第3話「負けず嫌い」
「・・・なるほどな。」
西側も馬鹿じゃなかったということだ。
今日は東のルーキー笑と真梨絵が不在。しかも校庭にいるのは俺ら弱小だけ。だが、待て。
「おい、バリアが張ってあったはずだ。どうやって抜けた。」
するとボム女は得意気な顔で、
「爆破しちゃった♡」
と言い放った。
なるほど、これは予想よりだいぶ厄介だな。
俺だけでは絶対に対処できない。
何か手は・・・。
「おーい!!!!」
あいつはクラスメイトの・・・!
誰か連れてきてくれたんだな。
「省汰、助人連れてきたぞ。」
「サンキュー助かる!!」
だが、助人と言って連れてこられた奴は怯えた犬のような目で恵を見ていた。
「す、すまん。」
そう言うと一目散に逃げていった。他のクラスメイトも皆、同じように逃げていく。
「やべえって・・・七海先生がやられてるのに俺らに敵うはずが・・・。」
確かにこいつ等が言ってることはあながち間違いではない。生徒である俺達が、先生が倒せない敵を倒せるほど強くないことも分かっている。
でも、俺は弱音を吐くことが大嫌いだ。
戦わずして後悔するより、戦って後悔した方がマシだ。俺一人でも戦う。
「ボム女、俺が相手してやる。かかってこい。」
「心配しなくても全滅させてやるわ。」
そう言うと、ボム女の手から小さい爆弾が出てきた。
そうか、こいつは自分の体の中で爆弾を作り出すのか。ということは、こいつが爆弾を作ってる間わずかに時間がある。抜け道が出来たかもしれない。一か八かかけてみるか。
「私の爆弾くらいなさいよ、雑魚ども。」
ドーーーーーーーンッッッッ
激しい爆発音と共に空間が煙に覆われた。
「・・・こんな簡単にやられちゃうなんてつまんなーい。」
ボム女は退屈そうな顔をした。
でも俺がその顔を拝めたということは・・・。
「退屈させてすまなかったな。ここからは本気で行こう。」
「なっ?!」
先程までの退屈そうな顔は驚きの表情へと変わっていった。