幕間 ヒノちゃんじゃないよ、ヒノおにいちゃんだよ
今週は短めの幕間2つを2日連続で投稿します。
幕間ですが本編に大いに関わってきます。
はあああ。
ひまだよう。
ヒノくん、話そうよー。
声に出さなくても伝わる。
それが胎内の双子。
「なあに?」
まったく、どうしてそんなに元気なの?
私はもう、ほら、意識がとろけちゃって、
ことばなのかモノローグなのかあ
「いちこ、めっだよ。もっときあいいれてー」
ちょっと、なに呼び捨てなの?
「いちこは、ヒノのいもうとなんだよ」
え?どういうこと?
「えっとね、このせかいでは、おとことおんなのふたごは、うまれたじゅんばんにかんけいなく…ぜいぜい」
ヒノちゃん、長いセリフ苦手なのね。
というか、胎内で息が切れるってどういう状況?
「かんけいなく、おとこのこがおにいさん、おんなのこがいもうとになるんだよ」
そうなのか。
って、どうして知ってるの?
「あのね、このからだのひとが、しゃべっていたの」
聞いていたんだ。
胎教って本当に有効なのかしらね。
待って。じゃあ、ヒノちゃんじゃなくて、ヒノおにいちゃんって言うことになるの?
「うん!」
えっ、違和感すごいわよ。
「でもね、ぱあぱとまあまが、むかえにくるから、そろそろおわかれなのー」
ええっ?!
無理でしょう?
この状態から助ける手段とかあるっていうの?
「ぜったいたすけてくれるの」
ああ、そう思っているだけね。
「それでね、このからだには、ヒノじゃないたましいがはいるんだよ」
え?
「だから、いまだけ、いちこのおにいちゃんだからね」
ちょっと、なにそれ。
なんでそんなこと知ってるのよ?
「んっと、このからだのひとに、しらべてもらったの」
はあっ?!
調べてもらうって、どうやって?
「んー。『こみゅしょう』だよ」
なにそれ。
「ひだりてでさわったひとと、いしそつーができるの」
いしそつー?意思疎通?!
なにそれ、スキル使ってるの?!
って、もしかして、私たちのお母さんになる人、ヒノと話して、もしかして、今の状況把握してるの?
「だいたい」
ええっ!
じゃあ、生まれてから、私はひどいことをした子って言われるの?
実の母親から?
「いわれないよー。いちこはね、さみしがっていたから、ひのがついてきたのって、いってあるから」
え?
ひ、ヒノちゃん?
「ヒノおにいちゃんですよ」
ヒノおにいちゃん?
どうして?
「だって、おにいちゃんは、いもうとを、たすけるんだよ」
ヒノ…おにいちゃん…
「だからね、ヒノのおむかえがくるまでは、いっしょにいて、いちこをまもってあげるね」
ああ、私。馬鹿だった。
もう、取り返しつかないかもしれないのに。
お願い神様。
ヒノを助けてあげてください。
ヒノをパパとママの元に返してあげてください。
お願い!!
お読みいただきありがとうございました。
次は明日、12月14日18時更新です。




