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幕間 いよいよ異世界へ出発よ!

今回は幕間の上に短めですが、本編に繋がります。

「キャビナ、準備できたかしら?」

「完璧よ、リリカ」

「これでシュリナ様の所に行けるわね!」

「ええ!」

「……」


嬉しそうな二人をよそに、部屋の隅で体育座りをしているキャルル。


「……」

「ねえリリカ。どうしたの、あれ?」

「キャビナは最近、シュリナ様のこと見てる?」

「いいえ、リリカに魔道具貸したでしょ?だから見られないのよ」

「シュリナ様が、勇者と結ばれたわ」

「ふうん」



「えええええええええーっ?!」

「まあ、遅かれ早かれでしょうけど、タイミングが悪すぎたわ」

「まさかまさかまさか」

「ええ、ちゃんとキャビナの言うとおり、キャルルにもそれと『同種の信号』を与えておいたわ」

「は、ははは」


ぱくぱくと口を開けて固まるキャビナ。


ますます身を固くして閉じこもるキャルル。


「大丈夫よ。サキュバスだから、肉体は傷つけずに感じさせただけだから、体は無垢なままよ!」

「精神は完全にやられたみたいね」


さすがに妹に対しての罪悪感を感じるキャビナ。


「でも、あんなになるなんて」

「シュリナ様ったら、初めてなのに20時間くらいやってたのよ」

「は?」


2時間じゃなくて?


「愛よねー。美女と野獣の愛よねー」

「いや、信じられないわ。それでああなったのね」

「んー、でも私は最初の方だけよ」

「どういうこと?」

「完全にリンクすると、もう向こうの感覚が勝手にこっちに来るのよね」

「そうね…あっ」


それはむごい。

妹は野獣に襲われたも同然ではないか。

(アキラには完全な濡れ衣だが)


もう妹にかけられる言葉なんてないのかとキャビナはあきらめた。


「まあ、終わったことは仕方ないわ」

「まだ終わってないわよ」

「え?」

「これから、これが毎晩だったら、どうするの?」

「……」


大慌てで異世界転移の魔道具の調整をするキャビナ。


「行きましょう!今すぐ行きましょう!そしてキャルルの胸を取り返しましょう!」

「その魔道具を解体してリンクを切ればいいのに」

「二度とないチャンスだからそれは却下!でも、急ぐからっ!キャルル!」

「ふあい」


壊れた人形のようにふらふらとやってくるキャルル。


「異世界に行って、あなたの胸を取り返してあげるからね!」

「うん」


気のない返事をするキャルル。


「さあ、行くわよ!はい、シュリナ様とリンクしているキャルルが魔道具を持って!」

「ふわい」

「起動!」



魔道具から光が放たれ、そこにいる3人がその光に包まれていく。


「アタシもいくわよっ!」

「「え?」」

「ほえ?」



空間が歪み、リリカとキャビナとキャルルと、急に飛び込んできたエクシィが異世界に飛ばされ…



「あれ?」

「あら?」


研究室に戻されたリリカとキャビナ。

どうやら重量超過で二人がはじき出されたらしい。


「あのオカマ野郎!」

「落ち着いてキャビナ!行き先は分かっているから、また準備を整えてから行けばいいわ!」

「魔道具はキャルルが持って行ったのよ!あの材料を全部集めるのに1年はかかるわ!」

「あんのオカマ野郎!」




その頃、エクシィとキャルルは無事に異世界に到達していた。


良くわからない場所についた。


とにかく真っ暗だ。


「『ライト』」


キャルルがぼそっと言って魔法の明かりを灯す。


「あとの二人は来られなかったみたいね。悪いことをしちゃったわ。でも、アタシに黙っていこうとするから悪いのよん」

「うん」

「キャルルちゃん、大丈夫?どうしたの?」

「何でもない。早く行こう」

「そうね。でも、ここはどこかしら?」


二人がはじき出されたせいか、シュリナの所に転移せずに、どこかずれたところに転移したようだ。


「真っ暗ですし、どこに行ったらいいのかしらあ?」

「わかる、こっち」

「え?どうして?」

「いいから」


シュリナとリンクしているキャルルがシュリナのいる方角を感じて歩き始める。


ギャガアア!


その時、闇の中から見たことも無い醜悪なモンスターが現れた。


六本腕のオーガのような姿だ。


「ここはアタシに任せて!」

「わたしが殺る」


感情のこもってない声でキャルルはそう言うとすごいスピードでモンスターの懐に入り込み、パンチ一発でそいつを吹き飛ばした。


「あら、キャルルちゃん強いのね。さすがヴァンパイアの真祖の娘だわ」

「わたしは速さだけ。あなたのパワーを貸して」


キャルルは右手をエクシィに差し出す。


「わかったわあ。でもアタシ、ちょっとだけ重いわよん」

「問題ない」


ドスン!


エクシィが姿を消し、大きな音を立てて聖鎚エクシード・カリビアーンがそこに落ちる。


聖鎚エクシード・カリビアーンは重さ250キロもある超重量武器だ。

キャルルでは引きずることもできないだろう。


「『重力制御グラビティコントロール』」


ふわりと聖鎚エクシード・カリビアーンが宙に浮き、その柄を握るキャルル。


「死ね」


キャルルは宙に浮かぶ光と共に闇の中に突進し、聖鎚を振るいインパクトの瞬間だけ『重力制御グラビティコントロール』を逆転させ、本来の倍の重量が超高速で当たった敵を微塵にする。


「終わった」


血まみれでモンスターのはらわたの絡んだ聖鎚を握るキャルルは、もはや真祖のヴァンパイアすら凌駕する様相だ。


「シュリナ様はあっち。アキラもそこに居る。アキラ…」


そうつぶやくと、聖鎚を握りしめたキャルルはそこへ向けて駆け出していった。

お読みいただきありがとうございました。

ブックマークとか感想とかいただけると大変嬉しいです(^ー^)♪


次回は新年、1月3日金曜日18時更新です。

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