死都
パトラのイラストを描いたんですけど……服が描けねえ
裸体画にしかなってねえ
その場所がいつ滅び瘴気が溢れる地に変貌したのかは定かではない。
ただ判明しているのは、その場所が一夜にして滅びたこと滅んだ原因は『堕ちた勇者』と今は呼ばれる異世界の勇者が関わっているということだ。
その異世界の勇者は善良な者だったとは伝えられていたが彼になにが起こったのか何が原因で『堕ちた』のかわかっていない、全ては未だ嘆き哀しみ瘴気を発する本人しか知らない。
堕ちた勇者がいるかつての都は『名前すら忘れられた死都』そう呼ばれていた。
セツと名付けた巨大ムカデに乗ること数日、透輝は自身が<凶神化>して影響が出ている領域を脱するのに一日かかるのに驚き<凶神化>した自身の凄さを知ったり、たまたま前に出てきていたコボルトなどの低級の魔物をセツがひき殺したりしたり、セツの上でパトラと過ごしていた。
セツの移動は多脚のためか揺れることなどなかったが透輝もパトラもスライムの因子を無意識に用いてセツの上での活動を可能にしていたので不都合などはなかった。
セツの背上、あぐらで座っている透輝の横には衣装と髪の乱れたパトラが心地良さそうに眠っていた。
「そろそろだな……」
『ふぁ?そう、なの?』
パトラは体を起こすと億劫そうに視線を辺りに巡らせた。
「俺はその前に寝相がどうして悪いのかが気になるよ、ホント寝相だけでそうなるもんなんすか?」
パトラの寝相の悪く、なぜか扇情的にはだける衣類に「誘ってるんですかァ!?」と思わず言いたくなるレベルだ。
ちなみに透輝はそんなパトラに手を出すことはしないもののバッチリ脳内フォルダに保存していた。
妙なところでチキンな男だった。
「まあ、寝ることくらいしか出来ることもなかったな」
食事に排泄の必要がない二人はセツから降りるということがなく、それこそすることはなかった、ヤることはあったかもしれないが……。そのため、透輝は移動中に哀れにもセツの脚に刺さったコボルトが徐々に肉片に変わるのをボーッと眺めていたりしていた。
『でも、そろそろなんでしょ?』
「そうだよ(多分)、瘴気が濃いのか息をするたびに爽快感がある割には周りに生き物の気配がない」
辺りの光景、気温は特に暑いという気候でもないのだが、死都の周りは荒涼とした景色が続いており、ぺんぺん草の一本もなく異様さがあった。
しかし、それこそが瘴気に汚染された大地であることを示していた。透輝が求める、いやパトラが透輝の神格を高める為に必要だと思っている瘴気を回収するためにも瘴気の発生原因を目指しているのだ。
『トウキになにか変化起こるかなー』
「いや、俺は面白人形じゃないからねッ。しかも、なんかちょっと不穏な感じな言い方なんだが?」
ニコニコ顔のパトラに呆れた透輝はパトラの頬をムニィと押して変顔にさせると彼女は顔を左右に揺すると透輝の手を振り払った。ムッと唇を尖らせながら透輝のことを睨むパトラ。
『別にトウキに悪いことがおきてほしい訳じゃないよ、当然でしょ?』
「わかってるけどさ」
今度はパトラが透輝の背中に覆いかぶさり頬を引っ張るが透輝は特に反抗せずに受け入れる、胸の感触が魅力だったからだ。
そんな二人がいる場所が正常な精神をもっているような人間であれば、思考の混濁や生命維持に支障をきたすような瘴気の濃度だったが透輝やパトラにとってはむしろ二人の能力を高める程度の効果しかない。
「あそこだな、ビンビンでいらっしゃる。しかし、意外だなてっきり古戦場かなにかだから瘴気が溢れていたのかと思ったが……都市かよ、しかもこれ発生場所が個人なのか?なんというか瘴気に混じりッ気がないような気がする。」
『そうみたいだね、今見えてる都市の真ん中あたりじゃないかな』
目の前に見えてきたかつては栄えたであろう都に視線を写し、感じるのは憎悪、憤怒、悔恨、懺悔、嘆きといったものが瘴気を発生させていること。もし、これが本当に個人が抱えるものならば不憫だなと透輝は思いながら隣にいるパトラの手を握った。
(案外と俺もああなる素質っつーのはあるんだろうな)
『トウキ?どうかしたの?』
「いや、なんとなく……な」




