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不浄者は凶神になり斜めな成長する  作者: ジャック・レイ・パール
無名
102/112

チラチラ見てただろ?

感想を返せなかった方がいたようです、この場にて謝罪いたします。

 魔蟲に揺られること一日経った頃に眼下にあったのは透輝からすれば古めかしい構造建築をした街並みだった。とはいえ元々の日本と比べればそれは当然のことではあったがストワール王国のものよりも建物を粗末なものに感じたのは間違いはない。


『あれかな、あれだよね』

「話しかけないでくれ、酔ってるの……若干のタマヒュンと酔いで吐きそうなの、食事なんて10日以上してないから吐くものないけど」


 隣で()()の羽をはばたかせながらはしゃぐパトラに透輝はげんなりとなりながらもこたえた。パトラの依代は応用がきくため羽を作り出して自前で飛んでいた。最初にパトラが自前で羽を出したときはひっくり返るほど透輝は驚いた、最初に生やした羽は甲虫を思わせるものでカッコよかったが蝶を思わせるようなものに変えさせた。

 ちなみに透輝はパトラのように自分の体を改変することはできなかった、自分の身体を変異させるというイメージができないためだろうとパトラは言ったが。


 ともあれ、このまま町まで飛んで行くのは避けるべきものだろう。普通に考えて人の身の丈を超えるトンボに運ばれている人間が町に現れたら騒ぎになるのは間違いがないからだ。


『ここから爆撃とか瘴気を充満させて屠殺した方がいいんじゃない?』

「なんていい提案ってならないからな!?そんなことをしたら俺は悪魔みたいじゃないかッ」


 凶神なので悪魔どころか邪神の類ではあるのだが……。少なくとも透輝は自分に特に不都合が無ければ穏便にいきたいと思っているタイプだ。手荒なことや目立つ行為というのはなるべくしたくはない。もっとも目立たない範囲でならその権能を遺憾なく発揮するだろうが。


 それから着陸するのにちょうどいい場所を見つけるとトンボに指示して降りようと思ったのだが、なぜかトンボは透輝をゴミの如く投げ捨てそのまま何処かにいってしまった。


「ねえ、ひどくない?ポイッじゃなくてブンッてかんじで投げやがったよアイツ?」

『チョット面白かった』

「……そこは少しは怒ってよ、少なくとも同情はしよ?……泣くぞ?」

『泣いて?』


 パトラが楽しんでくれたならなによりかな、なんてちょっぴり悲しくなったがあのトンボにいつか罰を与えることを遠い目をしながら胸に誓った透輝だった。(現実逃避)


 ちなみにそのトンボ型魔蟲は数多の闘いの結果、竜種に匹敵する力を得たあとで街中に出没し干してある男のパンツのみ攫っていく頭のおかしいモンスターとして有名になるのだが……それは透輝のあずかり知らぬ話である……まあ主人に似たんだろう。


「さて、町に行くのには街道を探さないとな……あっちだっけ?」

『違うよ?反対』

「……あのトンボに投げられたセイで方向感覚がおかしくなったんだなーシカタガナイナー」


 恥ずかしさに身を縮めながらパトラが示した方向に歩くことで街道を見つけ、そこからは更に道をたどることで町に入ろうとする列がみえる。


「うわ、ここからでもわかるくらいには並んでるな」

「待つのも悪くはないでしょ?」


 突然耳に聞こえた声に驚きパトラを見ると不思議そうな顔をして透輝のことを見つめ返した。普段の念話とは違うパトラの肉声だったからだ。


「パトラ……お前」

「念話だけだとトウキがおかしく見えるから、ここからは肉声のほうがいい」


 確かにその通りかもしれないがパトラにそのようなことを面と向かって言われると少し透輝は肩をおとしたが、それでも自分のことを思って簡単に意思疎通のできる念話ではなく肉声を発してくれるパトラの心遣いは嬉しかった。


 単純にパトラの声が心地よかったというのもあるが恥ずかしいので言葉にすることはなかった。


 そこから町に入ろうとする列の最後尾に並び、順番を待っていたのだが透輝達と周りの者たちは互いに互いを興味深そうに見ていた。

 というのも透輝は黒髪ながらも凶神となった影響かその瞳は赤と青のオッドアイに変化しているし、パトラは容姿が整っている上に青髪のエルフだ。まずこの異世界においてもかなり珍しい身体的特徴に加えて二人共黒い外套のようなものを纏うその格好もかなり人目を引くものだった。


 透輝が周りを興味深そうに見ていたのは周りにいる者たちがどこかしらに獣の要素を含んでいたからだ。主には耳が獣耳だったり尻尾があったりだったがその様な身体的な特徴を持つものが多く、透輝もその知識やストワール王国にいた頃に何度か見かけていたことからわかっていた。


 彼等は獣人だと……そして透輝が驚いたのは周りにいる者達の過半数がその獣人達だったことだ。もしかしたら、獣人が多く住む場所に来たのかもしれないなと透輝が思っていると。


「おい、お前さっきから俺らのことチラチラ見てただろ(因縁)」


 三人組の獣人たちが透輝にそう言ってきた。




弟に「兄者」と呼ばれたい、でもそんなこと言ったら溜息ついて「アホだろお前」とか「頭大丈夫か?」とか言われそう……アリか?

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