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忠臣

くじ引きで決まった忠臣には一癖も二癖もありそうな特徴をしていた。


「これで忠臣が決まりましたので、名前とスキルを決めてください」


「ジョブは?」


「ジョブについては生活していくなかで自然と決まります。ちなみにジョブを持つことでその技術をする際に補正がつきます」


ジョブは補正か。ほとんどの忠臣が決まったようなものだが、二つある時点で他にもなにかしらの特技があるかもな。


「では名前から決めてください」


名前か。大体特徴を持ってるから決めやすいが、その辺りのセンスはなんとかしよう。


一応性別は聞いておいたが、一人しか女性はいなかった。メスは割りといた。ワイルドコッコの一匹と魔鯨、魔獣の一匹だ。


《小聖鬼族→王鬼》部下が多いから。


《人族(木こり)→アッシュ》アックスからとった。


《人族(農夫)→ワークマン》働き者だから。


《人族(元冒険者)→サイス》採取からとった。


《魚人族→アルベルト》なんとなく。


《蜥蜴人族→フリード》なんとなく。


《獣人族→ラビ》うさぎだから。


《聖骸族→セラフィム》元神聖騎士だから


《魔人族→バルト》麦わら帽子と執事。


《コボルト→ライゼル》流離(さすら)いのコボルトをイメージ。


魔獣達は飼い主達につけさせることにした。


「次はスキルですが、これはあちらについてからでも可能です。如何しますか?」


「着いてから決めます」


「では、最後に最初に村を作る場所を決めてください」


幾つかの候補を出されたが決まらなかったので、自分で作りたい場所を指定することにした。


人がいなくて海と山が近く、あれば鉱山の近い場所という立地を調べたらあった。


あったが、本当に誰もいない場所だった。近くの町や村に向かうまで1ヶ月かかるらしい。


鯨のことも考えてそこにした。


空を飛べるとはいえ、村の上を飛んでたら非常に目立つ。


「あとは貴方様についてですが、着いてから決めていただきます。初期装備についてはあちらに家を5つ用意しましたので、そちらを使ってください。質問はありますか?」


「ゲーム内ですが、死んだらどうなりますか?」


「10分の1の能力で転生します。もちろん、転生できるのはプレイヤーと忠臣だけですが。能力値は1より低くはならないのでご安心ください。質問は以上ですか?」


頷くとアルファアスは着いてくるように言い、歩き出した。


「この世界はある程度文明が発展しておりますが、そちらの世界からしたらまだまだといったところでしょうか。ですが急速な文明の発展は早く文明を破壊していくことにもなります。そのことをしっかりと理解してくださいね」


アルファアスは時々こちらを振り返りながら歩幅を合わせながら進んでいく。扉が幾つか並んでおり、それらを無視して進んでいく。


一際豪華な扉に着くとノックして入っていった。


そこにはまた幾つかの扉があり、そこを抜けると不自然に森と草原の境界線があった。


「あとは自らの意思でこの境界を抜けてください。そこから貴方の物語が始まります」


「そうか」


言われるがまま、境界線に一歩踏み出すと、突風が吹き荒れて視界を奪った。


「いきなりだったな…」


風のあった方を振り返るとそこには森しかなかった。


「拠点はどこだ?」


真っ直ぐ森を突っ切っていくと拓けた場所があり、そこには三つの木造の家が建っていた。


「ここか?」


「お頭、待っていましたぜ」


切り株に座っていた緑色の小人が手を振りながら話し掛けてきた。


「お前が王鬼か?」


「もちろんだ」


緑色の小人はゴブリンだったが、思ってたよりも醜い姿ではなく、子供に角を生やして肌を緑色に染めた程度だ。


「他の奴等は?」


「向こうに居ますぜ」


王鬼に案内されて訪れた場所には斧やら鍬を物色する顔の似た二人組がいた。


「ん?あんたが村長か?」


「そういうことになってるな」


「随分わけぇあんちゃんだが、俺達とそう変わらねぇな」


「んだな。ちょっと若返った気もしなくもねえがな」


斧を物色していたのはアッシュで、鍬を物色していたのはワークマンだった。


「その斧と鍬は使えそうか?」


「まぁまぁだな。ないよりはマシってところか。ちょっくら伐ってくるわ」


「俺も着いていくぜ、切り株をこいつでちょちょいのちょいで掘り起こしてやるよ」


アッシュとワークマンはそれぞれの得意武器を持って行ってしまった。


「王鬼の部下に護衛を任せてもいいか?」


「もちろんだ。砲鬼と千鬼はあの二人の護衛を頼む」


「「任せろ」」


二人のゴブリンは槍と剣を持って護衛についた。武器については勝手に使うらしい。指示しなくていいのは楽だが、厳しいところだと怒りそうだな。


今のところ三人しか遭遇していないが、他はどこにいるのやら。


「お?村長さんか?」


考え事をしているとコケコケと声を鳴きながら近付いてくる真っ白な鶏と真っ黒な鶏を抱えた真っ黒な角を生やした青年がやって来た。


「バルトか」


「村長は若いねぇ。でも賢そうだ。僕はバルトって言います。それでこの子達はマヒルとセイヤです」


白がマヒルで、黒がセイヤか。恐らく、真昼と星夜という意味だろう。


「よろしくな」


「はいっ!」


バルトと握手をすると二つの羽も重なった。このワイルドコッコ達、思った以上に賢いかもしれない。


マヒル達を連れたバルトは食べることが可能な木の実やらを採取しにいくという。今はサイスを探している最中だそうだ。


バルトと別れて小屋に向かうと中には最後の一人の人族のサイスがいた。サイスは袋を幾つかと小さなスコップそれからバケツを持って今から出掛けるところだった。


「村長さん、これ借りていきますね」


「あぁ、いいぞ。バルトが探してたから一緒に採取してくるといい」


「ありがとうございます。では、私はこれで」


サイスはなかなかの好青年だったので、期待ができそうだ。


あと残りは魚人族のアルベルトと蜥蜴人族のフリード、獣人族のラビ、聖骸族のセラフィム、犬人族のライゼルだ。

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