第18話 ヒノ、さらわれる
不馴れなため、予約設定間違えてしまいました。申し訳ありません。
(予約を同時に2つできなかったとは…)
11月6日追記。サブタイトル間違っていたので修正しました。
追記
11月21日サブタイトルに話数以外の言葉も付けました。
そうこうしながら、山頂についた。
「こちらです」
カナデが案内したのは火口の側にある大きな木々。
高さ20mの巨木がマチョの樹だった。
「まっすぐ伸びているが、まるで松だな」
葉っぱが針のように細いところが似ている。
しかし、なっている赤い実の見た目はグレープフルーツのようだ。
「それはアカマチョです。こっちがシロマチョ」
カナデが指差した樹には、葉っぱは同じように針のようだが、白い茄子の様な形の実がなっていた。
「そしてこちらがクロマチョです」
その樹には真っ黒な実がブドウの様に房状になっていた。
「もしかして、アカマチョとかクロマチョの根本にキノコとか生えたりしないか?」
アキラは名前や見た目が似ているので、マツタケのようなものが無いのか聞いてみた。
「良くご存知ですね。カナリマチョタケというものが生えることが有ります」
「食べられるのか?」
「はい、とてもおいしいそうですが、これは設定では増やせないのです」
「そうなのか?」
「はい、自然にまかせるしかなく、100年に1度しか生えないのです」
一通り説明を聞いたアキラは、生えている樹をまわりの土や植物、生態系ごと異次元箱でごっそりと削っていくことにした。
「削り出す部分に、町で問題になりそうな有害なものは入っていないか?」
「害虫はいますが、他に有害なものは入っていません」
「俺の異次元箱は生き物は入れられないから、害虫みたいな生き物は勝手に落ちるから問題ないか」
そしてアキラは目の前に右手を突き出す。
「どうしたのじゃ?」
「異次元箱に物を入れるのに、別にポーズとかはいらないのだが、いきなりドカンとやるのも何かと思ってな」
「様式美じゃな」
「そう、それだ」
それがシュリナがわかってくれて、思わず口の端をにやりとさせるアキラ。
「はっ!」
掛け声と共に、そのあたり一帯は異次元箱の中に削り取られた。
そしてあいた大きな穴から吹き出す水柱。
どうやら地下水脈まで削ってしまったたらしい。
「しまった、深かすぎたか」
「アキラ様、やりすぎです」
「すまん、ひとまず元に戻す」
「アキラよ、もう水が溜まり始めておるのじゃ」
これでは元に戻すと水が障害物と考えられるから、その上に乗ってしまう。
「水を異次元箱に入れた瞬間に戻すか」
とか言っている間に削った回りが瑞によって削られ始めた。
「こうなっては、この部分を設定で元の状態に戻すしかありませんが、この地下水脈を一度止めなければなりません」
「難しいのか?」
アキラはカナデの表情を見て察する。
「はい、私だけでは無理です。ですがアキラ様に直接設定をしていただければ問題ありません」
「わかった。…直接設定するだと?」
「はい、私の制御宝珠に触れていただき、『水脈』の流れが止まるよう念じていただくだくだけです」
「よしわかった…まて、その宝珠はまさか」
「はい」
カナデは今戦闘用のメイド服を着ているが、その胸元のボタンを谷間が見える程度にはずしていく。
「胸の谷間に制御宝珠が格納されているので、それに触れていただければ」
「さすがにそれは無理だ」
「私は人間ではありませんので、何とも思いません」
「しかしだな…」
アキラはシュリナを見る。
きっと不機嫌そうな表情に違いないと思っていたが実際はそうではなかった。
少し怖いくらいの笑みを浮かべていたのだ。
「アキラ、遠慮なくやるのじゃ」
「えっ?!」
その言葉に驚くアキラ。
「カナデよ。おぬし、単にアキラをからかっているだけじゃろう?わらわはアキラのことを信頼しているから別にかまわんのじゃ。さあ、アキラよ。この『何とも思わない』という鉄面皮を、徹底的に崩してやるのじゃ」
