穢れた神『凶神』(ネタもあるよ!!次回に)
すんません、長くなったので一旦切り上げ最凶ならず
今日中にもう一本急いで執筆予定ですので許してください
光の無い世界だ、ここに来たのは二度目か……。視界が一定から先は見えず、工場のような場所でどこなんだといっても二度目の夢の世界ってことだが、一回目はビュウメスに右ブローを食らった時かな。
結局、あのスライムに左腕を切り取られて体当たり(ス〇ストライク)をお見舞いされて口の中にいっぱいにスライムが入ってきたところで記憶が途切れている。ここは夢の世界だからか左腕はちゃっかりあったりする……いや、現実に戻るのが怖いね。
「おーい」
確かに油断はあったスライムだからって、俺の方が弱いのは明白だったのにどうして近づいたんだろうかRPGの経験のせいだな!
「おーいってばー」
で、ここから抜け出す為には何をすれば、確かこの前は何かに触れて……。
「もう、無視する方が悪いからね……えいッ!!」
ドゴオ!!
「トッポギ!?」
透輝は背後からの不意打ちにまったく対応出来ずに変な声をあげる。振り返ると青髪、青眼のエルフだろう尖った耳の少女がいた。少女は透輝が彼女に気づいたことに整った顔に喜びを添えて満足気だ。
「もう、やっと気づいてくれた?」
エルフの少女はそう言って青い髪を揺らして透輝に笑いかけるが、そんなものに見とれる透輝ではない確かに可愛いけどかわいらしさの化身保梨奈憂の傍に居続けた男だ舐めないで貰おう。
「あのね?不意ダマで攻撃とか犯罪だからな、ポリスメェン呼ばれたいのか?119だぞ119!!」
透輝が消防署に連絡すると脅すと少女は申し訳なさそう俯き、その後上目遣いで透輝に話始める。
「それに、ついてはごめんなさい、でも貴方が気づいてくれなかったから……。」
びくりと体を縮こめて悲し気な声で言われると透輝も何も言えなくて困るまるで自分が悪役のようではないか、第一にこのエルフの少女は誰なのか……。
「無視してたって……。ここ夢だから……精神世界みたいなもんでしょう?なら、お前は俺の空想の産物であって俺のお前を生み出した想像力には驚かされるがどこもおかしくない。まあ、そんなお前に名前を聞いてやる時点で俺の偉大さが証明されたな、お前盛大に感謝していいぞ?」
「…………ムー、本当にそう考えてるの?まあ、いいやここでの時間もあんまり長くないし、パトラ」
エルフの少女はふくれっ面で透輝を見つめるすねたような顔だ。エルフ顔で顔立ちがいいので非常に可愛い。が、そんなにキュートだとからかいたくなっちゃうよ♪
「なにが?」
ヘイト上昇術『もう一度聞き返す』
「名前が!パトラなの!!」
これ以上はからかうのは無理じゃなと判断できた透輝は真面目に対応することにする(自分の夢にマジ対応して意味があるのだろうか)。
「わかった、わかったパトラだな、で何の用なんだ?」
透輝は軽く手を上げて降参するが、パトラは頬を膨らませたままだ。
「あなたの名付けなのに(ボソッ)、これからずっと一緒なんだから自己紹介とトウキ自身についてだよ、このままだとトウキは人じゃあなくなるから皆で協力するの……。」
パトラは透輝の思っていない事態を口に出した、ずっと一緒(悪くないな可愛いし)?人じゃなくなる?みんなって誰?透輝は足がふらつきそうになる。
「チョット待て、人じゃあ無くなる?冗談だろ、おい俺の意識?目の前のこいつはアレか別人格とかか?デット〇ールかよ……そのうち画面にテロップがでるぞ。しかも、みんなって何十人格だよワロス、テロップだらけになって画面が見えないよソレ」
流石の透輝も自身の夢でこんな厨二病患者になろう程の爆弾を抱えていたとは知らなかったです。困っちゃうねーどうしましょか……。
「……とりあえず、トウキはついてきて時間もないわけじゃないけど、ゆっくりもできないから。」
「そうすれば、帰れるのか……?」
「…………。」
パトラは透輝の質問を無視すると勝手に進んでしまう、透輝も夢の世界だとは思ってはいるものの数日ぶりの対話のできる存在なので逃がしたくなかった。そのためパトラを追いかける、いや美少女エルフを追いかけるのって事案か夢だからセーフセーフ。
「そういえば、外はどれくらい時間がたってるんだろ?」
当然の疑問ではある、第一に気絶する前は左腕を切り落とされているのだ、止血をしなければお陀仏になってしまう。なんならここが死後の世界だろうか?
