第21話「新しい先生」
俺達は壮絶な別れの後、職員室に向かった。
特殊なケースの為、新しい担任に付き添い紹介してもらうらしい。
「すみません、Aクラス担任の先生を訪ねるよう言われたのですが。」
「久能くんと遠藤さんね。少し待っていて。」
少し待たされてから歩いてきたのは、見覚えのある面影だった。
「君達、今日からよろしくね。」
闇属性の西田先生、Aクラスの担任だったのか。少し気まずい。
「よろしくお願いします。あの、先日は七海先生からの説教というか・・大丈夫でしたか?」
「あー・・君達が気にすることはないよ。君達も勝負を受けてしまった側だし、僕としては少しはお小言を言いたいけどね。」
笑いながらそう言って上手く受け流した。七海先生よりだいぶ大人だ。
教室の前に到着すると、西田先生は真剣な顔で、小声で俺達に耳打ちした。
「君達は本当に特殊なケースだ。ひいきするつもりはないけど、君達を守るのは僕の役目だ。先日のようなことがあればすぐに報告しなさい。」
出来た人だ。俺は今まであまり人に頼ることはなかったけど、この先生なら安心出来ると思う。
「分かりました。」
二人同時に返事をすると、「良し。」と言って教室の扉を開けた。これから俺達の新しい未来が待っている。