「いや、それでもだな」
「揉んで揉んで、揉みまくるのじゃ!」
「いや、そもそも揉むって話じゃなかっただろ」
「アキラがやらぬなら、わらわがやるのじゃ。ここか?ここがいいのじゃなっ!」
「奥様、ヒノ様が見ておられます!」
「マーシャよ、ヒノとレベル上げをしてきてほしいのじゃ」
「任せて。ヒノはボクとこっちでモンスター退治をしようねー」
『わかったのー』
楽しそうに走り去るパーティの安全装置。
「覚悟するのじゃ」
カナデににじり寄るシュリナ。
「奥様、お、おやめください!!ああーっ!!!!」
しばらくおまちください。
「はあ、はあ、ひあ」
息も絶え絶えのカナデ。
その胸は小さく変化させて宝珠がむき出しになっている。
「最初からそうやって胸を小さくして、宝珠を外に出せばよかったのじゃ」
「それはそうですが、奥様、あれはひどいです…」
「わらわの旦那様を誘惑した罰じゃ」
「それは申し訳ございません」
「いや、アキラが浮気者でないと確認できただけでも良かったのじゃ」
「ともかく、水を止めて元に戻すぞ」
アキラがカナデの制御宝珠に触れる。
「ひゃうんっ!」
「わっ!」
カナデの思わぬ声を聞き、慌てて手を放すアキラ。
「どうした?」
「わかりません。ここは触られても、何とも感じないはずなのですが」
「もしかして、わらわのせいかの?」
「わかりませんが、とりあえずそっとお願いします」
「あっ、はあっ、ああっ!」
ヒノがいなくて教育上本当によかった。
ともあれ、無事元の状態に戻すことはできた。
「はあはあぁ」
カナデは虫の息のようだが…。
「アキラよ」
「すまん、シュリナ」
「気にすることはないのじゃ。そもそも悪いのはわらわとカナデなのじゃからの」
夕刻。
アキラは再び一人で筋肉ギルドにやってきた。
あとのメンバーは先に宿屋に帰っている。
「ふうううううううんっ!はああっ!!」
あえて右肩から入り口の扉を押していき、大胸筋の厚さで2枚の扉を押し広げ、横向きに扉を抜けたところでサイドチェストのポージングを決める。
「「「ブラボー!」」」
「ブラザー!その筋肉にメロン入ってないかーっ!」
「筋肉の神が降臨したぞ!」
アキラは歓声を受けながら舞台を降りると、ギルドマスターの元に向かう。
「早かったな」
「ああ、思ったよりうまくいった。さて、植える場所だが」
アキラとギルドマスターは話し合い、筋肉ギルドに良質の大豆を提供してくれている農家に行くこととなった。
「ここなら日当たりとか地下水脈とか、条件通りいけそうだな」
「そうか。じゃあやってくれ」
「まかせろ」
アキラはさきほど山で削ったのと同じだけの土地を異次元箱に取り込んで削ると、すかさず異次元箱の中にあるマチョの樹の植わっているものと差し替えた。
「おお!こんな大木が3本も!本当にいいのか?!」
「これだけあれば、この町もプロテイン不足にはなるまい」
「礼金は金貨5000枚。あとは、これから作ったプロテイン製品の売り上げの10%でどうだ?」
「問題ない。あと、出来上がったものは俺にも売ってほしい」
「自分の山には取りに行かないのか?」
「いや、生と干したもの以外にも作る予定なのだろう?」
「そうだ」
「それなら、どんなものかぜひ試したいからな」
ビシッ!とポーズを決める。
「そうか、ならば最初に出来たものを渡そう」
バシィ!とポーズで応える。
「わしも最高のプロテインフルーツを作るぞい!」
バキシッ!と農家のマッチョ老人がポーズを決める。
「なんと素晴らしい」
老人の肉体を見てアキラは感嘆した。
「そうだろう?このご老人は農場の仕事のみで、ここまでの肉体美を作り上げたのだ」
ギルドマスターがそう説明する。
「まさに筋肉を愛する漢の鑑だ」
「そのとおり。我らも負けてはおれぬ」
「ふぉっふぉっふぉ」
ビシバシボクシィ!