「……外での時間は一日くらい、左腕はすぐ止血したから問題はないと思う。」
パトラが透輝の方を振り返りもせずに現実の透輝の状態を語る、透輝はそのことに不満をおぼえるが、特に何も言わない返事はもらえないだろうから。
「で、お前は何ですぐに俺を起こさなかったんだ?」
が独りごとは言う。
「私だって意識がハッキリしたのは、時間がたってからだったし、この姿は久しぶりだし信じられなかったのエルフの因子だって抜かれてたし……。」
よくわからない話に突っ込んでしまった、エルフの因子?抜かれてた?そんなことを考えていると。
「到着したよ、トウキ?」
「え、ああ、ここか……。」
透輝とパトラの到着した場所は巨大な3つのガラスのタンクが並ぶ場所だった。並列し並ぶタンク……。透輝も以前来たことがある場所だ。
第一のタンクにはヘドロ状態の『ナニ』かが詰まっていた。
第二のタンクには淀んだ光を発する液体が満たされていた。
第三のタンクには底に赤黒い血のような液体が溜まっていたがタンクを満たしていたのは無数の蟲だ、透輝がトイレで流したハズの巨蟲達がそこに収まっていた。
「何だよこりゃあ……。」
透輝がこの光景に茫然とし、答えを求めると、その答えをパトラはあっさりと答えてみせた。
「何って透輝の<三重之穢>不浄魔法『トイレ設置』で得られた有機物等と魔力、そして透輝が集めた瘴気を溜め込むスキルでしょ?」
「<三重之穢>だと……?」
確かに透輝の能力だったが、まったくどんな能力かわからなかったハズのものだ……それの能力が目の前のタンクなのだという。
「トウキだって、お世話になってるでしょ?ダンジョンでなにも食べなくても水を飲まなくとも活動できたのはそのおかげなんだから……。」
「!?」
まさか、透輝がダンジョンに落ちる前から食欲が無かったのも、落ちてからなにも口にせずとも活動できていたのも<三重之穢>によって透輝にエネルギーが供給されていたからだというのか……。なんかバッチイな。
「……でもね、もう<三重之穢>に透輝自身が耐えきれないの、もう透輝が耐えきれるだけのエネルギー総量を超えてるから耐えきれるだけの器になる必要があるの…。」
確かに目の前にある3つのタンクから感じる圧迫感は透輝の内にあって、この威圧的ですらあるエネルギーを溜め込んでおくことは透輝自身にとっての害でしかないだろう。そう考えると危機感をおぼえる。
「俺にどうしろいうんだ……?」
パトラに縋るような気持ちで透輝はその解決法を聞くことにする。
「さっきの説明しなかったっけ?皆で協力して……いや融合して透輝の器を広げるの。」
「融合?それに皆ってやっぱり誰なんだよ……。」
透輝の質問にパトラは答えにくそうに頬をポリポリと掻くと赤黒いものが貯まったタンク蟲だらけのタンクを指差し……。
「アレ」
とだけ答えたのだった。透輝はその指先の示すものが蟲だとわかるとグシャリと潰れた。
「すんません、アレとの融合は、マジ勘弁!!」
「誤解しないで、器と融合するのであって透輝そのものと融合するワケじゃないから!!」
それを聞いてひとまず透輝は安心する、もし、あんな蟲共と融合したら人の形を保てる自信が無かった。
「……よっし、もういいや夢だし悩んでるの馬鹿らしいし、ここまで来たらとことん付き合ってやるか……パトラ覚悟決めたんで器とやらはどうやって融合して広げるのさ?」
もう、透輝はここでのことは夢だと思うことにした、そうでもないと理性を保てそうにない。急にスライムに左腕を切り飛ばされ、この場所に来てからはエルフの美少女に出会い融合せねば死ぬというのだ。透輝の精神は限界であったがためにもう、これは夢だと現実逃避に逃げたのだ、いやこの場所が現実なのかはわからないのだが……。
「……さっきまでと全然違うね吹っ切れたのかな、方法は簡単だよ透輝は瘴気のタンクに触れてタンク内の存在を引き出すようにイメージしてくれればいい、私は魔力タンクに触れて魔力を引き出す。第一のタンクはもう透輝は自動で引き下ろせてるから問題はないからね?」
「OK,OK、もう決めたんでね、さっさとやろうや、瘴気だろうが蟲だろうが夢は夢なんだからよオ!!」
透輝はそう言うと瘴気のタンクに向かいタンクの中身をしげしげと見てからタンクに触れて自分の中に引き寄せるようなイメージを展開する。
「アハハ、いいよこっちも始めるね。」
パトラも淀んだ光発する魔力タンクに触れて魔力を引き出していくと光が一段と強くなる。それを背後から感じた透輝は負けじと瘴気を吸収しようとする、そこで……。
『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』
蟲達が動き出し、タンク越しから透輝のもとに集合してきた。透輝はそれに一瞬腰を引かれる思いだったが逆に不敵な笑みをみせ笑った。
「ハッ、気持ち悪いことありゃしねえがよ……。テメエ等みたいな化け物共をとりこむのか……。いいねえ、それならば神だってなれる気がしてきたからよオ、一匹残らず取り込んでやるよォ!!!!」
第三の瘴気のタンクは赤黒く輝き透輝の体を照らす、いつの間にか透輝の意識は途絶え現実に戻っていた。
面白ければ評価とブックマークって今回は図々しいな俺!?
いや、ホントすんません執筆急ぐんで……。




