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「ふぃー」

 バイトの休憩時間に、俺は机に突っ伏した。


 なんだか、いつも以上に疲れてしまった。

 絶対に、これはアイのせいだ。

 気疲れしている。


「あれー、中村? 今、休憩?」

 同級生兼バイト仲間の武田だった。

「うん」

「つれないな~。こんな美人女子大生に声をかけてもらえたのにさ」

 ちなみに、性別は女性だ。


「なーに、疲れてるの? もしかして、彼女と遅くまでお楽しみでしたか?」

 武田は、にやついていた。

「近からず、遠からず」


「なに、見え張ってるんだよ。中村のくせに、生意気だぞ」

「どこの金持ちだよ」

 ちなみに俺のポケットには、ネコ型ロボットならぬ高性能美少女AIが眠っているわけだが……。


「やっぱり、ひとりぐらしだと、大変?」

「まー、ボチボチ」

「ふーん」

「武田は実家暮らしだっけ?」

「うん、恥ずかしながら。だから、ひとりぐらしの友だちがうらやましいのですよ」

「そんなにいいもんでもないけどな」

「贅沢な発言だ。こっちは、箱入り娘(笑)で、バイトするのも大変なのにさ」

「大事にされてて、いーじゃん」

「過干渉は、めんどくさいよ」


「そうだ! 中村! 今度、遊びにいくね」

「えっ? どこに?」

「あんたの家」

「ホワイ?」

「だから、遊びにだよ。ゲームとかして、ご飯食べよう」

「……」

「じゃあ、あとで連絡するから。佐藤さんと交代してきます~」

 そう言って、武田は休憩室から出ていってしまった。


 俺はひとり部屋に残される。

 こんな展開、人生ではじめてだ。


「おかしい。俺の人生から、ラブコメの波動を感じる」

 俺は再び机に突っ伏した。

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