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エアロシティへの道(2)

「ロイドさん、横村を連れてきました」


そういって彼はポンと俺の背中を押した。


目の前には全身是筋肉という言葉が似合うマッチョが腕を組んで無言でこちらを睨めつけながら立っていた。

…ロイド。この男が、ロイド。どう見ても日本人に見えるが…。

とりあえず何か言わなければ。無言が怖い。


「…横村です。どうも」


その瞬間、これまでずっと無表情だったマッチョがドッと噴き出した。

「ゲッヘ!今更自己紹介もねえだろ。開口一番それとはお前もユーモアが分かってきたな」

俺の隣にいた長身の男も笑っている。

「藤野です!どうも!」

ロイドという男と藤野という男は何が面白いのか笑い続けた。とりあえず怒らせずには済んだようだ。




ロイドは俺と藤野以外の乗客には聞こえないくらいの小さな声で話し始めた。

「あー、前にも簡単に説明はしたと思うが、明日の計画はエアロシティの市長の息子と娘をさらうことだ」


…は?

いきなり何?誘拐?意味が分からない。その市名、日本ではないのか?

いやそもそもを言うなら俺は中田厩舎の厩務員だったはずだ。なぜ列車に乗ってこんなところにいる。

おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。




ロイドは続ける。

「市長の子供は毎日8時に母親と一緒にバス亭に行き、そこで子供だけスクールバスに乗る。

 だがそのスクールバスは学校には向かわねえ。なぜだ?」

藤野が同じく小声で答える。

「横村が力を使って運転手を拉致して、それと入れ替わりで俺が運転席に座るからです」


…力?何が?誰の力だって?頭が痛くなってきた。


「その通りだ。そしてスクールバスは俺たち東方義勇軍のアジトに向かう…と」

「でもロイドさん。市長の子供はともかく、他の生徒はどうするんです?一緒にさらっちゃっていいんで?」

「バカ!適当なところで理由つけて降ろしてやれ。俺たちの目的は市長の子供だけだ。

 …それと横村、さっきから黙ってるけどお前どうしたんだ?」

「ああ、こいつさっきからずっとなんですよ。頭でも打ったんですかねえ」



うるさい。意味がわからない。



「おい横村なんとかいえよ!」

「横村ァ!」







「何がエアロシティだバカ!俺はブリブリレジェンドの調教をつけないといけないんだ!わめくなザコども!」






…………

…………………………


チュンチュン チュンチュン

横村「夢か…」



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