パーフェクト・ワールド
朝日杯当日、中田調教師は早く起きてコンビニへ向かった。
中田「店員くん、今日の競馬見てよ。うちの馬が朝日杯勝つから。」
店員「何言ってんすか中田サン、世界レコード出した馬が強いに決まってるじゃないですか。
見てくださいよ新聞です。全部◎ですよ。やばくないですか?」
中田「ああ、こいつねこいつブリブリに負けてんだよね、ザコなんだよ」
店員「フロックでしょ。弁当温めますか?」
中田「頼む」
中山競馬場のファン「確かに世界レコード出した馬はやばい…しかしそれ以上にヤバイやつが、今年はいる」
横村「うん…ゴーゴーキング…前走福島2歳ステークスで2着だったヤツだ。ブリブリもあいつには太刀打ちできなかった…」
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朝日杯(G1)
1番 世界レコード出した馬 マイケル 1.4倍
2番 ゲリ 高橋 200倍
3番 ゴーゴーキング 田中 3倍
4番 ドラゴンランドリー 竜崎 70倍
5番 ブリブリレジェンド 曽根崎 10倍
6番 ジェントルマン 戸村 15倍
7番 カマキリマンジー 小俣 20倍
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ブリブリの末脚の確かさを誰よりも曽ヶ端は知っていた。だからこそこう思っていた。
曽ヶ端「世界レコード出した馬は相手じゃない…ゴーゴーキングさえ差せば勝てる」
スタート!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1
ジェントルマンが逃げていますこれはハイペースになりそうだ。
これを一気に外からかわす勢いで世界レコード出した馬が来る!残り1000m!
ゴーゴーキング田中「まだ仕掛けるのは早い…ここで動けば最後の直線でブリブリの末脚に屈する…
たしかに世界レコード出した馬は強いのかもしれないが、今回は距離が長い。
それに坂も苦手なタイプだということを考慮すれば、直線で必ず止まる…」
さぁ残り800mを切った先頭はレコード!2番手にここでゲリが上がってきました!高橋騎乗のゲリの勢いがいい!
ブリブリは…あーーーーーーーーーーー!まだ一番後ああああああああああああ!
うわーーーーーー残り600mでレコードが2番手以下を突き離しているぞーーーーー!
あ^--------------!これはこのまま押し切ってしまうのか!?
ゴーゴーキング田中「まだだ、前の喧騒に巻き込まれてはいけない…。
あくまで今回怖いのはブリブリレジェンド…あいつはどこからでも届く末脚があるんだ…」
のこり400mだあああああああああ!レコードまだ10馬身リード!
2番手はまだゲリ!3番手ドラゴンランドリー良い脚で上がってきてる!4番手に小俣!
ブリブリもようやく曽ヶ端がムチを入れようかと考えている!
あーーーーーっとここでゴールインだ!レコードゴールイン!ゴールインです!
ゴールゴール!競馬は怖い!怖すぎる!
1着 レコード
2着 ドラゴンランドリー 9馬身
3着 カマキリマンジー 1馬身
4着 ゲリ クビ
5着 ゴーゴーキング 6馬身
ブリブリレジェンドは7着に敗れた。しかしスタンドのファンも中曽根も、一番強いのはブリブリだということを改めて確信した。
現にドラゴンランドリーに乗っていた竜崎騎手は後にこう語っているではないか。
竜崎「ゲートがあまり良くなかったので今日は末脚を溜めていく競馬に徹しました。
2着に敗れはしましたが持ち味は出せたと思いますので次走が楽しみです」
そう、次走が楽しみだ。