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不浄者は凶神になり斜めな成長する  作者: ジャック・レイ・パール
凶神発生
49/112

ダンジョンボス抹殺直前☆

アクセスありがとうございます!!

 ダンジョンの攻略はそれから順調に進んだ。いくつか巨大な階層に当たったが、その時は透輝が『凶神化』して<粘魔生成><自爆>を組み合わせた自爆スライムをまき散らして、全てを灰に変えてやったり、壮大な景色に見とれた透輝が興奮したら『凶神化』して瘴気をまき散らして全てを台無しにしたりしながら順調に進んだ。壮大な景色が自分の瘴気で台無しになっていく様は涙目で見ることしかできず透輝はちょっぴりセンチメンタルな気分になった。


 実は<不浄簒奪>で瘴気をすぐ回収すればそれは阻止できたのだが、気づいていなかった。まあ、残念だとは透輝は思ったがそこまで気にしてはいない、元々出会った生物に階層は全てを破壊してきている。それを思えばたいしたことではないだろう。


 が、地上に出たらここまで独尊気味なことはできないだろうな……とは心にしていたので、透輝はまだ良心があった。……多分!


「しっかしまァー、今はどのくらいの進捗状況なのよパトラさん?」


『今で大体もう終盤かな……ダンジョンボスまでもうすぐだよ?』


 パトラに従って、ここまでダンジョンの攻略を進めてきたが、どうやら順調に進んだらしい。もう終盤になったと知った透輝は気が楽になる。ダンジョン内は一応の光源としてダンジョン壁が光っているし、そもそも『凶神』の透輝は真っ暗でも視覚をまったく損なわない……が太陽光を浴びたかった。ダンジョンの光源というのはコレジャナイ感があるのだ、どこかの草原にでも寝ころび日光浴でもしたかった。……一応邪神でもある凶神とは思えない思考回路だが。


「そういえばさ、今更だがパトラお前は何者だ?」


『随分と今更……。』


 パトラのどこかあきれたような思念が届く。


「あはは、すまんな、奥手なんだ女性にあれこれ尋ねるのは苦手でね?」


『……奥手な人はダンジョンを全裸で疾走しない。』


 そんな些細なことをいつまで引きずるのだと透輝は思うが、そこは繊細な部分なのでほっといてほしい。


「そのとうりだが、奥手は本当だぞ?今迄聞いてこなかったのはタイミングを伺っていたがここまで来て、そんなことが面倒になって聞いてみただけだ。」


『……。』


 若干の沈黙__。透輝もダンジョン攻略の手を止めて反応を待つ、ここまで聞いたのだ少しくらいはパトラのことを知りたい沈黙に沈黙を返すと最終的に口を開いたのはパトラの方だった。


『私は『大賢者』にとってのエルフの実験体の一つだった。』


 ポツリとパトラが呟くような思念を透輝に送ってきた。それは、ただ事実を淡々と語るようで感情はこもっていない。いや、あえて感情をのせないようにしているようだった。


「大賢者の実験体だと?一体何の実験のだ?」


『エルフは全般的に魔法に秀でているし、精霊との契約している者も多いけど、ある魔法だけは使えないんだ。』


「で、その魔法って?」


『身体強化魔法、エルフは魔力で身体を強化することができないから身体強化の使える次世代のエルフを作りだそう大賢者がそうして生み出したのが実験体の私……。魔力保持能力が高い粘魔の因子とエルフを掛け合わせた存在。』


「軽く聞き流そうと思ってたら予想以上に重たい内容で俺の罪悪感がマッハで謝罪状態なんだが……。」


 つまるところ、パトラは遺伝子改良されたエルフかそれとも、エルフとスライムの……。どちらにしても地球でそんなことをすることは倫理的に許されないことだろう。そう考えると透輝は胸糞が悪くなった。ソッチ系の話は嫌いなのだ。


「じゃあ、次の質問だ。……そもそも、俺ってどこでパトラと出会ってるんだ?まったく記憶にないんだが、ソレはおかしいでしょうう?」


『ふぇ?』


 そんなことを聞かれると思っていなかったのか、パトラからかわいらっしい思念が届く。それを受けて透輝はこれで陰惨な空気になることは防げたなとしたり顔だ。一方でパトラは出会いを忘れられているということに驚きを感じていたが少し思い返して無理もないかと納得していた。


『私とのあったことを忘れるとはヒドイね?トウキが私の名付け親でもあるのに……ダンジョンボスを倒したら教えてあげるよ!』


 半ギレ状態のパトラに困惑するが透輝はパトラに出会ったのは最初の『凶神化』の時が初めてだと思っているがその前にパトラという存在を取り込む段階があったはずだがまったく分からなかった。


「名付けだのはなんか前に聞いたような気がしないでもないが、まったく覚えがないんだよなあ……。」


 まあ、ダンジョンボスをぶっ殺すことができればパトラは教えてくれるらしいのでそこまでのお楽しみということにしておくことにする。



 それから道中に何度か魔物と戦闘があったが、どれも切り伏せるか爆破するかで終わり歩を進めてきていた。段々と奥に進んでいくにつれて淀んだ空気が強くなると同時に自分のものではないパトラの感情が伝わってきていた。


「どうした、パトラ?」


『え、あ、ごめんなさい……。』


 パトラから伝わってきていたのは憎悪の感情だ。ダンジョンボスのことをパトラは大賢者と同じように憎んでいるということだろうかと透輝は思う。


「別に謝る必要はないんだけどな、気になっただけだ。憎いのかダンジョンボスのことがさ……。」


『……うん。』


 そして、透輝の前には巨大な扉がそびえていた。パトラから案内された終着点ダンジョンボスのいる場所へとたどり着いたのだ。


「なるほどね、ならダンジョンボスはメッタメッタのギタンギタンにしてやらないとな?」


『……お願いする。』


「任されました!」


 そう言うと透輝はダンジョンボスに通じる扉に向かって思いっ切り蹴りを喰らわせて扉を吹き飛ばすのだった。



人物評とか書こうかな、いつか

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