ダンジョン都市フノール
あれ、フラグいつたてたっけ?
「ケ、ケツが砕けそうだ…」
長時間の悪路での移動は俺のケツに多大なるダメージを与えた、他の連中は高ステータスな為俺のようにケツが痛くなっていない。同乗している笠松ノブキが指差し笑う。
「ウェヘへへへ、ケツが砕けるってことはねーだろうよ、そしたらお前のケツは血塗れだ!」
「やはり忍者は品がないな、そんなんだから汚い忍者とか言われるんだよ?まあ、一般論でね?」
「んだと麻枝、テメエは堅いだけナイトで肉盾だろうが…ついでに身持ちも固くて彼氏なしか?」
「ほう、汚忍はよほど死にたいとみえるな?」
俺のケツの話題で喧嘩できるあの二人はもう結婚でもすればいい、二日で離婚しそうだけど…。ノブキに麻枝はもう仲悪いからなあ…。こんなのが俺の護衛って俺放って二人で喧嘩始めたりしそうでヤダなあ、この二人に俺の命運がかかっているというに。
「ハイハイ、二人ともそこまでね~峯島君に迷惑でしょー」
そう言って二人をたしなめたのはこの班唯一のアタッカーの墨瑛 詩衣音だ。この班で一番やばい奴はコイツだろう、墨瑛は戦闘になると自分に酔うからだ正直言ってその時の墨瑛は相手にしたくない、というより見たくない。普段はおとなしめの女子なんだが。
墨瑛は綺麗な茶髪で、それが天然だというから凄い、ロングストレートで毛先は内側に軽くヴェーブしている背丈は女子にしては平均的なところだろう。胸?結構なモノをお持ちですよ?元々、男子評価は高かったんだけどな、天然茶髪で目立ってるし。
でも、憂のがかわいい(真理)
「お~い、そろそろフノールに到着だってよ!!」
先行馬車の誰ぞがそろそろ到着であることを大声で告げている…。ようやく、俺のケツが痛みから解放されるときは近いようだな。まあ、ちょくちょく休息時間に憂に治癒魔法かけてもらったりしてたんだけどなあでもま、もう少しの辛抱だ!。
~4時間後~
「どこがもうすぐ到着じゃーい!!!」
「この世界の距離の感覚を甘くみていたな、おい、ケツは無事か?」
「もう駄目よ、腰にまできてるわ!」
こうして、到着詐欺にあったが無事(透輝のケツを除いて)フノールへと一行は到着したのだった。
フノールはこれから遠征するダンジョンにもっとも近い都市でダンジョン都市といっていいのかはわからないが少なくともフノールの経済はダンジョンが中心に回っている。人口としてはやはり冒険者に冒険者が持ち帰る素材を目当てにした商人、そして目新しい素材をさがす鍛冶師などが集まりストワール王国でも大型に分類されるであろう都市だ。ダンジョンの氾濫が起こった時はここが最前線になるため高い城壁がある。
俺達がフノールで滞在するのはダンジョンの氾濫の際には王族などが使用するデッカイお屋敷だ。王族が利用することを前提としてあるせいか王城よりも高そうな物が密集しているためこっちのお屋敷のほうが豪華に感じてしまった。
「うわ~すごいな、THE貴族屋敷って感じがするわ~」
吞気にしているかもしれないが、俺はこれからダンジョンっていう死地に向かおうとしてるんだよなあと考えると死ぬのかなあという考えがふとよぎるがそれを振り払いあてがわれた部屋に移動した、他のやつらも王城と比べると違う趣のある館なのでテンションをあげていた。
一人一人にここでも個室があったが王城の部屋に比べると大分狭いし設備もない寝るための部屋って感じだ、トイレ部屋はなかった。まあ、普通に考えたら遠征の泊まる場所を王城と比べちゃいけないんだろうけど。
今日はこれであとは夕食後にミーティングをして就寝だ、明日がダンジョン遠征の本番当日となるわけだ、明日の準備として荷物を整理しているとヨヨムンド王女から貰ったブレスレットがあった。
「あ~、そういえばまだつけてなかったな、今からでも装着しておくか…。」
確か生存確認ほかどこにいるのかわかるんだったよな、もっともそれは発信機を別の魔道具で探るようなものらしいが。とはいえ、死にやすそうな俺が折角貰ったものだ安っぽい見た目のブレスレットを左腕に身につける
「う~ん、ブレスレットなんて身につけたことないし、違和感が半端ないなあ…。でもこれで生存確認やらできるんだったら安いものか」
それから、荷物の整理を終えて夕食の時間になったのだがブレスレットを急につけて行く時ブレスレットについて聞かれたらどうしたらいいのか分からなくなった、素直に王女様に貰ったなんて言ったら嫉妬の炎で焼かれるかもしれん。そう思ってブレスレットを外そうと思ったのだが…。
「外れん…。」
まったく動かせず外すことができなかった…。
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ヨヨムンド第一王女
ヨヨムンド王女は最近あるものを肌身離さず持ち歩くようになった、それは6センチほどの透明な水晶で王女はそれを頬を膨らませて見ている時間が最近、彼女が一人の時間によく行うことだった。
ある時ヨヨムンド王女が自室でその水晶をいつもどうり眺めているとゆっくりとその水晶が色づき始めたその色は落ち着いて緑色で見ていてどこか安心する色だった。
「あ~も~、長かったです!…折角トウキ様に『あの』ブレスレットをお渡ししたのに今まで身につけてくれないんですものヤキモキしましたよ。」
そういって、ヨヨムンド王女は手の中の水晶をまるで愛し人に触れるかのようにゆっくりと触れた。
「う~、今までつけてくれなかったなんて私があの場でつけてあげるべきだったかしら、でもそれも恥ずかしかったし…。でも、身につけてくれたならもう安心ね!!」
実は透輝がヨヨムンド王女から貰ったブレスレットには彼女の魔力が込められており、一度装着するともう一度ヨヨムンド王女の魔力を流さなければ外れなくなっている。さらにヨヨムンド王女がもっている水晶はブレスレットとリンクしておりブレスレット装着者のバイタルが簡易的だが色でわかるようになっていて精神状態が筒抜けだったりする。
「トウキ様…ヨヨムンドは貴方様のお帰りをお待ちしております。」
そう言ってヨヨムンド王女は透輝の心情映し出す水晶に優しく恋焦がれるかのようにはなしかけたのだった。
水晶は穏やかな色を揺蕩わせている・・・
次回『透輝死す』お楽しみに!(噓だと思う)
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