王城出立前夜
そのあと、ヨヨムンド王女と別れると、待ってましたといわんばかりのビュウメスに半殺しにあった。憂が通りすぎなければ死んでいたことだろう。ムカついたので巡回中ビュウメスを見つけ出して遠くからオッパゲドンを使ってやった。
チュドーン!!!!
遠くからでも聞こえるくらいの音が響いた、ビュウメスは自分の胸から爆音がしてビックリしたあとで音が原因で人が集まってくると今度は顔を真っ赤にしていた。ザマアねえなしかし、サイズで音が大きくなるってことだったから結構サイズがあるんだろうか見た目ではわからなかったから潰しているのかもしれないな。
おっぱい派ではないからどうでもいいかな!!
それより、笑い死にそうなんだが。ビュウメスに向かって「爆音が聞こえたがなにがあった!?」とか「ビュウメス様お怪我はございませんか!?」とか城の連中きいてるんだぜ?ビュウメスが顔真っ赤にして困ってる顔…最高じゃねえか。正直に「私の胸から爆音がしたんですよお騒がせしました」なんて言えないもんな!あ~何度も殺されかけた恨みが晴れるようだわフハハハハ!!
俺は最高な気分で自分にあてがわれた部屋に戻った。明日の早朝にはダンジョンに向かう所となるからな、英気をやしな…ても意味ないな弱いし。ゴブリン以下の戦闘力の男が英気を養い一体なにができるというのか、そう考えると虚しくなったのでビュウメスのオッパゲドンのことを思い出して気分を良くしようかな…。いや、しかし、オッパゲドンなかなか面白い魔法だったな。
そうして考え事をしているとようやく睡魔と共に心地よいまどろみの時がやって…。その時睡眠を邪魔するように扉をノックする音が響いた。
ッ!?こんな時間に一体何だと言うのか、そして訪ねてきたのは誰なのかビュウメスにオッパゲドンをのがバレたのか覚悟エきめたぜ!
そうして、訪ねてきた奴は誰なのだろうかと緊張しつつもドアを開けてみた
そこにいた人物は直前にシャワーでも浴びてきたのだろう髪は素肌にぺったりとくっつき髪型が変わりその人の印象が少し変わるかのようだった。服装はいつもに比べて薄着でもし人に見つかったりすれば大変だったろうに。
彼…。勝俣健司はいつもの強気な態度がなりを潜めているかのようで、申し訳なさそうに、「あ~入ってもいいか?」と聞いてきた。俺は心良く…扉を閉めようと
「閉めたらドアぶち破って入るからな」
勿論、俺は彼を歓迎ムードでお出迎えした。マジでやるつもりだったもんあの目つきは!しかし、なぜ王城出立の前夜であるこの日にきたんだ?
「今日は…。謝りたかったんだ、峯島」
「一体なんにだ?酔ってカーテンに火をつけるなって話なら前にも聞いたぞ?」
「……やったのか?」
…。どうしよ、冗談のつもりだったんだがなあ本気でやったと思われたら面倒くさくなる。
「無論、冗談だとも。で、謝るってのは何にだい?」
「あ、ああ本当だったら峯島、お前は王城待機組になるはずだっただろ?そんなお前をオレの一存で連れ出す羽目になっちまった。勘に触る言い方かもしれないが弱いお前に頼るようなことになってしまっている申し訳ない」
そう言って勝俣は頭を下げた。確かに勘に触る言い方だったが、間違いなく俺はこの世界では弱者で仕方のないことなのかもしれない。
「もしも、危険があっても俺達がオレが守ることを約束する!ちゃんと生きて帰れるようにしてやる…。今回はこれが言いたかったんだ。」
「…そうかい、そうりゃどうも律儀なマジメ君だな。安心して守られてやるよ精々頑張ってくれよ?俺も協力するからさ」
どこか気疲れしたかのように勝俣に返事をしてしまったが、彼はそのことに気にしたような様子はなくニカッと笑う、そんな彼をみて勝俣と打ち解けられたように感じた。
「そいや、勝俣の日本の待たせてる人って誰なんだ、気になるんだが?」
そう、勝俣の目的はダンジョンの魔石を集めて一行も早く日本の待ち人に会うためだったはずだ。それが一体誰なのか、勝俣に誰も聞いてこなかった。暗黙の了解かというかなんというか、まあ彼女とかじゃないかな?というのが決まっていたからだ。
「ん?義妹だが?」
「い、妹?彼女とかじゃなくて?」
「彼女だって?ハハそんなわけねーだろw彼女だったら放っておいて異世界満喫してやるわ!でも義妹の成長は今だけしかねーしそれに義妹がオレが居なくて泣いてるかもしんねーだろ!それは一刻も早く帰らなきゃいけない案件だろ?」
なんだろう、勝俣の行動原理はシスコンだったのかと思うと非常に脱力してきた。トルク国王に食って掛かってた時のセリフまでもが陳腐に思えてきたんだが。勝俣のシスコン話が始まる!!
それから、勝俣が帰るまで勝俣の自分の義妹がどれだけ可愛いか、どうやって仲良くなったかなどを延々ときかされた。
なんでも、勝俣の父親の再婚相手の連れ子で最初は邪険にしてたとかなんとか、それが変わったのが勝俣が非行をしていた頃も欠かさず視聴していた仮面ラ〇ダーが転機だったとか(非行してた時も仮面ライ〇ー見てたのかよとは思った)その時は放送時間が変わる前で仮〇ライダーの後のプリ〇ュアだった、ちょうど番組を見終えて立ち上がろうとした勝俣の膝の上にその義妹ちゃんが座りこみ最初は邪魔だと思ったがその時義妹ちゃんが勝俣の顔を仰ぎみてニコリと笑ったんだそうだ。それに陥落した勝俣は非行を一切やめその義妹のために色々とやってきて現在に至る。
異世界帰還組のリーダー格の帰りたい理由が義妹に会いたいって、うん秘密にしておこうかな。
次は多分王城出立その2、フラグ建設予定




