二人の失敗
淫夢ウィキ使ってるんだが宣伝のエロゲーがノンケにつらい
本来であればステータスカードとは貴族の当主、もしくは高位貴族の子どもや王族のみに発行されているものだ。
その理由は政治的なものもあるが、そもそもステータスカード自体の材料やカードを発行する魔道具は希少だ、ということもある。
そのためステータスカードを持っている人物=貴族だという認識で間違いはない、というのが衛兵隊長達の認識だった。
本来であれば間違ったことではなかっただろう、これはストワール王国の者たちが召喚した者達の待遇を貴族クラスにしていたが為に起こった喜劇でしかない。
そしてパトラがエルフの中でも特に高貴な者かもしれないと判断したのは、その容姿だ。
通常エルフは金髪碧眼で特徴的な耳を持つのだが、例外がある。
王族かそれに近しい血族に見られる特徴で髪色や瞳の色が違うというものだ。
そしてその通常とは違う髪色などから連想させられる属性魔法や精霊などとの親和性が非常に高く通常のエルフなどとは比べ物にならない能力を持っている。
そのことから王族に近しい血族のエルフをハイエルフと呼称される。
そしてパトラの髪、瞳の色は空を映したかのような青髪のエルフであり通常のエルフとは違う見た目から王族かもしれない、という判断に至ったのだ。
「ハイエルフの少女にステータスカードを持った世間知らずに見える普人坊ちゃんか~あの二人何だと思う?」
「見た限りですが、二人とも恋仲のようでした。そこから考えると……」
「駆け落ち──かな」
「恐らくは……」
衛兵隊長は頭を抱えそうになる。
とんでもない厄介ごとだからだ、この国の者ではない他国の者の駆け落ち自分が関わっていないのであれば青春だなーなんて言って呆けていられたが関わるとなればそうもいくまい。
「しかし、よく駆け落ちなぞできたものだ。あの国の王族への執着から逃れようととは……」
「俺達にはわからないことだらけです」
実は見当違いで異世界召喚者で凶神となった男とダンジョンの奥底にいたアンデット化していたエルフの成れの果てだとは夢にも思うことはないだろう。
「それと、男の方からはステータスカードを預かってるんですけど確認用の魔道具ってどこでしたっけ?」
「ステータスカードを預けるって豪気なのか無知なのか……俺も一緒に見よう。その後のことはこっちで考えておく」
(視点が戻りますよ~)
「ぱとらさ~ん?も、もう、俺のケツが壊れっちまうよ」(穴ではない)
『ん?ん~ッ♪』
透輝の胸に顔をうずめているパトラは上機嫌でその両手をもって透輝のケツを揉んでいた。
もう、気が狂うほど気持ちがいい訳でもなくただ揉まれ過ぎて血行促進して透輝のケツは熱くたぎっていた。
「はい、もう終わり終わり離せ~って力強いっ」
「あうっ」
離れたパトラの顔は汗ばみながら紅潮していて『もっともっと』とねだるような潤んだ視線に透輝の息が詰まる。
そしてパトラのそんな表情を見ていると透輝は……
ガチャッ──
「遅れてすまない、い、ま、終わって?」
戻ってきた衛兵の前には顔を紅潮させた何かをねだるようなエルフと見つめ合う人間(あっ察し)
「……」
「……」
「辺りを一周したら戻ってくる」
バタンッ──
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい!待って!助けて!待って下さい!お願いします!アアアアアアアア!(発狂)」
「トウキもう一回♪」
「わざわざ声に出さないでええええええええええッ」
なお、この誤解は解けなかった模様。
それから暫くして言葉通り衛兵のネコミミ男は部屋に戻ってきた。
透輝は机に突っ伏していたが、パトラはニコニコ顔で満足気だった。
「あ~、預かっていたステータスカードだが本物だった。」
衛兵の男がステータスカードを透輝に渡す、しかしながら透輝はその男がなんとなく腰が引けているように感じた。
「それと申し訳ないのだが、本物と確認できてもステータスカードの所持者かどうか確認するためにステータスカードを起動させてもらってもいいだろうか?」
「これが本物だと確認したのでは?」
起動させること自体には文句はなかったため単純に疑問に思った透輝は衛兵に問うた。
「ステータスカードが本物かどうか確認する前に起動させても本人証明になりえない、ステータスカードが本物と確認してから本人に待たせて起動すれば本人確認になるってこと」
パトラが矢継ぎ早に答えたので衛兵は「その通りです」というのみだった。
「起動させることは別にいいけど、名前の部分だけで?」
「構いません」
そうはいうが衛兵はガッカリしていた、全て表示させてくれれば憶測だけでなくどのような身分かハッキリわかるかもしれなかったからだ。
「トウキですか……」
ステータスカードは所持者の意識によって表示する部分を操作できる透輝はステータスカードの苗字を除いた名の部分のみを表示した。
苗字を表示しなかったのは残してきたクラスメイト達に生存を悟られたくなかったからだ、もっともそちらは既に透輝が死んだものと思っている。
「そういえば便宜をはかってくれるといいましたよね?」
とそこでパトラが思い出したかのように衛兵に告げた。
透輝はパトラが喋るのが珍しくその顔を見ているとほんの少しだけパトラの耳が動いた気がした。
「え、ええできる範囲でしたら」
「それでは貴金属の装飾品を買い取ってくれる所を教えてください」
衛兵の表情がひきつったように固まった。
気に入った次話をあくしろよって方はブクマとか評価とか感想とかあると創作がはかどるんでぇ、ヨロシクゥ




