第45話「ターゲットはメンバー候補生」
真梨絵は彩夏の肩に手を置いた。
「もしかしたらメンバーの子も狙われるかもしれないから聞いただけ。他にこの学校にメンバー候補の子はいる?」
とりあえず彩夏ちゃんには隠すのか。そうだよな、今の状態で受け止めきれるか分からないもんな。
「最近知ったんだけど、Dクラスに野乃崎かれんちゃんっていう子がいるよ。かれんちゃんのことも心配。」
野乃崎さんは前クラスの時席が近くてよく話していた。真面目な大人しそうな子だと思っていたけど、アイドル志望だったのか。意外だ。
「野乃崎さんのことはよく知ってるから後で聞いておくよ。」
「省汰くん、ありがとう。」
彩夏ちゃんは少し安心した顔をした。だが誰が見ても分かる、いつもより疲れた顔をしていた。
「彩夏、いつも明るいのに暗い顔してるよ。散歩でもしながら、外の空気吸って気分転換しよう。」
「恵ちゃん・・そうだね。」
恵もそれに気づいたのか、彩夏ちゃんを外へ連れ出した。流石の行動力と気遣いだ。彩夏ちゃんが行ったことを確認した後、爽馬と琢磨にも話を共有した。
「・・・最悪だな。彩夏はあんな頑張ってたのに・・そんな事しないと上がってこられないのかよ・・・。」
いつも軽い笑顔を振りまいている爽馬が、ものすごく悔しそうに怒っているのが分かった。
「笑ちゃんでも特定することしか出来ないくらいには厄介な能力だ。なるべく近くで、相手が油断している時に対処しないと。」
琢磨が考え事をしてるような仕草をすると、浦並がニヤッとして、
「いいこと思いついちゃった。」
と言った。
すごく嫌な予感がする・・・。




