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院内スタジオにて

病院内のスタジオです。

 

 当院は患者(クライアント)の歌唱時の状況を確認するため、クリニック内に防音設備を備えたスタジオを併設している。クリニック内のため大きくはないスタジオだったが、バンド一組くらいなら中でセッションできるスペースがある。ガラス越しに歌い方や動きが観察できて、全身が360度チェックできるようにカメラのモニターも付いている。その映像は3DでCGのごとく再現することができる。


「病院の中なのに、スタジオがあるんだ・・・。」


 林田さんは興奮ぎみに中を見渡した。

 案内してくれた田島さんは、スタジオの設定のため野中さんを呼びに行ってくれた。


「私、スタジオでの収録、まだ全然多くないです。ボイトレもまだ少ししかやってないし・・・すごい。」



 日本の若いアイドルは、ボイストレーニングをほとんど受けないままデビューすることが多い。ステージをこなしながら仕事しながら覚えていく、いわゆるon the job trainingだ。無理な歌い方をして、声を壊したり、Singerとしての寿命が短くなることもある。Singerとして長くやっていこうと考えているなら、正しい発生方法を学ぶボイストレーニングと個人にあったキーを理解した構成の歌を歌う必要がある。

 当院では、歌手にボイストレーニングを受けさせる慣習を業界全体に浸透させる必要があると考え、その活動をしている。



「記録を撮るのであればエコーは少な目でいいと思いますよ。新川先生、背の高さとマイクの位置、合わせてもらって大丈夫ですかぁ?」

「あっ、マイク音量はちょっと大きめでお願い、基本はポップスセットで!。」


 言語聴覚士の野中さんが音響を微調節している。音響分析に並々ならぬ情熱を持つ彼女は、スタジオの音響調節もプロ並みで、検査結果をもとに適切に設定してくれる。私はマイクの位置やカメラの角度を確認することに注力しつつ、林田さんに声をかける。


「いつから、須藤先生のボイストレーニングを受けているの?」


 先日、ボイトレで須藤とあった時、生徒の病状を心配しているのが伝わってきた。機材をきょろきょろと見まわしていた林田さんは、振り返って答えてくれた。


「11月からです。事務所の先輩の吉田ノエルさんが須藤先生のボイトレ受けていたんです。私が声出なくなることをノエル先輩に相談したら、須藤先生に相談してくれて。それで私の歌い方を見てもらえることになったんです。」


 なるほど、吉田ノエルは須藤にボーカルトレーニングを受けている。私もスクールの入り口で2回ほどすれ違ったことがあった。須藤はある程度上手いSingerしか教えていないし、ボーカルトレーナーとして人気なので、人気グループのメンバーといえ、若いアイドルの指導をしていることに違和感があったのだが、納得できた。


「もう、ボイストレーニングに通い始めて長いの?。何回くらい?。」

「まだ、この前が4回目です・・・。」



あっという間に記載済み原稿の1/3まで来ました。

連載している作家さんはすごいですね。

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