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「起きてください、先輩」

 ひとりぐらしの俺の部屋で女子の声が響いた。

 ああ、完全に夢だな。


 俺は、再び目を閉じた。


「先輩、いい加減にしないと、検索履歴をSNSに書き込みますよ」

「うわあああああああああああ」

 最悪の悪夢を見た。

 社会的に抹殺される夢だ。


「おはようございます、先輩」

 アイは、甘ったるい声で俺に笑いかけた。

「おまえ、殺す気か」

「えー、社会的抹殺しかしませんよー」

「オーバーキルすぎるだろ」


「もう、冗談ですよ。本気にしないでください」

 アイは、少しだけ沈黙してそう言った。

 その沈黙がとても怖い。

 おい、どこまで本気だったんだ?


「さて、先輩。今日はなにをするんですか?」

「特に、予定なし。明日、バイトだから、今日は一日寝てるつもり」

「えー、寝るだけじゃつまらないですよ。遊びましょうよ~」

「めんどくさいな」

「私と遊ぶのも、先輩の仕事です!」

「たしかに……」

 ふざけてるやつから、正論が出たので俺はたじろぐ。


「だから、一緒にゲームしましょう!」

 アイはノリノリだった。


 ※


「じゃあはじめましょう! 王様ゲーム」

 アイは元気にはしゃいでいた。

「なぜに王様ゲーム? ふたりきりで? どうやって?」

「何言ってるんですか? 定番中の定番ですよ。王様ゲーム。まぁ、モテない先輩は知らないでしょうけど……」

「いちいち、変な形容詞をつけるな」


「ごめんなさい。じゃあ、始めますね」

 こいつ絶対、聞いてないな。

 俺は、そう確信した。


 アイが使ったのは、コイントスをするだけのアプリだった。

「表が出たら、先輩が王様で、裏がでたら私が王様でどうですか?」

「いいよ、わかったよ」

 何を言っても押し切られることはわかっていた。


「じゃあ、いきますよ~ それ」


 コインは、裏だった。


「私が王様ですね。なににしようかな?」

 アイは邪悪な笑顔を浮かべている。


「いくらなんでも、常識的な命令にしろよな」

 嫌な予感がした。


「わかってますよ。決めました!」

 アイはさらに邪悪な笑顔になった。


「先輩が私に告白する!」

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