凶神になって……
閑話みたいなもんですので短いです、すんません
トイレ設置の3点ユニットバスで入浴をした透輝は気分転換ができた。
「いや~、流石にダンジョンっていう閉鎖空間で風呂に入れないとかないから……。入浴でねSAN値も回復した気がするわ、別に減ってないけどな。」
『それはよかったね~、うらやましいねー私はその間にずっとトウキの裸を見ることになったんだけどねー。今の私じゃお風呂も入れないしー。』
「なんか、すまんかった……。」
透輝はガチで落ち込むようなパトラになんと声をかけていいのかわからない。
『いいんだよ、私のために頑張ってくれてるんだよね。早く顕現したいけどリフレッシュは必要だもんね……。透輝が怪我とかしないことが一番だから……。』
「悲しそうに言うのやめてエ!?頑張るから!もう頑張ってダンジョン攻略して一緒にお風呂入れるようにするからぁ!?」
『冗談だよ、うん……。ありがと。』
「お、おう、任せとけ。腐っても『小凶神』だからな……願いは叶えて見せるさ。」
『……トウキが『凶神化』すると苦労するの私だからほどほどにね?』
「ぐッ、善処する。」
なぜだろうか、パトラが顕現したら頭があがりそうにない……と感じる透輝だった。
しかし、入浴を済ませて思う。透輝は元々はそんなに筋肉質ではなかった、むしろ瘦せ型の人間だったが今はどうだ……全身の筋肉は増えた所謂細マッチョになったし肌は以前よりきめ細かくそして白くなっている髪もサラサラだ。まるで悪役令嬢転生ものの太った令嬢が瘦せた後みたいな陳腐な感想だが、しょうがないだろう?。この変化は脱皮をしてからだ……この変化を得てうれしくないかと問われれば否なのだが、どこか釈然としない。悪いことではないので透輝は後回しにしているが『凶神化』の影響だろう。
神格を得た影響か双眸は赤と青のオッドアイに肌はきめ細かく白く変化したから麗菜や憂に会う時を楽しみにしておこうと透輝は思った。
「その為にも、こんな日の光も浴びれないくそったれな場所からさっさとオサラバしないとな……。」
きっと、いい悲鳴を聞かせてくれるハズだ……。
『私のためなのを忘れないでね……。』
「パトラ……それはもちろんだ理由が増えただけさ。」
『うん、それならいいんだ……。イイんだけどさ……。』
「なんだよ?」
『いつまで全裸なのかなぁ!!?』
そう現在透輝はブーツのみで全裸でダンジョンを徘徊していた。それもとんでもないスピードで走りながら……。
「いや、誰もいないし?開放感を味わいたかった。」
『私には丸見えなんだよ!?ブルンブルンしてる!?』
「チッ、心の狭い奴だ……。もうこんな開放感を味わえることはないんだ少しくらいいいだろ?」
『駄目!』
透輝は心底残念そうにして走るのを止めると装衣を身に纏った。
『このダンジョンで全裸で疾走したのはトウキがきっと初めてだよ……。』
「わからんぞー、世の中には奇特な奴ってのはいるもんだからな他にもいるさ多分!」
『絶対いないよお____!!!』
その通りである。




