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02 どうやら、俺がゲーム世界に転生したのは確定してしまったらしい。



俺が異世界転生?してから、一週間の月日がたった。・・・といってもあくまで地球だったらの話であって、この世界での月日の尺度は未だわからないが。


ともあれ、この一週間でこの世界について色々と分かってきたことがある。


単刀直入に言おう。・・・この世界はあるゲームの世界と酷似している。そのゲームを話すにはまず、俺の勤めていた会社“G−Kix“について話さなければならないだろう。


“G-kix”日本最大のゲーム会社であり、VRMMORPGの分野において世界最大のマーケテイングを誇る超一流企業である。


G-kixは俺が死ぬ直前、【インフィニティ・フロンティア】というゲームを開発していて、すでにベータ版に移行していた。ベータテストには俺も参加しており、各種調整やバグなどの調査にあたっていた。




【インフィニティフロンティア】。剣と魔法の世界で、プレイヤーが自らゲーム世界を開拓し、無限の可能性を探しに行こう、という自由度が高めの設定のVRMMORPG。文明レベルは中世ヨーロッパであり、基本的に魔法などによって技術やインフラは支えられている。




主人公は12歳になる時、【エレヒード】の称号を授かり、他6人の【エレヒード】たちと出会う。という設定までは教えられていたのだが、その先の展開は未だ俺の勤めていた会社にはまだ情報は来ていなかった。・・・果たして、まだ作られていなかっただけなのか、はたまたその時は親会社のみの企業秘密であったはわからない。


・・・とここまで話してきたが、そう、今俺がいるこの世界はその【インフィニティ・フロンティア】とそっくりなのだ。


転生した当初、俺は慌てまくって赤ん坊の体でギャーギャーと泣き叫んでいた。すると、初日に会った赤い髪の美人ではなく、メイド服を着た茶髪の12歳くらいの少女が常に俺をあやそうと忙しなく動いてくれた。何せこの体一人で出来ることなど泣く以外ないのだ。


そうしている間に、茶髪の少女は俺を寝かしつけるためなのか、よく絵本を読み聞かせてくれた。その内容は正直あんまり覚えていないのだが、前世に会社から貰っていた【インフィニティ・フロンティア】の少し資料と類似する点が多かった。結果、俺はこの世界が【インフィニティ・フロンティア】の世界の中なのではないかと思い始めていたのだ。


とはいえ、そんな話あるのだろうかと自分で自分の予想を疑ってしまう。ゲーム世界に閉じ込められるS○O的な展開ならまだ分かる。ベータテスト段階ではあったし、そういう事故もないことはないだろう。


しかし、俺は今なんたって赤ん坊なのだ。無論【インフィニティ・フロンティア】にそんな設定はなかったし、ゲーム自体が女神から祝福を受ける12歳からのスタートだ。赤ん坊の時などない。


なので、疑ってしまいたくなってくるのだが、実は、一つここが本当に【インフィニティ・フロンティア】なのか確認できるかもしれない方法がある。


・・・それは『メニュー』と声に出して唱えてみる方法だ。ゲーム通りなら、眼前に浮いた半透明の『メニュー』画面が映し出される。


しかし、俺は赤ん坊だからしっかり発音できるか分からないし、仮に『メニュー』画面が映し出されても出されなくても、どちらにしろ怖いのでやっていなかったのだが。・・・・・・仕方がない。腹を括るか。



心の中で、メニュー、メニューと反復して練習をする。・・・よし、行くぞ!







「えにゅー!!」





眼前に広がる、淡い青色の『メニュー』画面が現れた。



・・・・・・ほんとに出ちゃったよ。



どうやら、俺が【インフィニティ・フロンティア】の世界に転生したことは確定してしまったらしい。






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