第31話「緊張する空間」
「あー着いた着いた。」
ここが琢磨の家・・って広っ!まさか金持ち?!
恵も唖然としているが、他は来たことあるからか冷静だ・・・。
「じゃあ入りますか。ピンポーンっと!」
チャイムを押すと琢磨が嬉しそうに笑みを浮かべて出てきた。
「やぁ、みんな来てくれたんだね。歓迎するよ。」
・・イケメンの笑顔、破壊力が高い。
「お邪魔しまーす!琢ん家久々だな!」
遠慮という言葉を知らないのか、爽馬は高級そうな豪邸に普通に入っていく。
「そうだね、本当はもっと爽馬と話したいけどお互い忙しいよね。それにしても今日も気持ちの良い髪だね。」
「いつも触ってくるけどくすぐったいって。」
琢磨が爽馬の髪を軽く撫でて・・って玄関で何を見せられているんだ俺は。こいつらどういう関係なの?
っていうか女子勢が目キラキラさせてる・・・。相手が女だったら少女漫画だもんな。
「俺はみんなと会えるのも楽しみにしていたよ、さぁ、遠慮なく上がって。」
部屋の中は美味しそうな料理が大量に並んでいた。少なくとも俺はあまり食べたことがない。恵の目もキラキラしているが、みんな慣れているのかあまり動揺していない。
「相変わらずすごいわね、こういう料理大好きよ。」
浦並は一番に席に着いた。
「真梨絵ちゃんはお目が高いね。僕たちまだお酒は飲めないけど、お酒を嗜む気分でいくとしよう。」
二人が座ったテーブルはまるで高級レストランのようだった。庶民との差を感じるこの空間で果たしてやっていけるのか・・・。