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不浄者は凶神になり斜めな成長する  作者: ジャック・レイ・パール
異世界召喚
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召喚が崇高な目的があると期待してはいけない(戒め)

使えそうな語録が少なくなってきました(ボキャ貧)かぶってもいいかな?

 謁見の間とはなんてことはない、最初に召喚された場所がその謁見の間だったのだから。もう他の生徒は集合していたようで、最後の到着になった。原因は、俺が三日も寝て歩きが覚束ないのと、憂の脚がガクガクだったからだ。鈴風もこれには多少、反省していた。


「よくぞ、集まってくれた。三日も時間を空けてしまったことを悪く思うが、我々ストワール王国が何故、異世界召喚を執り行ったのかを説明しよう」


 玉座に座る国王であるトルクが厳かな声音で説明をはじめた、しっかし、イケメン君だな国王さん、女子の何人か熱っぽいよ視線がよ。まったく、国王さんといい、霹靂神(はたたがみ)といいなんなの?イケメン滅べ。


 で、肝心の異世界召喚を執り行った理由だが、ダンジョンの氾濫が起こった時の旗本になってもらうつもりだったみたいだ。もっとも前線に出ないで後ろでふんぞり返っているのが異世界召喚より召喚された者であれば士気の向上になるってことらしい、戦わせるつもりはなくその氾濫が終われば速やかに報酬を渡した上で元の世界に帰ってもらうつもりだったとのこと。元々、一人しか召喚しないつもりで、こんな大人数を招くつもりはなかったことをきいた。


 どことなく、本当に帰す気が本当あるのか、とかそれ以前に元の世界に帰れるのかなどと考えてしまったが、召喚の理由がただの士気の向上ってどうなんだろうか?まあ、魔王だの魔族だのを滅ぼせって言われるよりマシだし戦争の道具としては俺達をみていないようだった。


「待ってくれ!元の世界に帰れるってのは本当なのか!!!」


 そんな大声をだしていたのは勝俣健司(かつまたけんじ)だった。服装は非行少年スタイルでガラも悪かったのと、一国の王に対する態度ではなかったせいか周りの兵達が険吞とした空気をだしてきたが、国王であるトルクが兵達をたしなめていた。どうやら質問に答えてくれるようだ。


「無論、本当だとも。むしろ申し訳ないが今すぐにでも君たちにはお帰り願いたいくらいだ。が、少なくとも現状では君達が元の世界に帰還できるのは数年ほどかかるだろう。」


「そこについては、私から説明させていただきます。」


 魔術師団長の人だったかな、泡吹いて運ばれていったところしか思い出せないんだが、周りをみるとそう思っているのは俺だけじゃないようだ。


「あなた方の召喚には特殊な魔石が必要でして、その魔石が比較的安全に採取できるようになるのが数年後、正確には王の話にあったダンジョンの氾濫後にダンジョンから採掘するというのが正しいですが…」


「…なぜ、ダンジョンの氾濫のあとなんでしょうか?」


「単純にいえばダンジョンの氾濫後はダンジョン内の魔物が減り、そして強力な個体が少なくなるからだ。魔石が採掘できるのは深層に近いところなのでね」


 知らない間にどんどん話が進んでいく、まあね所詮、俺は召喚の中で一番弱い一般人だからね。なに言っても無視とかされそうだし流れに身を任せるのが一番かな~。


「俺ァ、向こうに待たせてちゃいけないヤツがいるんだ!!ずっと傍にいてやりたい奴のためにここで、立ち止まる訳にはいかねェんだ。その魔石とやらを俺がダンジョンに行って採ってきてもいい!!俺は元の世界に帰りたいんだ…。」


「勝俣…。」


 皆、勝俣の唇を嚙みしめ血が(にじ)むほどに感情の籠った言葉に誰しも言葉に詰まった。彼にはそれだけの思いを寄せる人が地球で待っているということなんだろう。すると、国王であるトルクはニヤリと笑い勝俣のことを見つめる。


「君、名はなんだ?」


「勝俣健司だ」


「成程、ではカツマタ ケンジよ、君は数年待てば苦労なく元の世界に帰れるというのにあえて、今すぐに元居た世界に帰るためその身を危険に晒すというのだね?死ぬかもしれないのに?」


 国王の王者の風格をこれでもかと勝俣に叩きつけるトルク、それに対して勝俣はヘッと笑うと。


「王様よお、あんたにもあんだろ?譲れねえってもんがよ、俺にとっちゃ今この時が譲れないことなのさ、その代償が必要なら腕でも目でもくれてやるさ!」


 その(まなこ)に覚悟を込めて、王者たるトルクを見据える勝俣、なんだろうね。もうあいつが勇者でいんじゃね?霹靂神と三月はあいつに適正職譲れよ…。


「クックック、確か君の適正職は聖拳士だったかな悪しき存在をその拳で滅する者か、異世界人の適正職とはその魂の在り方で決まるのかもしれないと君を見て思うよ。いいだろう、ダンジョンに挑むというのならストワール王国国王トルクの名のもとにできる限りの支援をしようではないか!!」


 途中で聞き捨てならないこと言った、魂の在り方で適正職がきまるだと?

 なぜだろうその言葉があった瞬間に何人かが俺のこと見てたぞ、失礼な奴らだ。おれほどのイイ性格をしている奴はいないと思うんだが。ニコッて笑って見返したら目をそらしやがった何だってんだ?


「なるほどね、どこぞの『不浄者』は余程性根が腐ってるんでしょうね?」


「おい、憂お前の彼女が人のことディスるんだが?大体な、俺の心は純粋なんだよ、ガラスのハートさ、ワレモノなんだよ?」


「う~ん、透輝の心は真っ黒って意味では純粋かもね。心はプラスチック製のジュエルじゃないかなあ?」


 酷い、憂に裏切られた。周りの奴らも「ああ、納得」みたいな表情すんな俺がお前らになんかしたかよ、こんな人畜無害な男はいないってのに。


「異世界人達よ、我々は支援は惜しまないつもりだ。しかしながら、今すぐにダンジョンに向かうことを許すわけにはいかない。なので、我が国の魔術師団長、騎士団長に君達を鍛えてくれるように私から話をしておこう、無論、希望者のみだがね」


 そう言ってトルクは勝俣に笑いかけた。と、そこで魔術師団長から一つの提案がなされた。すなわち、今日のこの後の時間俺達が得た適正職の初期スキルを試してはどうかというもので、これに多くの者が賛同し国王であるトルクも見学のもと自らの適正職を試す場所と時間を貰った。


 のちのち振り返れば、俺が『人』をやめるキッカケになったのはここからだったんだと思う





物語は加速する!!(願望)

どーか、評価とブックマークをオナシャス

感想も歓迎ムードですぜ

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