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不浄者は凶神になり斜めな成長する  作者: ジャック・レイ・パール
無名
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怒涛の展開フラグ

「明日、商人ギルドで装飾品を売るとして今日はどうしようか?このまま休んでもいいかも知れないけどこの町の地理についてもある程度知っておきたいから散策が必要だろうし」

『瘴気だけササっと回収して終わりにできないの?場所はわかってたでしょ?』

「確かにそうなんだが……うまくいかないんだよ近づいたが故に正確な場所がわからなくなったというか……多分、町の中の瘴気ってことで他の生きている人たちの気配に霞んでわからなくなってるんだろうが面倒だよなあ」


 瘴気とは命終えたモノがそれに反するとき発せられる純粋な『死』のエネルギーである。

 その為、瘴気の発生源の近くに生けるものがいれば瘴気の気配が霞んでしまうのだ。


 最初にこの町に瘴気があると感知していたのに場所はわからないなどと矛盾しているようではあるが大雑把に見て対象を感知するのと詳細な感知をするのは勝手が違うということだろう。

 顕微鏡で観察をするようなものだ、大雑把に見たい場所はわかっても倍率を上げて見たい部分を探すとなると時間がかかるようなものだ。


『皆殺して瘴気の糧に……』

「過激派ッ!?そんなヤバいことしないからね?穏健にね自然発生してるのだけにしよう?」


 パトラとしても冗談だったのだろう慌てる透輝にどこか満足気な笑みを浮かべる。

 そしてそれがわかると透輝はガックリと肩を落としてすねた視線を向けた。

 もっともこうしたやり取りも嫌ではない転移前の従姉や三月麗菜に今迄はBL同人のネタなれだのなんだのと言われたのに比べればパトラとのこうした時間は天国のようなものである。


 そう思うと悲しくなってきたし、目の前にパトラがいることが奇跡のようだった、まあパトラも初対面では透輝のことを見て腕を切り飛ばしてくれたわけだが。


 ……まともな女がいねえな(作者の怠慢なのか)


『トウキ?どうかしたの?』

「なんでもない、今は隣にパトラがいて幸せだなって思ってるだけだから」


 一応、透輝の本心である。


『ふ~ん、どう幸せなの?』


 彼女にされて困る質問、「私のどこが好きなの」にも似たような質問に息が詰まる思いだったが透輝は知っているこうゆう時に具体性をもって返答した時に相手が思っていたにと違う返答をすると機嫌が悪くなるんだ透輝知っている(大事なことなry)。


「……隣にパトラがいると安心するなーとかパトラのいないなんて考えられないとか……えっと、そーゆ感じですハイ」


なんだこのクソみたいな言葉はと透輝は核弾頭があるならそれを抱いて揃って自爆したいくらいの羞恥に身を焦がした(なお実際にそれをやっても生還するだろうが)。


顔が熱くてパトラのことを見ることが出来ず俯いているがパトラがどう反応しているのか見れない。


ゴーン──ゴーン──


 鐘の音が響いてきた気がつかなかったが、いつの間にかそれなりの時間が経過していたらしい。

 

「パトラ──?」


 建造物に反響していた反響音が耳をひそめてもパトラの返事がなかった。

 パトラが立っていた場所に透輝が目を向けると……


 床に水たまりのように粘液が広がっていた。


「パトラァアァァッ!?」


 粘液の周りにはパトラが身につけていた外套も転がっていた、なぜパトラがこんなことになってしまったのか透輝にはわっけがわからなかった!


「……あれ?外套の他に衣類がない……だと?ノーブラ、ノーパンだったのかッ!?パトラァアァァッ!?」


 明かされる衝撃的真実、ぱとらさん下着をつけていなかった。


「と、溶けちゃったのか、生きてるのか」

『私って生きてるの?生きるってなに?』

「返答しづらいっ!てパトラ無事か!」


 自身の内から響くパトラからの念話に安堵する、少なくともパトラに影響があるわけではなさそうだった。


『依り代の構成を阻害されただけだから魔力を貰うね』

「ちょっと待って心の準備を……アッー!」



 透輝は<三重之穢>のスキルで無限に近い魔力があるが一度に使用できる魔力には制限がある、『凶神化』していればこの時も問題がなかったかもしれないが『凶神化』せずにいたので無理矢理に許容以上の魔力がパトラによって引き出されたた。


 もしこれが普通の人間であったならば急激な魔力の膨張に肉体が追いつかず肉体の不全麻痺に変質や壊死といった悪影響がある危険行為だが透輝は全身を蠅たたきで殴打されたような痛みと全身のしびれですんだ。


 そしてパトラは魔力を補充し粘液状態から元に戻る。


『復活?再構成かな。対策はできたケド』

「うん、よかったんだけどさパトラどうして溶けたんだ(迫真)」


 ちなみに透輝は全身に力が入らないので床キス状態です。


『それはね……よいしょ』

「ねえ、なんで俺の上に座るの?」

『嬉しいでしょ?』

「週三でオナシャスッ」


 なんだこの男はたまげたなあ。

 複雑な表情ながらも透輝は満足そうではあった、こいつらすげえ変態だぜ?


 その時


「おいお前らいるか、食事の時間がきた……」


 部屋の鍵をかけ忘れていたらしい。

 店主がドア君をたたくと勢いよく扉が開き透輝がうつ伏せになりパトラに座られているのを見られた。


「すまん、お前たち二人の食事は待っておくように伝える。……それと……コレよかったら使ってくれ」



 乗馬用のムチだった。




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