4.空腹とSOS(2)
えぇー・・・・・
思いがけないメッセージに思考が停止した。
何なんだろう、これ。
イタズラにしては・・・・・切実というか・・・・
俺に2通もメッセージをくれたのは、この子だけだ。
家出少女とかの類かな・・・・・
俺が声をかけて大丈夫なヤツなの???
「うーん・・・・・」
しばし悩んだが、とりあえず返信してみることにした。
「大丈夫?お腹すいているの?」
送信っと・・・・・
するとすぐにブーッブーッと通知が。
え・・・・
即レス?
スマホを見る。
みう「はい(T-T) 3日前から なにもたべてなくて・・・・」
3日前から?
どういうことだよ・・・・・
いよいよ、家出少女の線が濃厚になってきた。
このままにしておいても、警察が補導とかしてくれるのかな・・・・
でも20歳って成人してるし・・・・・
「どこにいるの?」
何か怪しいことになってきたな・・・・
と思いながら、恐る恐る聞いてみる。
みう「いま いきます」
はぁ?
どういうこと?
意味がわからずスマホの画面を見ていると・・・・・
俺の足元に落ちる、大きな鳥のような影。
「!?」
驚いて上を見上げると――――
「ぐえっ」
俺の上に、「何か」が・・・・・
落ちてきた。
「いっててて・・・・」
俺の腹の上に、変な重み。
今まで感じたことのない、柔らかな暖かさ。
目を開けるとそこには・・・・・
羽の生えた女の子————がいた。
「だ、だいじょうぶ・・・・?」
混乱した頭で、その羽の生えた女の子に声をかける。
コスプレイヤーとかなのか?
つか、どっからわいて出た!?
女の子はガバッと顔を上げて
「ふぁい・・・・・」
と泣きそうな顔で返事をして、俺の上から慌てて起きあがった。
「え、えーと・・・・・君は・・・・」
「みうです」
「もしかして・・・・・あのアプリの?」
「はい」
「そ、そっか・・・・」
みう、と名乗ったその子は・・・・・
青色の大きな目。
透き通るように白い肌。
ミルクティー色の髪は肩下くらいまであり、ゆるいパーマがかかったようになっている。
立ち上がると小さくて、150㎝くらいしかないみたいだ。
何より・・・・・白いワンピースの背中に、大きな羽がついている。
か・・・・・可愛い。
なんか・・・・俺の好きなラノベのヒロインに似てるかも・・・・
少しの間ボーッとみうの姿を見ていたが、通行人の視線が急に気になりだした。
このままここにいるのはまずい。
「え、えっと、立ち話も何だし、どっかで何か食べようか?」
みうは目を大きく見開き
「はいっ!!!!」
と何度もうなずいた。
「けど・・・・・その姿じゃ、店には入れないかも・・・・・」
ガーン、と効果音が聞こえそうなほど落ち込んだ顔をされた。
え、うそ、泣いちゃう???
あーどーしよ、えーと、えーっと・・・・
「あー・・・・・・
えー・・・・・・
そのー・・・・・
もし・・・・良かったらだけど、うちで飯食う?」
どうしよ、不審者っぽいかな。
初対面で家に誘うなんて、ナンパ男だって思われる!?
絶対警戒されるよな・・・・・
「!!」
「はいっ!!」
俺の思惑とは正反対にみうは、ブンブンと何度もうなずいた。