そこでは、シュリナやマーシャが見たら卒倒しそうな暑苦しい光景が繰り広げられていた。
天界にて。
「ヒノちゃんまだかなー。そろそろあっちは夜よねー」
『めがみのおねーしゃーん』
「あっ、来たわ!」
最高神代理の女神エリオスはすぐにヒナの元に向かう。
「いらっしゃい!」
『んふー、またきたよー』
なでなでなでなで
「もう、がまんしないわー」
なでなでなでなで
『ねえ、めがみのおねーしゃん。きんにくってどうやってつけるの?』
「え゛?」
目が点になるエリオス。
『ヒノも、ぱあぱときんにくで、おはなししたいのー』
「筋肉でお話?な、何なのそれ?」
最高神代理は自由に下界を見られるとはいえ、仕事もあるのでいつも見ているわけではない。
だからエリオスは筋肉による会話の事は知らなかったのだ。
『きんにくをつけると、いろいろすごいことができるのー。つよいし、しゃべれるし、そげきっていうのもふせげるのー』
「だ、だめっ、それはだめですっ!」
『えーーーー』
悲しそうな表情をするヒノ。
それを見て慌てて釈明するエリオス。
「あ、えっとね、それはね。子どものうちに筋肉を付けると、体が成長しづらくなるの。そうするとね、大きくなれないから、ね」
『んーーーー?』
ヒノは考え込む。少し難しかったようだ。
「こどもがあんまり筋肉を付けると背が高くならないから、パパとママが悲しむのよ」
『わかったのー』
「よかった」
理解してもらえてほっとするエリオス。
「筋肉を付けなくても、ヒノのパパと同じようなことができる能力をあげましょうか?」
『そんなことできるの?すごーい!』
ヒノの目はキラキラと輝いている。
「まかせなさい。私は最高神なのよ」
ドヤ顔でエリオスはヒノの右手の二の腕に触れる。
「まず…これ、うわあ、すべすべというか、ぷにぷにで、なにこれ、このさわりごごち、てんごくがここにあったのね、ここてんかいだけど、てんごくだわ、これ、ああ、いやされる」
ヒノの腕をなで回しながら壊れていくダメガミ。
『おねえしゃん、だいじょうぶ?』
「はっ?!だ、大丈夫よ。じゃあ、ちょっと待ってね」
エリオスはヒノの手を握ると、そこに祝福を与える。
「この手に力を!『力こそパワー』!」
『ああーっ』
「しまった、まただわ。ヒノちゃん、大丈夫?」
『うん、ちょっとなれてきたのー』
強いぞヒノ。
次にヒノの左手を取るエリオス。
「指先すごい、しんじられないくらい、すべすべ、さわっているだけでこれとか、わたしこれでさわられたらしんじゃうかも」
ヒノが神殺しに成る日も近そうだ。
「で、では続けるわね。この手に言葉を!『コミュ掌』!」
『うぁ、うん、だいじょーぶ』
確かに慣れてきているヒノ。
「耐えるヒノちゃんかわいいわあ」
それに慣れてないダメガミ。
「最後よ。この目に、いや大地を利用した探知だから足に祝福をしたほうがいいわね」
『そうなの?』
可愛らしく首をかしげるヒノ。
「そうよ、決してヒノの足を触りたいからではないのよ」
遠慮がちにヒノの足先に手を伸ばすエリオス。
『まってて』
ヒノは椅子に座って靴と靴下を脱ぐと、エリオスに向かって右足をあげた。
「ヒノちゃんのなまあし、うわ、ゆびちっちゃくてかわいい、ちょっとだけゆびさわるね、、、はああん、やめられない、とまらない、だめ、だてんしちゃう」
ダメガミが堕天しそうになるとか、ヒノの神殺しの力は半端ないようだ。
「はあはあ、落ち着いて、、、この足に力を!『大地参照』!」
『きゃはははっ、くすぐったいのー』
くすぐったがるヒノの様子を見て、またしばらくエリオスは悶絶していた。
「これで見た目はは変わらないけど、『力こそパワー』って言うと、右手ですごい力が出せるようになるわ。その代り、1分だけね」
