第50話「朦朧とした意識の中で」
「・・・いてっ?!ここどこだ・・・。」
軽い頭痛と共に目覚めたら視界は真っ暗だった。
確か野乃崎さんとさっきまで一緒にいて、急に視界が真っ暗に・・・。
あまり状況は理解出来ていないが、多分野乃崎さんもグルってことだな。しかしここからどうやって・・・。
「キャーッ!!」
突然悲鳴が聞こえて女の子が上から降ってきた。
助ける隙もなかったが、この空間は柔らかいようでふわっと横たわった。何なんだ一体・・・とりあえずこの子が助かって良かった・・・。
よく見るとその女性に見覚えがあった。
「さ、佐渡・・・。」
どういうことだ・・野乃崎さんが裏切ったとか?
本人は気絶していて、しばらく目覚める気配がなかった。
仮にもし二人で何か企んでいるならこの状況はまずい。一刻も早くこの空間からの出方を探そう。
とは言うものの、武器はない・・スマホも使えないな、能力の方も・・使えないみたいだ。
仕方がない、佐渡の周辺から使えそうなものを漁ることにするか。悪いことをしたやつとは言え、女の子の体を触るのはちょっと抵抗あるけど・・・。とりあえず武器のようなものが一番隠せそうな靴の中を調べるか。
そう思って靴を脱がせようとした途端、
「・・んっ・・・な、何してるんですか・・・!!」
恐怖で泣きそうな顔をした佐渡は平手打ちをしてきた。これはまずい。まずは弁解するしか・・・。
「ち、違うんだ・・ここから出ようと思って・・・。決して君の体を触ろうとかそういうことじゃ・・・。」
佐渡はあまり信じていないようだったので、とりあえずこの空間について説明をした。スマホも能力も使えないこと、この空間は柔らかくて自分達は助かったこと、武器がないこと等、多分焦っていたから説明は上手くなかったと思うが佐渡はとりあえず理解してくれたようだ。
「要するにえっちなことをした訳じゃないんですね。・・変態に襲われた訳じゃなくて良かった。私は佐渡愛香って言います。あなたは?」
「俺は久能省汰、君のことは彩夏ちゃんから聞いてるよ。同じクラスなんだ。だから決して、本当に、何もしていないんだ。」
勘違いされるのは嫌すぎるので改めて弁明の意味を込めて自己紹介をした。すると佐渡はクスッと笑った。
「そうだったんだ、じゃあ同級生だね。私のことは愛香でいいよ。さっきは、その・・叩いちゃってごめんね?」
佐渡は近づいて叩いた俺の頬を撫でた。
普通に可愛いんだよな・・これ以上は色々危ない・・・。
とりあえず佐渡の能力確認をするか。
「だ、大丈夫だよ。それよりも君も能力を使えるか確認がしたい。どちらかが使えたら、ここを出られるかもしれない。」
「そうだね、分かった。確認してみる。」
もし佐渡がここで闇の能力を使って出られたらこのまま戦うことになる。どちらにしろ警戒するしかない。
すると佐渡の手から小さな芽が出て、すぐに消滅した。
どういうことだ・・・。
「やっぱり使えなかったね、どうしよう・・・。」
「そ、そうだね。ちなみに君って何能力なの。」
そう質問すると、佐渡は少し笑って答えた。
「芽が出たんだけど見逃しちゃったかな。私は彩夏ちゃんと同じ草の能力だよ。」




