0.2 あの子の過去
続・前日談。守ってあげたいあの子の笑顔。
「お大事に! コロンだよっ!」
「ステラです。その挨拶は医者っぽいですが、『お元気ですか』とかの方が適切ではないですか?」
「うん、私は今日も元気一杯だよ! ステラちゃんは元気?」
「まあ、お陰様で」
「ねえステラちゃん、私達が初めて会った時の事、覚える?」
「何ですか唐突に。……ああ、そう言えば私、病気だったんですよね」
「病気も病気、大病で重症だったよ」
「思い返せば、私がこうしてここに居られるのも、コロンさん達のお陰です」
「ご主人様がステラちゃんにエネルギーをくれたからね。私は、なんにもしてあげられなかったかも……」
「そんな事はありません。コロンさんと一緒に居たから、私は立ち直る事が出来たんだと思います」
「えへへ、それなら嬉しいよ」
「……やっぱり親子だからなんでしょうか? こう言う事が出来るのは」
「じゃあ私、お母さんみたいになれるかな?」
「それは分かりません」
「ほえ?」
「コロンさんはそそっかしい所があるし、ちょっと頼りないです」
「そんなあ……。私、ちゃんとやってるもん!」
「だったら最初の挨拶くらいはちゃんと出来る様になって下さい」