ダンジョン深層?快適になったよ苦労する方が難しくない?
「ンギモチイィッ!」
透輝は風呂に入っていた、『トイレ設置』での3点ユニットバスで風呂をだして便器内で濡れた服を脱いで風呂に浸かるそうすると身体は温まり心の余裕もうまれる。
「しっかしさー、なんだかんだ便利だよな『トイレ設置』ダンジョンに墜ちる奴も皆このスキル持ってりゃいいのに。」
ある意味ではあまたの作品に侮辱するような発言だが、あくまで透輝は真面目だった何せお陰で異世界での意義は見いだせたし、王族とも仲良くできた。特にいたいけな王子に余計な知識を教え込むのは甘美なことでたのしかった。
「ま、それも死んじゃったら意味もないがね…。」
透輝をこんな場所に追いやった霹靂神は透輝が複数の女性に好意を持たれているのが気に入らないといっていたが、それが理由で殺されかけたのだあまりにも理不尽である。まあ、それが彼氏のいる女の子に色目使っただの手を出しただのだったらわからなくもない。が、そんなことはしていないし、そもそも透輝の周りにいた親しいと思われる女子をあげてみれば。
三月麗菜:校内美少女トップ3の一人で透輝の従姉のアシスタント、従姉が描いているのは透輝をモデルにしたBL同人で彼女はその作品のファンだった。今では自身も透輝をモデルにしたようなBL本を描こうとしている……彼女にしたくない。
鈴風涼香:憂の彼女で論外、校内美少女トップ3の一人であるが透輝は彼女にとっての敵だ理由は憂との時間を奪うから理不尽、むしろ透輝を殺そうとする。
ヨヨムンド王女:異世界で知り合った王女、西洋感溢れる金髪碧眼美少女。ただ、仲良くなった理由が最新型トイレのシャワー機能でのア〇〇開発によるもの。愛称がヨヨで帝国に攫われてストックホルム症候群になって敵将に惚れて結婚しそう。幼馴染に騎士団長のクレイジーサイコレズが付属する。
保梨奈憂:男、校内美少女トップ3の一人で心優しく健気な子で黒銀の髪に優しさを体現した風貌、透輝にとっては心のオアシス的な存在である男の娘。彼女に鈴風涼香がいる。なお乳首がなぜか驚くほど綺麗なピンク色だ男なのに、プールの授業で何人もの男をかがませた伝説がある。(透輝は脚派なのでかがまないですんだ)
「霹靂神は頭が大丈夫なのか……、不憫な…見る目がないばっかりに、憂を狙ってたのか?いや、ノーマルだよなうん……。」
透輝は俯きむしろ不憫な男を思う……が。
「…………フヒャ、ァヒャハハハハハ!だから……だからどうしたァ、許さんぞォ霹靂神ィ絶対に絶対に許さない!!お前は特大のトイレに梱包して回転させてやるからな!!」
他人には理解できないだろう、透輝にとっては殺されかけたことよりもその結果として便器の中に入ることになったということの方が重いのだ。
「ま、そんなことよりお風呂ですよね。いや~なんかどうでもよくなってきた、お風呂は偉大、ハッキリわかんだね♪」
透輝は悲壮感も何も感じさせず、ダンジョンでも風呂という倒錯的なことを楽しむのだった。
現在、透輝の拠点となっているダンジョン崩落のくぼみはトイレから更に別のトイレに繋がっているという現実にあったら馬鹿らしい構造をしていた。だが、一室一室に構造や機能が違うものが用意されていた。
ダンジョンの深層に来て一時間で用意した、正直言ってなめているといっても過言ではないだろうが透輝にとっては不便だからやったとしか言いようがない。他の作品の苦労してる主人公を見習えよ……。
その中にはベットルームに乾燥室などもある。ベットルームといっても便座カバーやマットが付属する『トイレ設置』を何度も繰り返し集めたものを重ねただけだが……考えてほしいどこに急にダンジョンの底に落とされてそれなりに快適な寝所を用意できる能力があるのかと『トイレ設置』侮ってはいけない。
そうして、透輝はダンジョンをなめきっているとしか想えない入浴後を終えると服が乾いていないので致し方なく全裸での睡眠となった。なお、ビジネスホテルのユニットバスを設置した際のタオルケットがあるのでそれをかけた透輝は睡魔に身を任せた。
「…………。」
それから、一眠りをして透輝はふと、ステータスカードを見てみる。変化はなくとも手荷物のなかで一番異世界らしいものはそれぐらいしかなっかったからだ。
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峯島透輝 17歳 ランク:8
適正職:不浄者
筋力:19
体力:36
敏捷:8
最大保持魔力:8
精神力:36
防御力:8
防魔力:12
瘴気 :320
<スキル>
不浄魔法・三重之穢・言語理解
<称号>
最終救済者
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「……変化は……あるな、瘴気か……瘴気ってなに?今までなかったよね。」
ステータスカードには今までなかった『瘴気』というのが表示され、称号にも『最終救済者』なるものが追加された。しかも、瘴気に関しては全ステータス中一番高い、すごく厨二っぽいが異世界でのこととなると笑い飛ばすこともしにくいので取り敢えず詳細を確認する。
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瘴気:しょうき
アンデットやそれに類するものが発する力の総称、生者にとっては有害。また、瘴気の蔓延る地は不毛地帯となり浄化が難しい。
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最終救済者
未練残すものを有無を言わさずあの世に送る者に送られる称号、果たしてそれは救いか、はたまたただの傲慢か
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「…………。」
さっぱりわからない、なぜアンデットの持つような力を手に入れたのか?透輝に死んだ覚えはない、その手前くらいは何度もあるけれどその程度だ。そして称号最終救済者これも身に覚えがない、恐らく瘴気のことと一緒に表記されたのだろうがなんなのだろうか?
「その前に服だな、全裸じゃ示しがつかん……。」
とりあえず、服を着て外の探索をすべきだろうと思うが気は進まない蟲(遺骸)だらけの場所に誰が好き好んでいきたいものか……昆虫愛好家はすきそうだなと思い直す。
「そうだなぁ今日は、お外にイクよォ!!」(提案)
その前に瘴気と称号についてを考えなければならないが、透輝はこの世界に来てから魔物はゴブリナにしか出会っていない。もし、ここでアンデットのことを知っていれば瘴気についても考えることはできたろう、しかし残念ながら透輝は知らない瘴気がどんな力なのかそして、生きた身体に瘴気が宿るという異常を。




