『大賢者のダンジョン』の異常
遅れてすいません、麗菜の方が難しくて
エタりはしないとおもいますが応援オナシャス
ダンジョン都市フノールを経由して生徒達は再び『大賢者のダンジョン』へと潜り、透輝を見つける為に探索を開始した。案内として前回に引き続きケルシュがダンジョン案内としてついてきてくれることになった。一行は最初に透輝が行方不明になった大型トイレが設置された場所に向かい、そこから透輝がいるであろう下層を目指すことになった。
「それにしても、皆さん大変な時期にダンジョンに入ることになったんですねえ……。」
案内をしてくれる、ケルシュはエルフの<偽純種>である長い耳を指でピンピンはじきながら、生徒一行が『大賢者のダンジョン』に挑もうとすることに少しばかり難色を示した。それにビュウメスは不思議そうな顔でケルシュに尋ねた。
「『大賢者のダンジョン』になにか変化でもあったのですか?」
ケルシュはビュウメスに気遅れた感じではあったが、生徒達に視線を向けて現在の『大賢者のダンジョン』についてのことを説明する。
「現在の『大賢者のダンジョン』では魔物の分布が異常になっておりまして、普段ならば見られない粘魔や虫系の魔物……アンデットもですかね、それらが大量に発生していまして……。もしやダンジョンで氾濫の兆候が表れ始めているのだろうかとフノールの者達も噂しております…。」
ケルシュは生徒達に不安を与えないようにだろうビュウメスにのみ聞こえるように身を近づけて報告をしていく。
「なんだと……。」
ビュウメスとて二度目の遠征とはいえ、決して情報を集めていない訳ではなかったのだが、そのような報告をうけておらず少々自分の部下のことをだらしなく思う。が、ケルシュはそのビュウメスの考えを読み取ったのだろう続けて報告をする。
「知られていないのも無理はございません、ここ五日ほどから急にですから、それに実際に確かめたわけでもなく冒険者達の主観でもありますので……しかしながら、信憑性は高いですから用心したほうがいいでしょう」
なぜ、ダンジョンでそんな重要なことを報告をするのかとビュウメスは悪態をつきたくなったが、ケルシュとて『大賢者のダンジョン』の知識は右に出る者はなく非常に多忙であり合流できたのもダンジョンでからだったので無理はなかった。とりあえず、情報を得られただけマシだと思うことにしてビュウメスは魔物との遭遇時の対策を考えておく。ストワール王国の騎士団長としての責務として守るべき者達のことを考えねばならないのだから……もっとも彼等のうち一人は自分より強いのだから問題ないかもしれないなと自嘲気味に思う。
騎士団長とヨヨムンド王女の専属侍女の為に両方とも血のにじむ苦労をしてきたが勇者のハタタガミという少年に僅か一ヶ月で剣の腕では負けてしまったのだから、もう一人の勇者のレイナとてすぐにではなくとも才能ではそちらのが上ではないだろうかとも感じていた、なにせその鍛錬に自分が付き合っているのだからその成長ぶりがよくわかる。とはいえ、彼等は元々平和な世界で生きてきたようだったし、人を……人型の魔物どころか獣すら殺せないだろうとは思っていたので今の『大賢者のダンジョン』の異常……粘魔と虫系魔物にアンデットならば生徒達でも剣を振るうことができるだろうとビュウメスは僥倖だと感じていた。
「ビュウメスさん大丈夫ですか……なにか問題でも?」
ビュウメスが熟考していて難しい顔をしていたために生徒達の中からビュウメスに親交がある麗菜が心配そうにビュウメスにケルシュが報告をされたことが不吉なことだったのだろうかと不安になっているようだった。自分を一応師事してくれている者を不安にさせていたことを知り、ビュウメスはもっと言葉に出したほうがよかっただろう。
「レイナ、大丈夫です。魔物の分布が変化しているとの報告でしたが我々にとっては好ましい変化ですから……」
ビュウメスはそう言って安心させるように麗菜に話しかけると麗菜はそれが嘘ではないことがわかったのか表情を緩めたが、何が変化したのか気になったのだろう続きを促すようにそのままビュウメスを見つめる。
「どうやら、虫系や粘魔といった魔物が増えたみたいで貴方達からすれば心的に負担になるような魔物は少なくなったみたいなので喜ぶべきですね……」
「そうなんですか?」
麗菜はイマイチ実感がわかなかったが、実際に生き物を殺すとなればいくらか葛藤が生まれることは間違いがないのだが麗奈自身はそのことを自覚していないことがこの短いやりとりでわかったビュウメスはなるべく忌嫌感の少ない魔物から生徒達は相手をさせるようにしようと思う、となれば現在の『大賢者のダンジョン』は絶好の場所だった。
「レイナさん、最近妙に突っかかってきますね何かありましたか?」
「え!?」
ビュウメスにそんなことを聞かれて麗菜は戸惑う、素直に『貴女がヨヨムンド王女の重度のストーカーで常に一緒にいるために侍女と騎士団長になったと知ってから素直になれません』などと言えようはずもないからだ。なんとかそれっぽい言い訳を麗菜が考えようとしていた。
↓の評価と脱熊で餅べしょーんが上がるのでお願いします、乾燥でもいいでよ




