救いの…?
ここまで、今だに主人公最強じゃなんだよねww長すぎるww
読みにくかったから修正された、反正すろ
しかし、この空間でまだ生きている蟲がいるというのがわかっただけマシかもしれない、名も知らぬ巨大ムカデに感謝しておこう。
透輝は先ほどより警戒のレベルを上げ慎重に行動していくようになった(5分だけ)。
それから、暫く移動をすれば蟲の遺骸はまばらになり数も減ってきた、どうやら極端に密集していたのはあそこだけのようだ。それがわかっただけでも進捗があったことだろう。
足場となる大型甲虫を探して移動をせず、地面が見えるような場所へと来たせいか、少しホッとした。地面が見えないというのは透輝にとってある種のストレスとなっていたようだ。
「案外気を張ってたみたいだなア~、自分がそんな繊細な人間だったとはな正直言って意外だぜ……。」
地面を踏みしめて歩くというのが何故かとても新鮮に感じる、血霧はもはや少なくなったので視界も良好だ。やはりあの巨蟲だらけの場所は特殊だったのだろう。
「それが分かったところでねえ、どうしようもない……。」
結局のところはソレなのだダンジョンから、脱出できるだけの情報またはヒントが足りていない。もっとも、おいそれとそんなものがPON☆と出てくるわけでもないのでしかたないのだけれど。
「パワーアップの木の実とか落ちてませんか~、ってそもそも木がねえわww。うける~♪」
そもそも、透輝に助かる気はあるのだろうか隠密をまったく気にせずに大声で独り言をぬかし、ホイホイと警戒せずに歩いていってしまう、これを不用心といわずして何になろうか……。
そんなバカは痛い目に遭うものです。
「あっ」
『グォ?』
通路で鉢合わせしたのは、金属の質感を持った雄々しい双角に闘牛に熊更に虎を混ぜたような体格を持つ魔物だった。全長7m体高3mの魔物ベヒモスだ、高位竜種にも引けを取らない強さと頑強さを併せ持った高ランクの魔物である。
『…………』
見つめ合う一人と一匹……。まるで心が通じ合っているかのようだ。アメリカのホームドラマに流したら発狂しながら喜んでくれるだろう。
勿論、透輝の現実に救いはない……。双方は突然の出会いに固まっているだけだ、どちらかが動き出せばこの均衡は崩れ去ることだろう。
「OK,OK……。こうゆう場合は相手から目を逸らしてはならないゾ~……。そしてゆっくりと後退りしていくんだゾ…透輝落ち着け~焦ったら終わる(人生)」
『…………』
ベヒモスと目線を交差させつつ透輝はゆっくりと確実に距離を離していく、ベヒモスを刺激しないように…。
「心に無関心『そう…(無関心)』を持つんだ俺…できるできる絶対にできる!!どうしてそこで諦めるんだそこでェ!!」
『グ…グォ?』
緊張感のカケラが透輝には薄れてきていた、むしろベヒモスが困惑している程の無駄な気迫…透輝はどこに向かうのだろうか。
「なに、ビビってんだオラァ!!でかいのは図体だけか!この腰抜け野郎が卵子から出直せゴラァ!!」(喧嘩を売るスタイル)
『グ…グォオ!!』
「迫力がたんねェぞ、このダボが!!ァア?脅してるつもりかこの○○○野郎が迫力が足らねェよ!!もっとだもっと!!」
『グ、グルォオォオォォオオ!!!!』
大気すら震わせるベヒモスの咆哮が響き渡る____!!!
「そうだ!!それを待っていた!!もうお前に教えることはないさらばだ!!」
そこで、透輝は反転し来た道を走って戻るのだった。
『…………』
ベヒモスは困惑していた、なんだったのだろかあの生き物はこの自分を前にして怯えるどころか逆にこちらに対して吠えてきたくらいだった。アレはなにがしたかったのだろうか…かつてない遭遇にベヒモスはどうすべきか考えていたが、ふと思いついた。
なぜ、弱者であろう生き物いいようにされていたのだろう、よく考えたらすげえムカつく!!
『グルォオォオォォオオ!!!!』
「アッハッハッハ!誤魔化しきれなかったかあ詰んだかねこりゃ…。」
あの魔物とは既にある程度の距離は稼いでいるがあの巨体を前にしたら些細なものだろうことは想像できた。恐らく嗅覚なども鋭いだろうから拠点に戻ることが生存への道だろう蟲臭いからなあそこ…。
既に小型ではあるものの遺骸が転がっているのでもうすぐといったところだろう、あそこまでいけば死ぬことはないはず___。
『グァァァァアー!!』
「なッ!?はやい!もうついたのか!やっぱり魔物は構造が違うな、すごいな~憧れちゃうな~!?」
ベヒモスはもうすぐまで透輝に迫っていた、そしてベヒモスは透輝を見つけると一段と速度を上げ。
『グルァ!!』
「がッ____!!!」
鼻頭で透輝を吹き飛ばした、前方に勢いよく飛んで蟲の遺骸の海にダイブした透輝だったが、皮肉にも蟲達がクッション代わりとなり激痛が走るも気絶できる程のものではなかった。
「…………いやはや、…案外とあっけない…本当にあっけないもんだね…異世界での最期がコレか浮かばれねェな。」
透輝が生を儚んでいると周りから妙な音が響いてきた。耳障りな嫌な音だ。
『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチ』『キチキチキチキチキチキチ』『キチキチキチカチ』『キチキチキチ』
『グルゥ?』
これには流石にベヒモスも不思議そうにしていた。
そして、透輝は音の出所を知る…蟲だ。蟲の遺骸が動こうとしているのだ____。
そして、蟲の遺骸は立ち上がる…頭のない蜘蛛が足のちぎれたサソリのようなものが、スズメバチをより凶悪にしたようなモノ、蟻の胴体がない遺骸などが続々と息を吹き返す共通していたのは巨大な蟲だったこと先程まで確実に遺骸でしかなかったということだ。
息を吹き返した蟲達は大きな波となってベヒモスに押し寄せた、が蟲の数は膨大今も続々と息を吹き返している透輝の下でも蟲達が蠢きあっているのだ間違いはないだろう。
『グ、グガガガガァ!』
ベヒモスは必死に抵抗し蟲達を粉砕するが蟲達は気にしない粉みじんにされた蟲を乗り越えてベヒモスに押し寄せる。
『グ…ア………ガ……。』
やがて、ベヒモスは息絶え代わりに『グチグチ』と音がする、蟲がベヒモスを肉片に変えているのだ。やがてベヒモスが姿形を肉塊以下にすると蟲達はその瞬間に一斉に糸が切れたかのように動きを止めたのだった。
「なんだってんだよ……!!こりゃあ……!!」
透輝はそれを見ているしかなかった____。
面白ければ評価とブックマークよろしゅう
さーて最強までもう少し長かった




