トイレだね
下品な表現があります、お食事中ならお控えください。
うん?一体なんだってんだ、「トイレが出たました。」いや、そーなんだけどね!おかしいだろ『不浄魔法』でなんでトイレが出てくるんだよ!しかも、最新式の蓋が自動で開くやつ。意味分からんぞ何でなんだ。
いやほらシーンと静かになっちゃったし、どーすればいいんだ。後ろにいる奴らの視線が痛い、もうヤダトイレに八つ当たりすることにしよ…。
ヴヴヴィーン、カパ!シャアァァァァ!シャアァァァァ!!シャアァァァァ!!!!
トイレの蓋が開きノズルからでた水が三段階の水流の弧を描く!!
「…なんで、シャワー機能の三段活用してるんだよ!!」
『ピピ!!』『現在、ノズルを洗浄中です』
ウゼエエエエ、 このトイレ、ウゼエエエエ!!まさか、トイレに怒りを覚える日がこようとは思いもしなかったがな。いや、もう本当にどうしようかと考えていると……。
『ぅおおおお!!!』
歓声が沸いた、口々に『よくぞ、やってくれた……期待してなかったけど(ボソッ)』とか『これで、あの汚いのとおさらばできるのね!!』とか『すげぇよ透輝、お前救世主だよ!!トイレの…』言ってるがどうなってるんだ?全然分からん。ストワール王国の人達はポカンとしている、そりゃ日本の最新式便座が出てきてもわからんわな、この世界って異世界テンプレ文化レベルみたいだし?
「いやいやいや、ちょっと待ってくれ、お前らどうしたの?そら、最新式のトイレでたけどそんなにも喜ぶもんじゃないだろう!!」
酷い状態である。女子は半泣きで『ありがとうございます。ありがとうございます。』とか言ってますし、男子は『お前すげえよ、すげえ』としか言わない。なんなの本当に何、監禁を救助に来た捜査員か何かなのか俺は、それくらいの喜び様だぞこれは。
「あ、そっか透輝はこっちに来てからこの世界のトイレ行ったことないんだった!」
「どうゆうことだ、憂」
「アハハ……えっとね」
憂いわく、俺が寝ている間に他の生徒は異世界に来てパワーアップし力の制御の練習をしていたわけだが考えてほしい、その間他のことだって勿論していたわけだ。それが食事だったり言語理解というスキルが文字にも対応するのかを確かめたり………トイレに行ったり。実のところ、俺は知らなかったのだが、俺の意識がなかった間に一人一人に個室が用意され、食事も米がないことを除けば申し分もなく風呂なども個人でとはいかなかったが入浴施設もあり、着替えなども用意してくれて生活に不満がなかったそうだ……トイレを除いて。
最初にソレに気が付いたのは誰だったか、ふと、尿意を催しトイレの場所を聞くこころよく場所を教えてくれる城の人。う~トイレトイレ、って教えてもらった場所は薄暗くそして清潔感もない個室に置いてあったのは壺、悪臭を放つ壺。日本育ちには耐えられないものだったそうな。
ちなみに、一人一人の個室にも壺が完備され、メイドが二日おきに変えていくとかなんとか、なるほどねそこで俺が水洗トイレを出したから喜んでいるということらしい。
「待ってくれ、ここ異世界だぞ!!水道も下水道も通ってないんだぞ!!トイレとして機能するはずが……」
『ジャバ―ババゴポポッ!!』
最新式トイレが流れた音がするが下から何かがこぼれたような痕跡がない、って誰だ流した奴!
「うん、大丈夫だね異世界のマジックアイテム化しているみたいだ。流れたモノがどこにいくかはわからないけど。ンッ持ち上げられるし固定されてるわけじゃないんだなあ。」
霹靂神 時雨ェ!!!!お前かよ!!、美男子がトイレを持ち上げて嘗め回すように観察するのってシュールだな。個人的には見ていて面白いけどなギャップがあって。更に面白いのはそんな霹靂神を女子が熱っぽい視線で見ていることだが。イケメンは得ってか滅びろ!!
「あ、あの勇者殿、そのアイテムは何なのでしょうか?とても特徴的な形をしていますが?」
ストワール王国側が茫然としていたが復旧したみたいだな、王女様が復帰一番乗りだね。しかし、酷な説明させるねえ勇者に便器のことを教えろとか、どこのギャグマンガだよwwしかも、相手はいつぞやの第一王女さんじゃないの(作中では一時間しかたっていません)王女と王様相手に便器の説明とか……うわァ。
「いえ、ここはコレを出現させた峯島透輝君が説明役にはふさわしいでしょう」
キ、キサマァアアァァ、王族に便器を説明しろと!?イケメンめ、やはりか貴様は敵だ!にこやかに笑いかけるな!ふざけてんのかよ勘弁してくれ…。あ、王女がこちらを蔑むような視線をくれているよ流石にこの前の対応が悪かったかー。
「あのお方にちゃんと説明できるのかしら、勇者様であるハタタガミ様から説明をお願いしたいのですが?」
よし、いいぞ、そのまま押し通せ頑張れ王女様応援しちゃうから!あっすげー睨まれている。ソンナニミツメナイデー。
「コラ、よしなさい。これはハタタガミ殿の能力ではないのだ、であればコレを出現させた本人に確認した方がよいだろう?」
オォーイ!!マジかよ、いや霹靂神に譲ってOKだよ?ってか王族がトイレに近寄ってまじまじと観察するなよ…なんかイメージ壊れんだろ。ここの王様見た目は二十代にしか見えないし王女とは兄妹にみえるんだよなあ。そんなのがトイレにおそるおそる触ったりなでたりしてるんだぜ、トイレをだぞ笑えねよ。もういいや腹くくるわ。
「わかりました、説明させてもらいます。これは…俺達がいた世界の便器です。」
そこから先のことは思い出したくない、他の生徒もトイレが使いたかったのかサポートしてくれたけど王様にトイレの使い方だのシャワーの扱い方だのを教えるのは辛いものだったといっておこう。さて、トイレは調査の結果、電気がなくとも動き水も自動で生成され底面にはラバーのようなものが貼られていて汚物がどこへと流れていくのかまったくわからない。しかも、蓋さえ閉めておけば逆さまにしても水漏れがないという化け物だった。結論としてはマジックアイテムとして認知されたというかさせた、生徒達で…若干の不気味さはあるがトイレとしては使えるんだから問題ないってことらしい。特に女子の押しがすごかった鬼気迫る感じ。いや、まあ、お察しください。
後々の話になるが調べてみたところ、この世界にも下水道があった都市はあったのだが残らず滅亡している。理由が下水道のダンジョン化だ、なんで?と思った人も多いと思う。理屈でいうと、前提として生き物には魔力がある、そして身体の許容量を超えた魔力は排泄されるのだが排泄方法が排泄物とセットにすることなのだ。そして、下水道は地下にあり魔力がこもるそして魔力濃度があがり生物の異常化などを引き起こした結果ということらしい。魔力の弊害というやつかもしれない。
その点俺のトイレはどこに流れているのかわからんのだが、「マジックアイテムだしね」で終わった。いいのかお前らそれで…。
無計画なのにフラグをたてる!!なお、回収予定は未定。あ、面白ければ評価とブックマークお願いします。モチベーションあがるます。




