第28話 なし崩し的ハーレム。
これで最終話で、あとはエピローグになります。
令和2年1月18日
誤字修正しました。
令和2年1月21日
誤字と言い回しを修正しました。
何度もすみませんm(__)m
「エネルギーの移動は終わったみたいじゃの」
そこではピクピクと痙攣する最高神エリオスの姿があった。
そして、次の獲物である『$&%28-S△が500ある女神たち』が次々とウルティに余剰エネルギーを注がれていた。
「アキラよ。わらわがあのエネルギーをもらってはいけないのかの?」
「地上にその力を持ち出せないから無意味だぞ。天界を出ると神の力が失われるのと同じだ」
「そうじゃったな」
「そうか、その手があった」
ウルティはぽいと女神を放り出す。
「お前たちに力を渡して、天界を降りてもらえばその力は消滅する。それなら、この天界に必要以上の力を与える必要も無い」
「ま、待つのじゃ。無意味なエネルギーだったら要らないのじゃ」
「無意味ではない。この行為は我がこの世界にとどまりアキラと共に行くために必要なこと」
「それなら、ウルティさんが天界から下界に降りたら?」
「我がこの力を持ったままで下界に降りようとすると、天界の壁や扉が壊れる」
だからこのような面倒なことをしているのだ。
「すごい、人間なのに全員『$&%28-S△』が300を超えている。それなら全員にエネルギーを注げば」
ブンッ
ウルティの姿がゆがみ、5人に分身する。
そしてシュリナ、カナデ、マーシャ、キャルルの前に立ち、4人をしっかりと捕まえる。
「あ、アキラ、助けるのじゃ!」
「すまん、俺もだ」
アキラの前にもウルティの姿があった。
ドギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!
ズキュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!
バキュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!
チュキュウウウウウウウウウウウウウウウウウン!
ちゅ、ちゅぱ、ちゅっ
「お、おい」
「アキラぁ。ずっと、ずっと待ってたの。寂しかったの。会えてよかった。よかったよお」
泣きながらアキラの口を吸うウルティ。
「おまっ!エネルギーを渡すんじゃないのか!」
「邪魔が入らないうちに、ね。アキラ。私、いっぱい人間の事を勉強したから。だから、こんなに嬉しいの。アキラ、もう離れないから!」
「まったく…」
アキラはそっとウルティの頭を撫でる。
「アキラのために娘の玄孫として生まれた。でも、アキラの世界では直系血族だと結ばれないと聞こえた」
「心配するな。この世界にはそういう決まりは無い。それに、血がつながっているって言うのも『形だけ』で、実際には問題ないのだろう?」
「うん。アキラと子供作っても、遺伝子的に問題はない」
「まあ、問題あったとしても、子供を作るばかりが夫婦じゃないからな」
「うん。うん」
先ほどまでの野獣のような、いや、現時点でも4人に対して肉食獣のような表情でエネルギーを注ぐウルティの姿とは違って、アキラの前ではもう生娘のような初心さだった。
「んっ。そろそろ時間」
「え?早いな?」
「ちょっとやり方を変えた」
「何?」
見ると、エネルギーを注がれている4人の様子が何か違う。
一目で違いが判るのはマーシャだ。
魔法少女の時のような、16歳くらいの姿になっている。
そしてシュリナも16歳くらいの姿となり、胸もマーシャに負けないくらいに大きくなっている。
キャルルは元々背も胸も年齢の割に大きいのだが、これも16歳くらいに成長しただろうか。
胸だけはより大きくなっている。
唯一カナデだけはそのままだ。
「これはいったい?」
「彼女たちの望みを形にした。『人間』としての範囲であれば、天界から出ても維持される」
そしてエネルギーの供給が終わり、全員ぐったりとしゃがみこんだ。
「体型が変わったので衣服の調整も行っておいた」
「アキラよ、姿見はないかの?」
「それでしたら、これを」
最高神になったエリオスが手を上げると、各人の目の前に姿見が現れた。
「おお!大人っぽいし胸もあるのじゃ!」
「ボクはこんなものかな?魔法少女の時より少しだけ大人だね」
「これでアキラ様と…」
「ふふふふ」
シュリナ、マーシャ、カナデの反応は可愛いものだが、最後のキャルルだけ何か不気味に微笑んでいる。
「アキラよ!わらわはこれが本来の姿になったのじゃ!これでもう堂々とアキラの妻と言えるのじゃ!」
「どんな姿でもシュリナは俺の妻だろ」
「そういわれると嬉しいのじゃが、やっぱりこうやってアキラに相応しい姿になれてよかったのじゃ」
「アキラ様、私はどこが変わったかわかります?」
「ん?」
カナデはどこも変わったように見えない。
「まさか獣人がベースになった?」
「はい。制御装置としての力は残したまま、この姿が本来の姿になりました。そのため、アキラ様と子供も作れます」