『ありがとうなのー』
「それから、『コミュ掌』は言わなくても使いたいと思えば使えるわ。左手で触れた相手と意思疏通ができるわ」
『いしそつー?』
「触れるだけで、声を出さなくても話ができるのよ。相手の心の声も聞こえるわ」
『すごいのー』
「もっとほめてもいいのよ、えへへ」
「最後は『大地参照』よ。こう言って地面を踏みしめると、半径…じゃなくて、遠くの相手がどこにいて何をしようかわかるのよ。地面の上の相手しかわからないけどね」
『わーい、うれしいのー!めがみのおねーしゃん。、ありがとー!』
ヒノに感謝されてエリオスはもう幸せ一杯だった。
その頃、個室を与えられて異世界転生の小説を読みまくっていた一子。
「これ1ヶ月で時間足りるかしら?というか、読むよりも新しい小説が増える方が多くない?」
一子は気分転換に部屋を出たが、そこに女神はいなかった。
「どこかしら」
すると、向こうでキャッキャと可愛い声が聞こえる。
白い世界だが、歩いていくと靄が晴れるようにだんだんと景色が見えてくる。
そこに居たのはお茶会をしているエリオスとヒノだった。
「か、か、かわいいいーっ!」
物陰などないが、思わず隠れるような体勢でヒノを見入ってしまう。
「何、あの子?5歳くらい?何て純真そうで可愛らしい笑顔なの?男の子よね?もしかして女の子?ううん、どっちでもいいわ。あっ、頭撫でてる。うわあああ、私もやりたいっ!」
20分くらいエリオスとヒノのやり取りを見つめていた一子。
「すごくあの子は最高神に愛されているのね。そっか、きっと天使かなんかなんだわ」
そして一子はふと思いついた。
「あの子、ゲットできないかな?」
しばらくして。
「最高神様!最高神様!」
「あ、呼んでいるわ。ヒノちゃん、まだ帰らなくても大丈夫?」
『うん、このほんよんで、まってるね』
「すぐ帰るから待っててねー」
エリオスはすごい速さで一子の元に移動した。
「最高神さ、わきゃっ!」
急に現れたエリオスに驚いて尻もちをつく一子。
「あら、ごめんなさい」
「もらう能力を決めました!」
「そう、思ったより早かったのね。それでどんな能力にするの?」
「『比翼恋隣』です。対象の隣に立って、その相手に『好き?』と聞いて、相手にも『好き』と答えてくれれば、その相手と魂同士が結びついて、側から離れられなくなります。それでお互いのスキルとか特性も共通になるし、強化や状態異常も共有になるってことで」
「比翼連理という言葉から作った能力ね。これはなかなか面白いわ。条件も結構厳しめだから、採用ね」
「(よっしゃ!)」
心の中でガッツポーズをする一子。
「あとは『異世界転生セット一式』もあげるわね。はい」
一子の体が淡く光る。
「これ、もしかしてステータスとかマップとかアイテムボックスとかですか?」
「そう。全部じゃないけど、異世界転生に付き物の基本能力がある程度入っているわ」
「ある程度?」
「みんな同じじゃつまらないから、福袋的になってるのよ」
「神様って暇なんだ…。ところで転生する異世界にはどうやって行くんです?」
「それなら私がえいってやれば、ここから姿が消えて簡単に行けるわよ」
「えーっ?扉とかくぐるんじゃないですか?そういうの期待していたのにぃ」
すごく残念そうな顔をする一子。
「そういうのもできるわよ。何しろ最高神ですもの!」
代理だけどね。
「えいっ!」
最高神の掛け声と共に、一子の目の前に3つの扉が現れた。
「ふふん、大サービスよ。そこを覗いて好きな世界を選ぶと良いわ。最高神だもの、このくらいサービスしてあげないとね」
「わあ、すごい、さすが、さいこうしんさま(棒)」
