第2話「爆弾少女」
「お前ら席に着け。火属性の授業を始める。」
気迫のある声で教室が静まり返る。
この美人で気の強そうな先生は相葉七海先生。怒るととてつもなく怖い。
「早速だが、今日は実習をするので校庭に移動する。皆私に付いてこい。」
七海先生は女子人気がすごくて、女子達はキャーキャー騒いでいるが、正直恐怖以外の感想がない。校庭で実習なんてロクなことにならないのは目に見えている。
ん?こんな時間に校庭に誰かいる。
「少し待っていろ。」
先生も気づいたのか、様子を見に行くようだ。
敵だとしても七海先生なら一発で倒せるし問題ない。
ドーーーーーーンッッッ
爆発音が鳴り響いた。
七海先生がやったのか?いや、でも・・・。ここは様子を見に行った方がいいかもしれない。
「ちょっと様子を見てくる。みんなはここで待っていてくれ。」
何も無ければいいけど。
走りながら向かっていくと大きなリボンをした少女がこちらを睨んでいた。
こんなときになんだが、割と可愛い。
・・・って、何考えてんだ俺は。
校庭に着くと七海先生は倒れ込んでいた。
「先生・・・!!!!」
・・・呼吸はあるみたいだ。
だが、安堵している暇もなさそうだ。
「お前、何者だ。」
向かい側の少女にそう聞くと、当たり前のように答えた。
「私は遠藤恵。簡単に言っちゃえば西側の刺客ってとこかしら。」
その一言で全てを理解した。彼女は西の学校で有名な【爆弾少女】だ。
「その爆弾少女さんがうちに何の用だ。」
そう聞くと、彼女は少しムッとしながら会話を続けた。
「爆弾少女なんていうダサい呼び方二度とするんじゃないわよ!!!!・・・ゴホンッ。決まっているじゃない。あんたらを試しに来たのよ。」