流れる恐怖
藤乃は過去に古着をリサイクルする工場に勤めておりました。
内容ですが、個人の方々から回収してきました古着、鞄、ヌイグルミ等をベルトコンベアで仕分けして、リメイクした品をショップで販売するという形式です。
古着のリメイクという響きは楽しそうに聞こえますが、ベルトコンベアを流れるソレは実は恐怖に満ちたモノです。
先ず、使い古した服ですので、衛生面ではズサンナ商品ばかりです。
下着、靴下もありまして洗わない状態でベルトコンベアを流れていまして、従業員はそれらを手作業で分別しています。
材質を感覚で見なければならないので、手袋着用はタブーです(大泣き)。
かき集める際、持ち主だった方は調べないようで、中に害虫や汚物も混入している場合も度々ありました(激泣き)。
記憶に濃く残っているのは、引きちぎったような髪の毛の固まりと、先に付着していた血!です!
明らかに故意に引きちぎった髪の束が、血塗られた様子で普通にベルトコンベアを流れる光景には凍りつきました。
そしてその横を生きた害虫がベルトコンベアを逆流しようと必死で走っておりました。
走りながら流れていました。
衝撃的な品々が集う職場で十年くらいはいたかと思います。
分別の仕方も細かすぎて精神的に参ってきまして、私はそこを去ることにしたわけです。
古着には不衛生な『魔』が混入していますので、もしお買い上げの場合店内の品には手袋をして選んだ方が良いかと思います。
なんせ害虫や汚物まみれですから……。
後私、タオルにくるまれた包丁を知らずに握った事がございます。