王国剣士クリスの実力
中田は調教師をやめて無職になった。次はコンビニバイトで生計を立てようと決めていたので迷わなかった。
高校生バイト「中田サンいい加減仕事覚えてください!」
中田「すまないな細山クン。ブリブリのことが気になって仕事が手に付かないんだ」
細山「わかります。俺もブリブリレジェンドのファンの一人でね…あの時のことは忘れられないな」
当時、細山は自殺を考えていた。自殺の名所である岬に来ていた。
細山「こんな世の中もう嫌だ、死んですべてを終わりにするんだ…」
そしてガケに身を投げる寸前で声をかける男がいた。それが石見沢だった。
石見沢「死んじゃダメだよ」
細山「そうですね」
こうして思いとどまったそうで、細山は今もあの時の石見沢の言葉が忘れられないという。
中田「そんなことが…驚いたな。その話をしたのは俺だけにかい?」
細山「ブリブリレジェンドはどこの厩舎に移籍するんですか?」
中田「それがね、まだ決まってないんだ。ブリブリが嫌がってるそうなんだ。
俺は中田調教師に育てられたんや、引退するまで中田サンの下で働くんや…って…」
細山「そうなんですか」
皐月賞はレコードが2着に6馬身差をつけて勝利した。
しかしスタンドのファンは知っていただろう。知っていたからしらけていた。
ブリブリの出ていないレースなどおままごとだということを。
そして泣いた。ブリブリのために。横村も泣いた。
レコードに乗ったマイケル騎手「ブリブリレジェンドが出ていたら?それはちょっと言い辛いね。
だってレコードの馬主とかもこの映像見てるからね。気を悪くしちゃいますよ。
ま、正直ブリブリの方が格上ですね。運だけで勝ったようなもんです」
次の日マイケルはレコードを降ろされた。