毒
短めです。
「私・・・・もしかして、食事や飲み物に毒を入れられているのではないか?と思っていて・・・。」
・・・・毒?。
全く予想外の展開に私は一瞬、理解が追いつかず、答えるまでに間が開いてしまった。
その彼女の真剣な告白を、私は医師として真剣に受け止めなければならない。
・・・が、毒?。
「毒を入れられていて、声が出なくなった・・・。そう考えている、ということですか?。」
「・・・はい。」
うなずいた彼女は真剣そのものだ。
「声が出なくなる前は、特に何も異常がなくて、突然声が出なくなるんです。私の飲み物にだけ、何か混ぜられているんじゃないかと思って。」
「どうして・・・・。どうして、毒が入れられたと思ったのでしょう?。何か、きっかけが?」
彼女は再び言いよどんだ。
「前回、病院を受診した時にはそうは思っていなかったのですよね。」
私の問いかけに、林田さんは頷いた後、ゆっくり話し始めた。
「もちろん、証拠があるわけではないです。・・・先週の土曜日にメンバーとスタッフで打ち上げで焼肉に行って、その時・・。」
「症状が・・・でた?」
「はい。」
ゆっくりと私の目を見て頷いた。
「食事の最後に、冷麺を頼んで、みんなでシェアして食べようってことになりました。」
私と林田さんは、スタジオ内の椅子に座った。
「冷麺が届く前に途中で、実家の母から電話がかかってきて、話すために部屋の外にでて戻ってきたら、冷麺が届いていました。私の分は取り分けられてました。」
「それで・・・?。」
彼女は思い出したように喉に手を触れた。しばらく沈黙が訪れる。
「私、冷麺大好きでなんです。でも、一人では焼肉行かないので、久しぶりでした。食べ始めた時は、何も感じなかったのですが、半分くらい食べたところで、喉をとおらなくなって・・・。」
「ああ、この感じ、いつもの症状と同じだって思いました。」
林田さんは、その時の状況を詳細に話し始めた。
今回は短めです。




