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月曜日の診察

カフェのイメージは赤〇インターシティコンファレンスのラウンジのイメージです。


「新川先生、実験の進行はどう?」


 月曜日の朝は、6時前に准教授からのメッセージが携帯に入り、目覚めた。

・・・月曜日の早朝からこのメッセージはアカハラなのでは・・・。と思いながら起床する。


「予定どうり進行しています。」




土日はクリニックは休みだったが、日曜の午後は大学で研究していたため、休日はゆっくりと休めないまま月曜を迎えた。


 月曜日は少し早めに家をでて、勤務の前にクリニックの入っているビル内のオリエンタル・カフェに向かう。

エキゾチックな壁紙のカフェは7時から営業しているので、週に何回かは勤務の前に立ち寄って奥の白いソファ席に座り紅茶を頼む。

 カフェ自慢のエスプレッソのにおいが眼を覚ましてくれるが、私は基本コーヒーを飲まないので、モーニングストレートティーをゆっくり流し込むことでリラックスしつつ、仕事モードに体を上げていく。


そう、今日は夕方のカンファレンスの当番、抄読会ジャーナルクラブが当たっている。先週のうちに論文を読んでプレゼンテーションを作成してあるが、夕方のカンファレンスで読む英論文をPC上で15分かけて目を通す。医院長に何を質問されるだろうと考えるながら、リザルト(論文の結論の部分)まで改めて目を通した。

 その後の症例カンファレンスで林田さんのプレゼンもある。今日の仕事が終わるのは何時だろうか。時間を確認すると、診療開始時間の30分前だった。紅茶のカップはすっかり冷えてしまっていた。


「おはようございます。」


 スタッフ専用入り口から院内に入ると、診察時間前だが、すでに何人か患者さんがいる気配を感じた。

月曜日の午前中は予約こそ多くはないが、急患が多いのでそれに備え必要がある。急いで着替えを済ませて、診察ブースにはいると、今日の担当看護師の寺野さんが院内電話を片手に入ってきた。


「すでに急患の電話が4件ほど入っています。感冒が3例と耳痛が1例です。」

「この時期は風邪からくる鼻炎や中耳炎も多いから、今日は混雑しそうね。」


答えながら椅子に座り、電子カルテにログインしながら画面の角度と明るさ、キーボードとタブレットの位置を自分用にカスタマイズした。 


「インフルエンザも流行っています、感染予防に気をつけていきましょうね。」

そう言いながら、寺野さんがディスポのサージカルマスクを着けて、私にも渡してくれた。

「武藤先生にも割り振っていきますね、カンファレンスに間に合うように補助します。」


 看護師の寺野さんは若いが対応は的確で、いわゆるデキるナースだ。そしてまつ毛の長いきれいな目元と整った口元が美しい。歌手や俳優・女優が多く受診するクリニックである当院でも、寺野さんは人気女優に引けをとらない美しさだった。もちろん仕事もできる。当院のホームページのトップ画面で微笑んでいる。


 やはりいつもの月曜日のごとく、救患が多かった。今日は週一回アルバイトの武藤先生もいたため、何とかこなせていたが、受付時間ぎりぎりの急患もあり、午前の部が終了したのは13時30分を過ぎていた。14時からは時間のかかる処置や検査の予約が数件入っていた。2人目のファイバーが終了し、カルテにレポート記載をしていると、武藤先生がさわやかに声をかけてきた。


「残りの処置は僕がやりますので、新川先生は予約が終わったら、カンファレンスの準備お願いしてもいいですか。」


そう言いながら、ふわっと肩にタッチしてくる、距離感の近さに武藤先生のモテ感が表れているなぁ、と関心しつつ軽くあしらう。


「ありがとう、助かる。」



読んでいただきありがとうございます。

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