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28話「必要以上に干渉しない」

恵は慣れた手つきで契約書を出した。

折られていたはずの紙は折り目がなくなり、綺麗な状態に戻っていた。


「これすごいよね。隠蔽対策で特殊な能力が込められてるんだって。でもそれだけトラブルが多いってことだから私たちもしっかり決めないとね。」


ニコッと笑いながら言われたが、今ので分かったことは互いの納得いくものでないと契約は難しいってことだ。それなら・・・。


「そうだな。全部で十の決め事をしなきゃいけないから、交互に言っていって、意義がある場合は手を挙げよう。じゃあまずは俺から。「一、報連相をしっかりする。」」


「当たり前のことだけど重要ね。じゃあ次私、「二、必ずしも互いを優先しない。」」


必ずしも互いを優先しない・・・?


「ニュアンスは分かるが、具体例を教えてくれ。」


「例えば私と笑が溺れているとします。その場合、必ずしも私を優先しなくても大丈夫。状況を見て判断すればいいってこと。」


うわ・・物騒な例えだな・・・。笑もこいつも何かしらの方法で普通に脱出しそうだな。それにしても意外だ。もっと「私を絶対助けて」みたいなタイプかと思っていた。


「分かった。じゃあ「三、身体的接触をしない。」」


「省汰くん、それは却下。ペアなのに協力できなくなっちゃうでしょ。」


くっ・・正論だ。ダメだったか。


「・・仕方ないな。じゃあ「三、必要以上に干渉しない。」」


「ふーん・・具体的には?」


「俺が他の女の子と話してても何も言うな、逆にお前が誰かと話してても俺も何も言わない。」


「・・そんなに・・なんだ。」


恵はボソッと何かを呟くと、納得したように頭を縦に振った。


「了解、今日は取り敢えずここまでにするね。後日また決めようか。」


ニコッと笑ってそう言ったが、俺は何故か違和感を感じた。

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