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白札の勇者  作者:
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1話

執筆中小説整理中に発掘したので、折角だからなろうではこれをメインに書いていきたいと思います。


そして本文は当然の如く短めです

王宮の地下深く、本来なら使用されずに封印されているはずの儀式の間で、青白い灯火が辺りを照らし、巨大な幾何学模様を描いた陣を浮き立たせている。

 

今この空間には、その陣を前に祈りを奉げる様に目をつむり、小さく歌の様な呪を唱えている少女に、陣を囲む様に立っている騎士達がおり、言い表せないぐらいの緊張がこの空間の空気を支配している。

 

この儀式はある条件を満たす人間を異界より召喚するものであるが、その成否によっては、この国の命運を決めるとも言えるのだから当然であろう。

 

この儀式が成功すればこの国の権威と名声を高め他国よりも優位に立ち、同盟での立場をさらに固めることができるだけでなく、うまくすれば全ての国を悩ませている問題すら解決できるかもしれないのだから。


時間が過ぎるほどに緊張が高まり、徐々に目には見えない緊張とは違う≪何か≫がこの空間の支配を奪い、密度を上げて陣の中央一点に凝縮され本来なら肉眼ではとらえられない≪何か≫が騎士達にも歪みとしてその存在を誇示し、その密度の上昇により空間全体を震わせ始める。


青白い灯火もそれに応える様にその火力を上げ、さらにこの空間を照らし歪みの存在をはっきりと見せる。


少女の小さな呪が途絶え、自身の持つ『力』を陣の中央に在る歪みに向け放つ。


それと同時に空間全体に激しい光と身を震わす衝撃が全体に広がる。


光が止み、眩んでいた目が正常に戻って辺りを見渡せるようになると、陣の中央の変化に全ての者がきずいた。否、視力が戻る以前からあの圧迫感に似た存在感が消え失せていたのを全員が感じ取り、そこの変化を皆悟っていた。


改めて陣の中央に目を向けると、儀式が成功したことを証明する存在がいた。唯一つ成功と言い表せないであろうことが有るとするならば、本来ならば呼び寄せるのが条件を満たした『一人』であるはすが、『二人』の男女が陣の中央に居たことであろう。





私達の身に起きたことをありのままに話のならば、


『天然バカに目がけて爆裂拳を喰らわせていたら足元にいきなり黒い大穴が空いて引きずり込まれた』


何を言ってるのか分からないでしょうが実際にわが身に起こったことです。


学校帰りでいつもの様に勝手に付いてきた腐れ縁の天然バカの発言にイラッときて爆裂拳を喰らわせてKOしたらそのまま帰宅するだけだったはずなのに。


爆裂拳でなく、デンプシーロールにしておけばよかったのでしょうか?


なんか床にあるでっかい変な模様の中央部に天然バカと一緒に倒れていて、周りには映画や博物館とかでしかお目にかかれないような立派な鎧を着てすぐさま職質をすっ飛ばして現行犯逮捕されそうな凶器類で武装している連中が囲っているし、一人場違いに薄手だけどりっぱな服を着ている明らかに日本人じゃない正統派美少女がいます。


何かしらの撮影現場と思いたいですが、常識的に考えて住宅街の地下にこんな空間を作るのは無理でしょうし、天井を見てみても私達が落ちて来れる様な穴どころか紙も通さないような重厚な石組みの天井で、ファンタジーのお城の地下はこんなだろうなというのを体現しているかのような空間です。


あまり考えたくはありませんが、これはもしかしなくてもマンガや小説とかでお馴染みのアレなんでしょうか?


憧れたこともありましたが、実際に我が身に起こると否定したい感情に埋め尽くされます。


大概、面倒ごとを押し付けるために呼んだんでしょうし。

 

「葵、大丈夫か?怪我とかはしてないか?」


天然バカが話かけてきやがりましたが無視します。


今重要なのはバカに応える事ではなく、元々この場にいた集団が何故私達を呼んだかです。


もしかしたら呼ぶつもりは無く突然私達が現れたりしたとすれば、相手側は私達を突然湧いて出た不審者として拘束しようとするでしょう。


人数的にも敵いそうにありませんし、出来るだけ穏便に物事が進めばいいのですが。


「……あの、すみません。少し、よろしいでしょうか」


THE美少女が話しかけてきました。


まるで人形の様な可愛さと美しさを持ち合わせていますが、少々戸惑っている感じが人間味を出していてさらに愛らしいです。


「ああ、済まない。何か、大切な撮影か何かの途中だったみたいだけど、邪魔をするつもりは無かったんだ。信じては貰えないかもしれないけど、気付いた時にはここに居たんだ」


「はい、分かっています。その事についてお話をしてもよろしいでしょうか」


………それはさて置き、この美少女さんへの対応はバカに任せていいみたいですね。


なら私はその間、確認を済ましときましょうか。


まずはケータイの電波を確認してみますが、予想はしてましたが見事に圏外です。


お次はカバンの中身の確認です。


主に教科書や筆記用具ですが、もしもの時の為の便利アイテムが紛失してたり破損してたりしてないかですが、大丈夫そうです。


次は…っと、最低限の確認をしていたら顔はフルフェイスの兜で見えませんが、何となく周りの完全武装の人たちからの視線が痛い気がします。


いや、美少女さんのお話はちゃんと聞き流し程度には聞いてはいましたよ。


美少女さんの名前ははっきり言って長くて覚えられませんでしたが。


ですがわかった事もちゃんとあります。


それは、

 

「実は、貴方達をここにお呼びしたのは私達です。お願いしたいことがありまして異界から御二方召喚させて頂きました」


「…………………何だって?」


異世界召喚系ファンタジーであることが決定したことです。

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