勇者二人って…これって……勲章ですよ
遅れてしまい申し訳ありません
安定した投稿が目標です。
再び自分たちにチートの可能性があると分かったことで現金にも多くのクラスメイト達がステータスカードを作るためにおそるおそる水晶に向かっていった。
そこで一人が水晶に触れ、『魔剣士』や『魔女』といった上位職といえるだけの能力を持った者が霹靂神に続いたことで魔術師団長の話した選ばれし者は一人といった可能性は完全に払拭された。
そうと決まれば、自らの可能性を知りたくないのか、いや!反語!
我先にとステータスカードを創造する水晶に触れ、己のステータスを確認していく。もっとも『勇者』や『聖女』といったラノベでいうところの花形職は霹靂神と憂以外は今のところはいなかった。
しかしながら、異世界召喚された者たちが力持っており、現在進行形でそのステータスが続々と表示されていくのをストワール王国の重鎮達は苦い顔をしながら眺めていた。
そんな中で透輝、麗菜、涼香達は……。
「うぅ…違う、僕は男なんだ『聖女』なんて…そうだよ『聖者』と見間違えたんだよ…。」
己の適正職が『聖女』だったことにショックをうけた憂のご機嫌取りに忙しかった。ちなみに憂は現在、彼女である鈴風涼香の胸に顔をうずめて「いやいや」と顔を振って現実を認めようとしていなかった。余程、彼にはこの事実はこたえた様だった。
傍から見れば憂は外見は美少女風だし、彼女である涼香も大和撫子系の美人だ。そんな二人が抱きしめあっている様子は、その筋がいける人なら「ありがとうございます!」と感涙してむせび泣くくらいの価値があるだろう。
「『聖女』!ブフォッ、エヒョッ『聖女』っておま男だけど納得するわww。」
そばで騒ぐ透輝がいなければだったが。ちなみにそのセリフを聞いていた麗菜が『私には聖女は似合わないってことか?ああん?』と小声で言っていたりしたのだが。
透輝の言葉によって傷ついたのか憂は涼香への抱擁を強めていた。単に涼香の胸に顔を埋めたかったのかもしれないが。ともあれ、涼香にとっては憂が傷ついたと判断された。鋭い眼光で透輝を睨み付ける。それはまるで野獣もかくやといった鋭い眼光だった。
その涼香の眼光に気づいた透輝は憂が傷心していたのがその鋭い眼光で察したのかピタリと笑うのをやめた。
「あ…いや、すまん。お前の気持ちも考えずに……でも実際笑っちゃうだろォォもしも立場が逆だったら、あんただって腹ァ抱えて笑いこけてるよ!」
実際、もし透輝が『聖女』だった時の想像をしたのか麗菜がサイドテールを揺らしながら口に手をあて笑いを抑えていた。涼香としてもそう言われるとまだ『聖女』が憂で良かったと思ったのか何とも言えないしかめっ面になった。そこで麗菜がふと一言。
「いや、でも憂が『聖女』になるなんてね。案外ここの四人全員がすごい適正職になるかもしれないね。」
「どうかしら、少なくとも峯島君はまともな適正職に就けるとは思えないのだけれど。」
透輝は涼香から嫌われている。恋人である憂に変な知識を教えたりするからだ。もっとも透輝本人は涼香に嫌われようと別に気にすることはなかった。
「わからんぞォ、案外凄い適正職なるかもしれないぞ?」
自慢げに語っている透輝だが、自分の可能性なんて信じてはいない故に麗菜に『じゃあ、自分がどんな適正職になりそうかいってみて。』と問われるとおどけた顔をした。
「そうだな、和製蜘蛛男かケツ十字キラーもしくはキノコ狩りの男とか。」
「全部一緒じゃない。」
麗菜とそんなことを話していると、ようやく涼香の胸に顔をうずめていた憂が復活した。
「……なんか、落ち込んでるのが馬鹿らしくなってきた。」
憂はどこか不貞腐れたような表情をしながらも一応の心の整理はつけたようだ。涼香は心配してくれているが余り涼香を心配にさせないためにも区切りをつけたかったのかもしれない。もしくは今更ながら涼香の胸に顔をうずめていたことに気恥ずかしさを感じたからか。
なお、こうしているうちにも他の生徒達はステータスカードを発行すると同時に自らの適正職を把握していっている。なかにはステータスカードを発行する水晶に触れる前に力んでから触ってみたりした者もいたのだが、王国側からするとあぶねえ奴だと思われたりしたのはある意味では不幸だったろう。
「フォ~~!ヒュンヒュン!ハアー!!チョイヤー!」
なお、上記のように力んだ彼は恥だけをかいたことを明記しておく。ご愁傷様です。
閑話休題
透輝達は雑談ばかりしていたせいか、他のクラスメート達がステータスカードを発行を終わりに近づいたことに気づいていなかった。
「おい!!オメーら!順番まわってきてんだぞ、さっさといけや。」
そう言って雑な言い回しで透輝達の雑談を止めたのは勝俣 健司中学まではかなりの非行を繰り返していたが、親の再婚を機に非行をやめ学業を真面目に取り組みボランティアなどの活動なども始めた。しかし格好だけは非行していた当時と変わらないため、評判は律儀な不良などと呼ばれている(二度目の説明)。そんな彼は律義にも他の生徒達がステータスカードを発行が終わったのをおしえてくれたのだ。マジメ君だなァ。
ともあれ、遂に透輝、麗菜、涼香のステータスカードを発行する順番となった。ちなみに憂は涼香と手をつないでいる。やはり『聖女』の精神ダメージから回復しきっていないのだろう。そんな憂の手を引きつつ、涼香は水晶台に進む。
「麗菜、悪いけど私からで(ステータスカードを発行のこと)いいかい?」
「いいよ、気にしないで。」
「俺に相談はなしかい、クソッタレ。」
涼香は透輝にだけ養豚場の豚を見るかのような蔑んだ視線を送ったあとで水晶に触れた。なお透輝はその視線に対してメンチきっていた。
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鈴風涼香 17歳 ランク:36
適正職:賢者
筋力:36
体力:70
敏捷:36
最大保持魔力:810
精神力:100
防御力:36
防魔力:100
<スキル>
全属性適正・支援魔法・魔力回復速度上昇・属性魔法強化
全属性耐性・言語理解
<称号>
賢き者
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どうやら涼香は『聖女』の攻撃型魔法職ともいえる賢者となった。ご丁寧にステータス値まで憂と一緒だ(手抜きではないイイネ?)。
『聖女』と『賢者』となった憂と麗菜、霹靂神を除く生徒達からすればどこか自分を追い越されたかのような気分になった。なにせステータス値の差があるのだから。広間にざわつきが生ずるがそれを無視するかのように透輝と麗菜は水晶に向かう。
「私と透輝君どっちからにする?」
「主役は最後に登場って、冗談は抜きにして、どーぞ三月さんから俺はあとでいいや。」
「フフ、それじゃお言葉に甘えて。」
そして、麗菜が次に水晶に触れた。
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三月麗菜 17歳 ランク:38
適正職:勇者
筋力:90
体力:88
敏捷:120
最大保持魔力:320
精神力:80
防御力:70
防魔力:120
<スキル>
聖魔法・全属性適正・剣術・魔力回復速度上昇・全属性耐性・複合魔法・状態異常耐性・気配察知
複合魔法・言語理解
<称号>
異世界の勇者
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二人目の勇者の誕生だった。