番外編「待ち時間」
一方、外ではまぁまぁ修羅場な会話が繰り広げられていることを俺は知る由もなかった。
「はぁー・・・疲れた。」
ベンチに腰掛け、真梨絵はため息を吐いていた。
疲れるのも無理はない、全員を自分の闇の空間の中に放り込んで走り続けていたのだから。
「お疲れ、私達囲いながら行くの疲れたでしょ。」
恵はボディシートを持ってきて、真梨絵の横に座った。
「ありがと、彩夏達は?」
「周り誤魔化してくれてる。結構大ごとだったから私が頼んでおいた。」
真梨絵は驚きと同時に、この遠藤恵という女の有能さを改めて感じていた。この騒動の中でそこまで気が回る人は少ない。
「本当に気が利くわね、あいつには勿体なさすぎるでしょ。」
小声で言ったつもりだったが恵に聞こえていた。
「・・どういう意味よ。」
恵は少しむっとしながら真梨絵の方を睨んだ。
「誰を好きになるかは本人の自由なんだけどさ、久能は今の環境に甘えてるだけだから、笑や恵みたいな向上心が高くて気が利く子じゃ勿体ないって思っただけ。」
恵は首を横に振って拒否した。
「そんなことないよ、省汰くんはこのクラスにいるべき実力持ってるから。真梨絵もその内分かるといいね。」
そう言いながら地面を軽く蹴って立ち上がった。
「ライバルに先を越されたら困るしそろそろ部屋に突入するわよ。いい加減起きてるでしょ。」
「心配はしないのね、あんたらしいわ。私も心配はしてない、笑なら何か掴んでいるはず。一緒に行こうか。」
こうして恵と真梨絵は笑が寝ている場所へと向かった。
普段あまり接点がないので、恵と真梨絵を絡ませてみました。普段他の人がいると出来ない会話とか、たまには織り交ぜてみたい。




