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第十四話 シア殿下と国のトップ

部屋を出た後なんだか殿下が言いにくそうな顔をしていたので

「どうかした?」

するとシア殿下は言いにくそうな顔をしながら

「私の事嫌っていますか?」

と聞いてきた。


俺は驚きながらも

「いえ、嫌っているなんてことはありませんよ」

というと明らかにホッとしていた。

「実は治療していただいた後しゃべっていただけなかったので嫌われたのかと思いました」

俺はそう言われてあのとき失敗したなと思った。

「いえ、ただ魔力を使いすぎただけですよ。逆にそう思わせるような態度をとってこちらこそすみません」

と言った。そうするとシア殿下が


「そうですか、よかったです。しかし、本当にあの時はありがとうございました」

そう言った時に父さんが陛下や宰相と共に出てきた。すると殿下は

「それではまたお披露目会で会いましょう」

と微笑んだ。俺はその笑顔に思わず見惚れてしまった。

その間に殿下は陛下たちと共に帰っていった(ここは王宮なので部屋に戻っただけなのだが)。



そして俺と父さんは家に戻るために馬車に乗った。

「ルイトすまないな。どうしてもああするしかなかった」

父さんが言っているのは俺の秘密を一部暴かなければいけなくなったことと爵位を与えられる事だろう。

「大丈夫、どうせいつかはバレただろうし、爵位も名誉ある事だから」

「だけどお前は...」

父さんはおそらく俺がもともと貴族ではなく冒険者になりたがっていたことを気にしているのだろう。「貴族になっても冒険者をできないわけじゃないし。陛下も冒険者をしていいって認めてくれたから」そういうと父さんも何も言わなくなった。その代わりに

「まさかお前が兄弟の中で最初に貴族になるとはな」

「そうだね。自分でも驚きだよ」

そのあと世間話をしながら俺と父さんは屋敷に戻った。





side  国のトップ


ルイトとシア殿下が部屋を出て行ったあと部屋には陛下、宰相、近衛騎士団長、アルバートが残った。

陛下はルイトが出て行ったのを確認して

「アルバート、君の息子はいったい何者なんだい?」

そう聞いてきた。普段は威厳のある皇帝だが身内だけの時はこのような軽い感じだ。


アルバートはラドルド皇帝の質問に対して

「俺もよくは知らん。まあ、一言言えるのは普通ではないということぐらいだな」

そう答えると先ほどまで発言していなかった近衛騎士団長が疑問に思っていたことを訪ねた。


「アルバートさん、ルイト君でしたっけ彼嘘ついてますよね?」

そういうとアルバートはなぜそう思うのかを聞いた。


「私は精霊を感じることができるため彼を見ていましたが、今はいないようですが彼からはものすごく大きな精霊の気配のようなものを感じました。それもただ力を貸してくれているだけでなく契約のような雰囲気でした」

そういうと陛下と宰相は驚きのあまり何も言えなくなった。


「精霊と契約しているというのか...」

そうこの国では精霊との契約はほぼありえず、もしもできた場合神のようにあがめられるからだ。


「もしもそうならばますます自由にはさせられんぞ」

そう陛下が言うと

「それだけはだめです。あの子はもともと冒険者になって世界各国に行きたがっていた。その夢をつぶしただけでなく自由まで奪うというなら我々はこの国にはいられません」

そう父さんが返した。


陛下は少しの間考えていたが

「分かった、爵位だけにしておこう。だからこの国からは出ていかないでほしい」

と言いそれで話がまとまった。

お読みいただきありがとうございます。


もしも


面白かった

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