生存の道は……
初期タイトル:ふるさと納税は偉大、医大は大学下仁田ネギよりコンニャク
「カチコミじゃあ~!!」
バァンッ___!(ドア君)
「ヒャッハー!探索のお時間だZE☆蟲さんたちが寝静まってる(永眠)の中透輝が行くダンジョンの底ツアー!IN蟲ばっか!」
(ちなみにこのテンションは誰もいないことを前提としてやっております、マネをしないでください。)
ダンジョンの壁からコンニチハした透輝の目の前には蟲ばっかり、しかし今回は空気中に赤黒い血霧のようなものがダンジョンに漂っていた。その霧?はまるで水中の藻のように漂っており余計に不思議さを感じさせた。
「……僕知ってる~、時間帯によって風景が変わるタイプのヤツだ。出現モンスターとエリア変形、拾えるアイテムも変わるんですねわかるます。沼地の夜に毒沼が出現するようなもんだよね。」
ふざけたことを言っているが透輝なりに混乱しているのだ。
「アレ、これヤバい系?赤い霧とかデバフ間違いなしでしょ……あっちいけフーッフーッ!!」
頑張って虚しい肺活量で霧を吹き飛ばそうとする透輝だったが、一応霧は吹き飛んではいた。が結局はどうすることもできないので霧を避けて探索をすることに決めた。血霧が身体に悪いとしても触れたりしなければ問題はないだろうと。
「となると、行動範囲は狭まるか遠出がしたいワケでもないしいいんだが……。」
やはり、足場がないので大きめの甲虫に目星をつけて踏み台にして移動していく気分的には限られた足場で移動する川の遡上みたいなものである。
「シェイ!シェイ!ハアー!」
透輝はなるべく理想的なテンポで血霧を避けて移動をしていく迷子になるような心配はない、なぜなら特に巨大な蟲の遺骸は10mもあるようなものでそれを目印に覚えていれば迷子にならないだろう。
「しっかし、流石異世界だな、地球じゃあ物理的にこんなでかい蟲なんて存在できやしない。」
透輝は専門知識はないが、ドキュメンタリーや漫画などでその手のある程度だが知識は保有していたのでこの場所で息絶えている蟲がどれだけ非常識なのかが少しはわかる。
もしも、地球にこの場所にいるような蟲がいても生存ができやしないだろう外骨格の重さで動けず、呼吸さえ出来ずに死んでいくはずだ。
よく蟲が人間サイズだったらみたいのがある、例えばバッタだったら人間の数十倍も跳べるとかあるけれどそんな何十倍もの距離を跳ぶのにどれだけの速度が出るのか生身だったら消し飛ぶだろう速度ではないのか?
根本的には比べるのが間違いなのは違いないがそう思ってしまうのは仕方ないだろう……何が言いたいかと言うとこの場所の蟲は異世界ならではの魔力なるものがあるからこその巨大化なのだろうかと考えてしまうのだ。
「ま、学術的なことは知らんし、そもそも死ぬかもしれん人間の考えることじゃあないやな。つってもどうするかね~、今のところ安全だがいつまでもそうだとは限らんし、変な霧もあるこれが徐々に麻痺してくる毒とかならもう手遅れだろうしな……。」
透輝は生存を諦めたワケでもないが否定的ではある。それこそ急激なパワーアップやそれに近い生存できるだけの力必要になるかそれともこの深層にくるまでの場所を遡るかだが後者は無理だ。一直線に落ちてきたとか天井を目指して登るとかならやりようはあっただろうが、便器内にいて転がってきたのではどこから来たのかわからないし、天井は見上げればすぐに目にできる高さしかないので登るのも意味がないだろう。
「つまるところ、急激なパワーアップねえ俺にどうしろと?トイレでパワーアップできるもんかいな。」
透輝の現在のスキルで急激なパワーアップを望めるものがあるか、と言われれば懐疑的だろう。魔物を喰えとかあるかもしれないが、この世界の魔物は基本的には可食ができるのでその方法は期待できない。
では、やはり自分の能力か、となるが透輝に今ある可能性は
瘴気:いつの間にか身につけた謎のステータス使い方不明
不浄魔法:トイレを出したり、おっぱいから炸裂音をだしたり、『ブッチッパ』については語りたくもない基本的に殺傷力すら皆無で現在の状況打破には期待できないだろう。
三重之穢:これもいつの間にかあったもので使い方等不明だが一番可能性を感じているものではある。
どれも、可能性だけの存在で現状の打破にはまったく結びつきそうにない、かと言って動かなければ透輝の死因は餓死になるだろう……それだけは御免だった。
蟲の遺骸はあったが、何時から遺骸なのかもわからないそもそも変な病気など持っていたら尚更タチが悪いので触るのも遠慮していた。
そうして、移動をしていくと透輝をここまで運んできた救いの巨大トイレの場所まで来た……トイレはいまだ横倒れ状態だが『水』はこぼれていなかったが……。
ムカデが頭を突っ込んでいた、恐らく蟲達の生き残りの一体がトイレに頭を突っ込んだのだろう。それだけなら問題はなかったが巨大トイレに頭しか入っていないムカデ……。
つまり、巨大ムカデだ全長は30mほどで胴が直径180㎝ほどのムカデがトイレに頭突っ込んで動かなくなっていた。
「…………。」
まだ、生きてるかもしれないし、何とも言えない心情になった透輝はそれを見てスルーすることに決めて先に進むのだった。




