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チェックメイトしてみたものの

作者: グミさん

チェックメイトしたもののどちらが犯人か迷っている。

一人目は大金持ちのボンボン。人を見下した嫌な奴。

二人目は大人しそうないい人タイプ。

両方に動機がある。

ボンボンは被害者の恋人と言い張っている。恋人の訳がないと言うのに図々しい奴でしつこく迫っていたとか。痴情のもつれが原因だと推理する。

二人目は被害者の幼馴染。

被害者に奴隷のような扱いを受けたと自分で言っていた。

いい人だから自分から告白してしまう。

動機は十分だ。

さて今二人を崖の上に追い詰めた。

すぐそこに荒れ狂った海が見える。

落ちればひとたまりもない。

「おい! お前がやったんだろ? 」

「何だと? ふざけんな! 」

お決まりのセリフを吐く見た目は完全なクロ。

「君がやったんだね? 」

「ぼ…… 僕は知らない…… 」 

動揺しているように見えるがいい人だからこんなものだ。

見た目は完全なシロ。逆に怪しいとも言える。

果たしてどちらが犯人? まさか二人が協力して被害者を?

とにかく証拠がなくては始まらない。

凶器の刃渡り五センチの黄色いナイフが見つかれば事件は即解決なのだが。うーん。

「おい! 証拠はあんのか? 」 

「そ…… そうですよ! 僕がやったって言う証拠を早く見せてください」

「そう慌てるな。証拠はないが犯人がこの中にいるのは間違いない」

「その根拠は? 」

恐怖からいい人が吠える。これも想定内。

「ここは絶海の孤島。嵐の影響もあって事件の前から近づく者もいない。

ついでにここは無人島。だから犯人はこの中にいる」

「待ってください! 自殺の線は無いんですか? 」

「そうだ! 俺たちは関係ない! 」

いつまでも言い逃れようとする二人。

「自殺は考えられない。明らかに他殺の痕がある。凶器も発見されてないしね」

「くそ! 俺は犯人なんかじゃない! そいつが犯人だ! 」

「僕の訳ないじゃないですか。きっとこの人がやったんですよ」

醜い擦り付け合いが始まる。

何て奴らだ。

「落ち着いてください。事件を整理しましょう」

「一昨日に四人で上陸。

昨夜遅くに被害者が失踪。

遺体が昼前に見つかった」

「ちょっと待ってくれ! 昨夜遅く失踪ってのは本当か? 」

「ええ。たぶんその頃で間違いないかと」

「俺は寝ていたぞ」

「僕だって寝てましたよ。ちなみに探偵さんは? 」

「眠れなくてね。散歩してたよ」

「僕もたまにあります。

「あるある! 」

ふう危なかったぜ! 馬鹿で助かった。

早く解決しなくてはこちらにも危険が及ぶ。

さあどっちがいいかな。

「犯人はお前だ! 」

  

             <完>




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