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仕事熱心な部下
仕事の準備中、ふと昔のことを思い出した。
前世、それよりずっと前の記憶。
巫女であった私は人と深く関わることを禁じられ、独りぼっちの世界に閉じ込められていた。
「俺が必ず、神様になって君を救うから」
ただその一言に救われた。
神様なんかにならなくても、その一言だけで十分だった。
あれから千年以上経った。
今世の彼はまたどこかで誰かを救っているだろうか……
「神様ー、仕事ですよー!」
怠けた上司を起こさないと仕事にならない。
今日は絶対、二度寝なんかさせてたまるか。