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くろ

大人という物は皆心が死んでいる

そのくせ欲望にどん欲だから始末に負えない

「はい、町長さん」

僕は軽く会釈する

ルーレット台の周りにはもう三人が座り

町長だけが立つ

その台にマーガレットが、付く

その手には、酒が三杯とミルクが一杯

お盆に乗っけられ各自に配られた

「君は、この何一つ不自由しない町から出るのかい」

僕は町長をみる

その顔は、何一つ揺るがない

疲れた瞳を揺らしている

「ええ、此処にいても何一つ変わりない」

肉屋のデイブが叫ぶ

「何処に行っても肉屋は肉屋だ」

僕はそれを無視して、席に付く

「僕は肉が嫌いだし菜食主義者だ

それに、僕がやりたいことは、僕の特技であって

必要なことはやりたくない」

村長は僕の言葉に

「勝手だな」とつぶやき席に付く

ルーレットからもっとも離れた席に僕が

左右に肉屋と司書とバーの店主

そして一番奥に村長

「それで、一体何の勝負にします」

僕は懐からトランプを出した

「ああ、それなんだが、君に選ばせてやろう」

村長は、そう言った

「此処には、ルーレットがある

元は、此処に一人だけ居た家具職人のキールが

特注で、此処で作った元はビリヤード台だった物を

丸く削って、色々改造してくれた

それがこれだ

しかし、この町では、賭事は御法度だ

何せ人殺しが起こるからだ」

僕は黙る

嘘だ

「そうよ、坊やこの町では、人の生き死には

ルーレットによって決められる

人に任せれば、それは任意に変わる

だから人の手に任せられない物はルーレットに決められる」

嘘だ

そう、全ては嘘

ルーレットなど人の手によって作られた

つまり、1を出そうと思えば出る

この禍々しい白黒の円盤は

今まで何人の人間を殺してきたのだろう

「つまり、一人の若者のために

この大事な物を使うわけには行かない

そうだろ村長殿」

司書が、ようやく口を開いたが

その目は、緑のテーブルを見ている

「いや、そうじゃないが、まあ、いい

それで、キールいやキンリーどうする

カードでもルーレットでも良い」

僕は、カードを引っ込めて

「じゃあ、選ばせてもらうけど

この町のルーレットを使わせてもらえるのなら

それにするよ」

彼女が、金色の玉を転がすと

村長の手元に当たる

「$一万それが、勝利条件」

僕は付け加える

「ああ、一応紙に書いてください」

そこには、$一万を勝負で買った場合町を出られる 町を出た後も一切僕に暴力的行動に出ない

と書かれている

「ああ「ああ「ああ「ええ」

別の固いテーブルに置き署名をもらう

席に着いた四人

僕は、そこで$1000を黒いチップに変え

五つに分け一点掛けをした

周りが怪しんだ顔を僕にした

「なあ、キンリーそれは、策略かい それとも

ノリなのかい」

今回の掛け金は

全てこの四人の懐からでている

きっちり四当分

この賭はとりあえず

あまり得のない物だ

と言うよりも此処で意味のない紙幣での出来事だ

遊び以外の何者でもない

それでも、旨いパエリアが、ゼロの多い紙幣で焼けることを夢見るような そんな不易な行動をしたがるのがこの四人だ

僕が負けても、その掛け金は四当分

一人$25000得ることが出来る

僕が勝っても、負けた値段と同等得ることが出来る

金に興味がなければ、やりたがらないその勝負が

今此処にある

「ああ 僕は、勝ちに行っているよ」

僕はそこで、$1000を5に、一点賭した

肉屋のデイブの顔に青筋が浮かぶ

「なあ、坊主 男らしさとは無謀じゃない

じゃあ、これが運だったらそれは、格好いいかもしれないが面白くない なあ、これは、運か それとも」

僕は、首をひねる

青筋が又色濃く浮かぶ

家具とは、丈夫さと安全さが、重要である

しかし、家の父親は違った

ずるかったのだ

人より自分

仕事よりも自分

全てが自分中心で行われていた

しかし、その足は速く

何処までも逃げた

それは、狼よりも早かったと言うが怪しい

しかし、どう言うわけか家の父親の目は

まるで、猛禽類のような見ていないのか見ているのか

よくわからない目で

この町の大人とはどこか違っていた

「それでいいんだね」

回ったルーレットに、金色の玉が村長から投げ入れられた

ルーレットには60個のくぼみがあり

そこに最後に金色の玉が入った場所により

回った前に決めた場所で掛け金が決まる

しかし、一見 高速で回る盤面を、操ることは

不可能に、思われるが、そんなことはない

かじるリンゴが、必ずリンゴの味とは限らない

それは、粘土で作られているかもしれないし

ケーキで作られているかも知れない

奇跡とは、作られたものであり

それは、希少性により支えられている

人一人により海を割るか

人工建造物により海を割るか

その差は変わりはないが大きく違う

ルールと理は混じることが出来ない

ルールは変わるが理は変わらない

僕は、テーブルに手を付いた

カラカラと金色の玉が止まりかける

ゆっくりと回る版が見える程度の早さだ

何かに吸い込まれるように、金色の玉は5で留まった

ヒンヤリとした静寂の後

四人の顔が僕を見た

この町に家具屋は居ない

僕以外に存在しない

夜の町を、町に二台ある内の一台

さび付いたクーパーが、イヤなエンジン音を、鳴らしながら暗い森を走っていた


正直者と愚か者の違いについて

学ランを着ればそれはもうblです

物語には二種類ある

終わりが分かってかく物語と

分からずに進む話だ

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