「あ、ああ」
ストレートな物言いに戸惑うアキラ。
「あと、お愉しみは残してあります」
「お愉しみ?」
「制御装置は小型化しましたが、胸の間にあります。必要な時はいつものやり方で押してください」
「おいっ!」
あきれる話だ。
しかし、カナデが嬉しそうなのでアキラはそれ以上つっこまなかった。
「アキラって呼んでいい?」
そう言ってキャルルがアキラの近くに来た。
「ああ、かまわないぞ」
「じゃあ、私もキャルルって呼んで」
「わらわはキャルルとのリンクを切ってもらえたのじゃ!だからほれ!」
シュリナはキャルルの胸を掴む。
「全然感じなくなったのじゃ」
「違う」
「なんじゃ?」
「えい」
ぷにっ
「「あんっ」」
キャルルがシュリナの胸を触ると二人の声がハモる。
「シュリナ様から私へのリンクだけ残してもらった」
「どうしてじゃ!」
「一番アキラと一緒に居られるのはシュリナ様。だから、おこぼれをもらう」
「すぐにリンクを切ってもらうのじゃ!」
「それなら、ローテーションで私は少し回数を減らしてもいい」
「ローテーションじゃと?!はっ?!」
何のことか理解して真っ赤になるシュリナ。
「キャルルさん。ローテーションなんて意味ないよ。だって、アキラのおっさんは絶倫だからたぶん5人くらい一度に面倒見るよね」
「マーシャ、子供が絶倫とか言うな」
「ふふん。もうボクも大人になったもんね」
マーシャの雰囲気は変わらないが、むしろそのギャップがドキッとさせる。
「アキラ。困ったことになった」
ウルティがアキラの元に来た。
5人のウルティが。
「時間が無いので早く済ますために分身したが、エネルギーを与えすぎて、元に戻る力まで失った」
「なんだって?!」
「なんじゃと?!」
「我は第5夫人から第9夫人でもいいだろうか?」
アキラは妻がシュリナ1人のはずが瞬く間に9人に増えてしまった。
「アキラのおっさん、いいんじゃないの?でもそっくりな五つ子かあ。区別とか名前はどうするの?」
「おい、マーシャ」
「もちろん受け入れるんでしょ?」
「う、でも」
「アキラはどうしてわらわのほうを見るのじゃ!これから正妻のわらわは毎日一緒なのじゃ!側室はわらわと一緒に…わらわも一人だと確かに大変なのじゃ。だから、毎日手伝ってほしいのじゃ」
指先をつんつんと突き合わせながら、うつむいてそういうシュリナ。
「わかった。でも、区別をつくようにしてほしい。名前とか間違えたくない」
「アキラならわかるはず」
「…そうか。確かにそうだな。じゃあ、名前だけ教えてくれ」
「アルティ」
「イルティ」
「ウルティ」
「エルティ」
「オルティ」
一人ずつがそう名乗る。
「ウルティをベースに、アキラの居た国の言葉の順番を参考にしてみた」
「日本語のあいうえお順か」
「アキラよ、どうやって区別する気なのじゃ?」
「いや、俺なら普通に『筋肉』で違いを感じられるからな」
「ボクも筋肉触手でわかるよ」
「シュリナ様。僭越ながら、獣人の私も、ほんのわずかなにおいの違いでわかります」
どうやら5人とキスしたせいで、それぞれのにおいが移ったらしい。
「わらわだけ違いがわからないのじゃ!」
くいくい
「あっ、キャルルもじゃ」
「シュリナ様。私の扱いがひどい」
「それなら、残った力で少しだけ変える」
ブウウウウウン
ウルティたちの瞳が輝く。
アルティは銀眼に。
イルティは蒼眼に。
ウルティは金眼のまま。
エルティは紅眼に。
オルティは黒瞳に。
それぞれ色が変わった。
それに合わせて、髪の毛の色も同じに変わっていく。
ウルティだけは最初から金髪だ。
「すごいのじゃ」
「まるでゲームの2Pカラーだね」
「これで冒険者ギルドに戻ったら、驚かれるじゃ済まないわ」
「ああっ!」
アキラが急に大きな声を上げる。
「色々ありすぎて、完全に失念していた!女神エリオス!早く俺たちにヒノとのつながりを!」
「アキラよ。忘れるとかひどいのじゃ」
「すまん」
「まあ、いきなり9人も嫁ができては仕方ない…ということにしておいてやるのじゃ」
「すまん。だが急がないと」
「ヒノなら、ここにいるのじゃ」
シュリナは自分のおなかをいとおしそうになでる。
「ええっ?!」
「先ほどエネルギーをもらうとき、望みをかなえてくれると言われたのじゃ。もちろんわらわは一番に『ヒノを宿して産みたい』と願ったのじゃ。そうしたら、ついでに子を産みやすい体の大きさにもしてもらえたのじゃ!」
「じゃあここに?」
アキラはそっとシュリナのおなかに手を当てる。
「ヒノが居るのじゃ!アキラ、やったのじゃああ!」
「ああ、本当によかった!」
抱き合って涙を流すシュリナとアキラ。
もらい泣きをするカナデとマーシャ。
それを優しく見守る仲間たち。
「私って、あんな苦労して最高神にならなくても良かったんじゃ?」
そして納得がいかないのは最高神エリオスだけであった。
お読みいただきありがとうございました。
明日1月19日にエピローグを公開します。