一子はそう言うと、扉を開けて、その先をのぞきはじめた。
「わあ、面白そう!」
と大きな声を上げる。
『え?なに~』
その声を聞いて、ヒノがこちらにやってきた。
『あれ?この人だれ?』
「私は一子って言うのよ」
『ふーん』
「あ、駄目よヒノちゃん。知らない人のそばにいっちゃあ」
さっき与えた能力でヒノがさらわれないか一瞬不安になったエリオスだが、良く考えたら、会ったばかりの相手をヒノが好きなんて言うはずがない。
いや、それでもヒノは優しいから言うかもしれない。
だが、もしヒノに「私の事好き?」と言ったらすぐに一子を異世界に飛ばせばいい。
エリオスはそう軽く考えていた。
「ヒノちゃんって言うんだ。ねえねえ、最高神様のこと大好きでしょ?」
『うん!』
「まあ、ヒノちゃんったら」
嬉しさのあまりくねくねする最高神。
「最高神様のどこが好き?」
『えっとね、あたまよくって、びじんで、』
「まあまあ」
エリオスは嬉しさで溶けてしまいそうになっている。
そのため、いつの間にか一子がヒノの隣に移動していたことに気付かなかった。
「他にはどんなところが好き?」
『やさしいところがすき』
「そう、好きって言ったわね」
そして『比翼恋隣』が発動する。
「さあ、行くわよヒノちゃん」
一子はヒノの手を掴むと、扉を開く。
『え?』
「ちょっと!何してるのよ!何でスキルが発動したのよ?!」
「『好き?』って聞いて『好き』って答えてもらったからよ」
「何それ!卑怯だわ!そうか、あなた、最初からヒノちゃんが目的で!」
「天界で神様ゲットしていく転生者も居るんでしょ?別にいいじゃない」
実際、元最高神がおっさんにゲットされたばかりである。
「ヒノちゃんはダメ!解除しなさい!」
「これ、解除できるの?」
「あ…」
チート能力を設定する際に特に決めていないことについてはランダムで決まったりすることがある。
エリオスはすぐに一子の能力を解析する。
「解除できない仕様になってる…」
さらにチート能力は一度与えたら最高神でも取り消すことはできないのだ。
死なない限り。
「それでもヒノちゃんは渡しません!必殺!」
天界で死ぬと二度と転生できなくなる。
魂は真っ白にされて、どこかに消えてしまうのだ。
「私に危害を加える気?ステータスもヒノちゃんと共通なのよ?死ぬって状態異常よね?」
つまり一子の死は、ヒノの死である。
「な、な、そこまで考えていたの?!」
「というわけで、ヒノちゃん、私と行こうね」
『えー?』
「大丈夫、優しくしてあげるから」
一子はそう言ってヒノの手をひっぱって扉の中に入っていった。
エリオスはショックで呆然としていた。
「はっ?!し、しまったっ!どうしましょう、どうしましょう?こんなことがあの筋肉勇者に知られたら、私はどうなってしまうの?」
最高神代理でありながら、アキラを畏れている女神。
「えっと、何かいい方法が…えっと…えーん、浮かばないよーっ!誰か、助けてー!!」
朝。
「おはようなのじゃ」
「おう、おはよう」
いつも通りアキラとシュリナが朝の挨拶をかわす。
そしてヒノを呼ぼうとしたが、
「おかしいのじゃ、ヒノが出てこないのじゃ」
「寝坊かな?」
「こんなに長い時間出てこないことはなかったと思うのじゃ。ヒノ!ヒノ!」
しかし返事は無い。
「シュリナ、ステータスを見るんだ!」
「そうじゃな!」
シュリナのステータス
状態:魂牢(不在)
アキラのステータス
状態:魂牢(不在)
「こ、これはっ!」
「なんなのじゃっ!」
2人にわかったのは、2人の中からヒノが居なくなったということだけだった
お読みいただきありがとうございました。
次回更新は11月8日金曜日18時の予定です。