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怠けた上司
「仕事熱心な部下」とご一緒にお楽しみください。
「巫女はね、神様にこの身を捧げるの」
彼女が発した悲しみの裏には、真っ白で誰もいない、独りぼっちの世界が永遠と続いていた。
「僕が必ず、神様になって君を救うから」
あの言葉に彼女は何を思ったのだろう。
暖かい笑顔に浮かぶ冷たい涙。
その新鮮な矛盾だけが僕の目に映った。
あれから千年以上経った。
今世の彼女が独りぼっちじゃないといいのだが……
「神様ー、仕事ですよー!」
仕事熱心な部下が呼んでいる。
さて、もう一眠りするとしよう。