頼んで。」
それから食事会に入るのが、定番のやりとりだった。
「ゆきの、お疲れ、飲み物何がいい?。」
席に着くと、まほがメニューを渡してきた。
「じゃあ・・・。ウーロン茶。」
「私、焼肉大好き!!。」
さなは、わーいと無邪気にはしゃいでいた。
「はい、焼けてるよ。あっ肉が焦げる!、ゆきの食べて!!。」
まほは薬肉奉行のように、焼いて取り分けしてくれる。
「そんな急に、たくさん食べられないよー。」
久しぶりの焼肉は私も楽しみではあったが、まほの焼肉奉行テンションにはついていけずにいた。
「若い子はたくさん食べないとね。」
奥の上座に座った上原専務はにこにこしながら、ノンアルコールビールを飲んでいた。
私が到着して15分くらいしてから
「申し訳ありません、遅れました。」
そう言って、牧野マネージャーが入ってきた。いつもはきっちりしたスーツが定番の牧野マネージャーだったが、今日はカットソーとデニムで焼肉仕様の服だった。スーツもいいが、抜け感のある服のほうが、マネージャーのスタイルの良さを際立たせて、私は好きだった。
マネージャーはリリアを迎えに行っていたようで、
「お疲れー。」
といいながら、やや上機嫌のリリアもマネジャーの後から入ってきた。リリアは、今日の食事会のことを聞いたとには、「焼肉かあ、」という顔をしていたものの、リリアが本当は肉が大好きなことは、メンバーのみんなが知っていた。
リリアは、炭水化物を控えて太らないように、と数日前から食事をセーブして、今日の会に備えていた。いつもスタイル良く見える服しか着ないリリアがダメージジーンズにおしゃれな古着のTシャツを着ていたのが、本気を表している。
「壺カルビと、上ロースと・・・ホルモン盛り合わせ、お願いしまーす。」
さながどんどんオーダーしていくと、
「ネギタン塩、特上ね。」
リリアもオーダーを入れていく。
マネージャーは経営している叔母さんと、仲良さそうに話をしていた。普段ピリピリしているマネージャーとは思えないほどリラックスしていた。ここはマネージャーにとって、家のようなものなのだろう。
私は、ここにいるときのリラックスした牧野マネージャーが好きだった。いつもこうだったらいいのにと思っていた。
未成年なので飲みません。
会社の偉い方も、不祥事が起きないように同席しています。




