第29話「パーティーのお誘い」
あれから数日間。
恵は割と普通だったが接触が減ったように思う、いい傾向だ。
そんなことを考えていると急に爽馬に声をかけられた。
「省汰!琢磨ん家で6年生進級パーティーしないか?」
・・ツッコミどころが多すぎるな。
「適当なタイトル付けてるけど毎年恒例なんだよ。それにさ、彩夏も来るらしい。」
コソッと耳元でそう言われ興奮を隠せなかった。
ついに彩夏ちゃんと・・・。
「絶対行きます。」
「よっしゃー!じゃあいつものメンバーともちろん恵ちゃんも呼ぶだろ・・ってことで声掛けといてくれよ!あっ、いつものメンバーっていうのは杉原さんと真梨絵な!」
あの二人と仲いいのか意外だな。
でも待てよ・・・。俺は誰にも聞こえないように爽馬の耳元で言った。
「実は、俺と恵はあの二人とあまりいい関係じゃなくてな。俺はいいけど、恵とあっちサイドが何ていうか。」
「そうか。んじゃ、ちょっと聞いてくる。おーい、真梨絵!パーティー省汰と恵ちゃんも誘っていいか?あっ、恵ちゃん良かったら来てよ!」
・・馬鹿なのかこいつは。まぁでも全ての手間が省けたな。浦並はため息ついてすごい顔してるけど。
「私主催じゃないから別に誰誘ってもいいんじゃない。んで、恵来るの?」
「行く行く!楽しそうだし。」
「よっしゃ、決まりだな。良かったな、省汰。」
はぁ、何とかなった。それにしても仲悪いと思ってたけど、浦並と恵は一緒にいるんだな。当日も穏やかに過ごせますように。